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2017/01/26
フランスで何処に住みたいかと聞かれたら、酪農地帯と答えるかもしれない。

ワインなどはストックしておけますから、ブドウ畑の中に住む必要はありません。でも、乳製品は新鮮さが勝負なので、家のすぐ近くにミルク工房があるのが一番ではないですか? 手作りバターは1週間くらいで食べきってしまわなければなりませんから、頻繁に買いに行ける環境にいるのがベスト。


乳牛モンベリアルドのバターが私には最高

本物のバターの味を知ってしまうと、普通に手に入るバターって何なのだろう? と思ってしまいます。

私が本物の味と出会ったのは、酪農が盛んなフランシュ・コンテ地方でのことでした。B&B民宿の朝食に出されたバターがとても美味しいので、何処で作っているのか教えてもらって買いに行くようになったのでした。

と言っても、片道100キロ以上あるので、わざわざ買いに行くわけにはいきません。その辺に行ったときに、少し遠回りをしてミルク工房に立ち寄れるだけ。



ブルゴーニュ地方に隣接するフランシュ・コンテ地方で、コンテチーズを作っている共同組合の工房でした。

ミルクはモンベリアルド種の牛(右の写真)。


私は本来のバターにはこんな風味があるものなのかと驚いたのですが、一緒にいた年配のフランス人たちは、昔懐かしいバターの味だと言っていました。

フランスの田舎では手作りバターを食べていたので、本来のバターの味がしていたのだそうです。お金持ちでなくても、そういうバターが買えたのだそう。

いま普通に買えるバターには、バターの味がしない、と彼らは言います。私に言わせたら、日本のバターに比べたら格段にバターらしさがあるのですけど。

フランス人が朝食を食べるときには、パンにバターを塗って、その上にジャムやハチミツなどを塗っています。年配の人に言わせると、昔はバターだけ塗るか、ジャムだけ塗るかだったのだそう。つまり、バターの味が無くなったから、ジャムなどをさらに加えるようになったのだろう、と言われました。

バターの味は、牛の品種、どういう風に育てられているで最初の条件が決まり、さらに、どのように作られるかで決定的に味が異なってくるのだろうと思います。


バターを作るための昔の道具

バターは、バラット(baratte )と呼ばれる木の樽で作るのが伝統でした。

下は、ブルゴーニュ地方の酪農家がバターを作るために使用していたバラットです。

 
フランス最高のバターは?: イズニー、エシレ、レスキュール(2009/12/03)に入れた写真


この農家では、飼育している山羊でチーズ、牛のミルクでバターを作っていたので、ひところはよく買いに行っていました。ある時、近所から苦情がきたのが原因でヤギたちを放し飼いをしなくなってしまったので、行かなくなりました。明らかに山羊チーズの味が落ちてしまったのです。

ここのバターも、スーパーなどで買うのよりはずっと美味しかったのですが、フランシュ・コンテ地方で作っているバターほどの感激はありませんでした。バターをここでは買わなくなったのは、残念とは思っていません。こういう木製のバラットは使っていないでしょうけれど、朝市に行けば農家の手作りバターが買えます。

手作りバターは、型抜きなのも楽しいと思います。

こういう木枠で作るのですとお見せするために画像を探してみたら、普通に売っているので驚きました。自分でバターを作ってしまう人たちが、そんなにいるのでしょうか? 生クリームを攪拌していれば、素人でもバターを作れてしまうそうなのですけど。 

あるいは、買った普通のバターも、木枠で形作ったら美味しそうに見えるからと買う人がいるのかな?...

バターづくりの道具です。




レストランで美味しかったバター

写真アルバムを整理していたら、記憶にとどめておこうと思って写真を撮っていたのに、すっかり忘れていたものがあったのを思い出しました。

このあたりに行った時は利用したい、と思うほど満足したレストランで出てきたバターです。



味が濃厚で、とても美味しかったのでした。インパクトがあると言うのが適当かも知れない。他のバターと違うと驚かせる何かがあるのでした。色も、黄色が際立って強い。

一緒に食事していた友人は味にうるさい人でした。しかも、子どもの頃に食べていたバターの記憶が残っている世代。その人もバターのおいしさに驚いていたので、本当に質の良いバターなのだろうと思いました。

レストランでテーブルの上にバターをのせてもらっても、たいていはただのお飾りなのですが、余りにも美味しいので、私たちはパンに付けていただいてしまいました。

友人はよほど気に入ったらしく、お給仕の人に何処のバターなのかと聞いていました。


Bordierボルディエのバター

レストランでお給仕をしていたマダムは、Bordierボルディエ)だ、と返事しました。

友人が知らないメーカーだと言うと、マダムは、有名なメーカーなんですけれどね、という反応。

それで思い出した。「私は知っている♪」と得意げに言いました。

友人は売っているのを見たことがないと言うので、「日本では売っているよ~」と私。

ブログでバターについて書くために調べたとき、この会社の愉快なコマーシャルを眺めいたら、とても美味しそうなバターを作っているらしいと分かってマークしていた乳製品メーカーだったのです。

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フランスのスーパーなどで簡単に手に入る大量生産のバターの中には、高品質保証のAOC/AOPを獲得しているエシレイズニーがあるのですが、ボルディエのバターはもっと濃厚で、バターらしい風味があると感じました。

正直言って、エシレやイズニーのバターは、日本で食べると「わぁ~、バターの香りと味がある~!♪」と感激するのですが、フランスで食べるときには、どうとも思いません。

一度だけ、ホテルの朝食で出された小さなパッケージのAOC/AOPバターを食べたときには非常に美味しいと驚いたので、密封してあるものだと風味が残るのかな、とは思っています。


