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2017/02/19
パリのシャンゼリゼ通りのすぐそばに、超高級ホテルのフォーシーズンズ・ホテル・ジョルジュサンクがあります。

Hôtel George-V

庶民の私にできるのはラウンジでコーヒーを飲むくらいですが、博物館のように美しいアンティークの調度品があって、ゆったりとくつろげるので気に入っています。こういう気取ったホテルを、本来は好きではないのですけど。

シリーズ記事 【バターの見分け方 】 その12

このシリーズで何回も登場させたドキュメンタリー番組「Le beurre et l'argent du beurre」では、このホテルに入っているレストランが登場していました。

3つ星レストランの調理場

3つ星レストランのLe Cinq(ル・サンク)。ドキュメンタリーの取材があったときにはシェフだったエリック・ブリファーさん(Éric Briffard)が登場していました。このドキュメンタリーがテレビで放映された年は、ブリファーさんがレストランを去った2014年のようだったのですが。

ブリファーさんは、20年近く前にボルディエ(Bordier)のバターに出会って以来、使い続けているそう。毎週注文していて、それがレストランに届けられていました。



こんなにたくさん?! と思ったのですが、段ボール箱を開けると、テーブルの上に置くらしいバターの画像が映し出されました。この形で届くのだとしたら、梱包は大きくなるでしょうね。



ボルディエ社のバターを楽天市場で検索

この後に、気になった場面が出てきました。


加熱しても焦げないバターがある

ブリファーさんが、加熱すると焦げるバターと、焦げないバターのデモンストレーションしたのです。

普通は、フライパンを強火にかけてバターを入れると、3秒くらいで、まだバターが溶けきらないうちに茶色く焦げ始めます。




ところが、全く焦げないで、最後まで黄色のままのバターがあったのでした。並べてみると、違いは歴然としていますね。




日本の有塩バターは、フランスの有塩バターより塩分が少なかった」で書いたように、私はバターを加熱するときに焦がしてしまうことがよくあるので、興味津々。


Beurre clarifié澄ましバター

焦げないバターを「beurre clarifié」と呼んでいるので、調べてみました。

日本語では「澄ましバター」と呼ぶのでした。どうやら、プロの隠し技らしい。

バターを湯せんなどで温めて液体状にし、上澄みと底に残る部分を取り除いた状態のものが「澄ましバター」ということのようです。

作りたての澄ましバター
常温の状態


澄ましバターの利点

普通のバターは120度で焦げてしまうのに、澄ましバターなら250度まで大丈夫なのだそう。

さらに、澄ましバターにすると、日持ちが良くなり、冷蔵庫に入れなくても保存できるようでした。バターに関する番組の中で、昔は澄ましバターを作って壺に入れて保存し、1年くらい使ったという人もいましたけれど、そこまで保存できるのかは疑問。

常温で大丈夫というのと、日持ちが良くなるということに惹かれました。

フランスを旅行した日本人がバターをお土産に持って帰るという話しをよく聞くのですが、溶けてしまったり、保冷材を入れたりしたら凍って風味がなくなりそうではないですか? 私はバターを日本に持って行ったことがありません。

でも、澄ましバターにしたら、問題なく持ち帰れそうではないですか?♪

それに、無殺菌バターを買ったときにも便利だと思いました。私のお気に入りにしている無殺菌バターは、日帰りでは行けない場所にある工房で作っているので、めったに買いに行けません。ここのバターは安いので、たくさん買いたくなるのですが、1週間くらいで食べきるのがベストなのです。冷凍するのを実験したこともあるのですが、風味はみごとに落ちてしまいました。

澄ましバターにして保存すれば良いわけではないですか?♪


焦がしたバターは、心臓や動脈に良くないのだそうです。フランスには心臓病の友達が何人もいるので、これをやるようにすすめようと思いました。

もう1つの利点は、パンに塗りやすいこと。これは魅力ですね。朝食で食べるとき、コチコチのバターだと困るので。でも、加熱するわけでもなかったら、そのままの状態で食べたい気がします。

澄ましバターにすると、成分から乳糖とカゼインが無くなるようです。バターそのものの風味は落ちるのではないかな...。でも、美味しくなったと言っている人もいました。


私が好きなカエルのすね肉料理で、見事な調理をするレストランがあるので感心していたのですが、澄ましバターだったのだろうと思いました。バターをたっぷり入れているのに、全くしつこさはないのです。

 
久しぶりにカエル料理を堪能 ♪ 2013/07/19


バターを加熱するときは、澄ましバターを使うのがベストのようです。しかも、いたって簡単に作れてしまうのでした!


澄ましバターの作り方

日本語情報は最後にリンクを入れますが、フランスの動画を入れてみます。

作り方1


Technique de cuisine : Clarifier du beurre

湯せんにしたバターを3つに分けて、上澄みと底の部分は取り除き、真ん中の部分を使う。でも、ロスがたくさん出そう。急がないなら、容器に入れた状態で冷蔵庫に入れ、翌日に上澄みを取り除いて、少し表面を削れば良いとのことなので、これが良いですね。

湯せんで溶かさないで、常温でバターを置いておくという方法の紹介もあったのですが、それでバターが完全に液体になるのだろうかという気がしました。


作り方2

電子レンジを使った簡単な方法もありました。電子レンジなどを使いたくないですが、これだと非常に簡単にできてしまうのが魅力。

バターについて勉強のような番組で紹介されていました。澄ましバターの作り方の部分だけが出るように動画を入れます。


Comment bien choisir son beurre ?

まず、澄ましバターを作るには、ある程度の量ですることが必要だそうです。50グラムなどではダメ。番組では、フランスでは普通の250グラムのバターを使っていました。
  1. バターの塊を切って、下がつぼまった容器に入れてラップする