ボルディエが作るバターの特徴は、バターを木のターンテーブルにのせて練りこむことにあるようです。19世紀末に見つけた方法でしたが、1975年くらいにはほとんど行われなくなってしまったのだそう。

malaxage(マラクサージュ)という練圧の工程。そこで塩を入れると、ショックを受けたバターが水分を出す。それで香りと味が濃縮されたバターができるとのこと。


La magie du beurre dans Destination Goûts avec Jean-Yves Bordier. - Saint Malo (35)


インターネットで製造過程を見て美味しそうだと感じていたボルディエのバターを、ついにレストランで味わうことができたわけです。

メーカーの名前を憶えていただけかと思ったのですが、ブログでも書いていました:
頭から離れないほど美味しかったバター 2011/07/10

もう5年も前でしたか...。この後、ボルディエのバターを買ってみたいと思って探したのですが、見つからなかったので忘れていたのでした。


一流レストランご用達のバターは、ボルディエ?

思い出したので、改めてボルディエのバターについて知るためにインターネットに入っている動画を眺めました。

フランスでも、安いバターの価格と比較すると2倍や3倍の値段で販売されているそうなのですが、3つ星レストランなどでは、惜しげなくボルディエのバターを使っていました。

ボルディエでは作り置きはしないで、注文があってから製造をするのを基本にしているとのこと。昼までに届けよというパリの一流レストランの注文に応じて、朝の工場で慌ただしく900個の小さなバターを作っている光景もありました。

高級レストランでは料理のお値段が高いわけですが、そんなことができるのなら料理の出来の差は出せるのだろうなと思いました。

北フランスのブルターニュ地方で製造されていました。牛の品種は分からなかったのですが、ビオ(無農薬)か減農薬で乳牛を飼育している農家のミルクしか使わないのだそう。ミルクを提供している酪農家も登場していましたが、牧場には放牧されない冬の間も、健康そうな食べ物を与えられていました。

ボルディエのバターは、トップクラスのレストランが御用達にしていて、地元やパリなどでない限りは、一般の消費者の手には余りで回らないのではないかと思いました。

フランスは宅急便が発達していないので、生鮮食料品をネットショップで買うことはありません。サービスがいい加減な国なので、「冷蔵でお届けします」と言われたって、全く信じられませんので。それで、取り寄せができるかどうかは調べていませんでした。

日本にいるときならネットショップで簡単に買えると分かっていたのですが、日本で輸入品の乳製品を買うと高いのだものな...。

ボルディエのバターを楽天市場で検索


レストランで出されたバターは、シンプルなものではなくて、何かが練りこまれているタイプだと言われました。何だったか忘れてしまった...。

ブルターニュのメーカーなので、海藻入りバターの評判が良いらしいのですが、それではなかったのは確か。レモンだったか、ピマン・エスプレットだったか...。


日本のショップ情報を見たら、2~3週間で食べ終えるようにとありました。そのくらいが自然だと思います。日本のバターは半年くらいの賞味期限になっていませんか? 防腐剤でも入っているのではないかと思ってしまう...。


改めてボルディエについて調べていたら、ボルディエは私が知らなかっただけで、美食に詳しい方々には有名なようでした。一般消費者が優れているとするバターがエシレなら、プロや、こだわりの美食家が選ぶのは ボルディエ、という感じなのかもしれません。

ブルゴーニュ地方だと何処で買えるのか調べてみたら、数軒では扱っているという感じでした。でも、大きな町にあるÉpicerie fine(エピスリー・フィンヌ)と呼ばれる高級食材店だけのようです。つまり、エシレのようにスーパーに置いてあるわけではないから、私が探しても見つからなかったのだ。


本当なのかな?...

調べていたら、こんなことが書いてある日本のネットショップがありました。

パリの星レストランで、あのボルディエを超えた!と言われ
ジリジリと人気が出始めているバター『AU BON BEURRE (オー・ボン・ブール)』。


それで売られていたのは、トリュフ入りのバター。


このメーカーがどんな風にバターを作っているのか知りたかったのですが、bon beurre(良いバター)などという名前がブランド名になっているので、キーワード検索しても「良いバター」のは話しばかりがでてきてしまうので、生産者情報がヒットしないのでした。北フランスのベルギー寄りにあるようなのですが、あの当たりで質の良いバターができるのかな?...

トリュフは、オリーブオイルやバターの中ではうまく香りが残るのですよね。料理は下手でも、材料が良ければ美味しいのができる。このメーカーのバターがフランスで最高なのかどうか知りませんが、牛肉の分厚いステーキにトリュフ入りバターを乗せただけで立派な一皿になりますよ...と、ひがんじゃう。





ボルディエのバターの方は、どのように製造しているかの情報がいくらでもインターネットに入っていました。

フランスのテレビで放映したバターに関する1時間番組で、質の良いバターと、スーパーでたくさん売られている安いバターのどこが違うかというのを報道したのがインターネットに動画として入っていました。

質の良いバターの例として大きく扱っていたのはボルディエ社。原料とするミルクの質も、製造の手間も、安いバターの製造とは全く違うので面白かったです。その番組の動画を次回に入れます。

続き:
上質バターと大量生産バターの違いを見せたフランスのテレビ番組
シリーズ記事 【バターの見分け方 】 その1
目次へ


ブログ内リンク:
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム) ⇒ フランスのバター

外部リンク:
ボルディエのバターを楽天市場で検索
フランスの高品質保証AOP/AOCを持つバターを楽天市場で検索
Le Beurre Bordier ⇒ 製造方法 La transformation du beurre
☆ YouTube: Chez Bordier à Saint Malo
辻調おいしいネット:一流シェフが絶賛!手練りで生まれるブルターニュの有塩バター


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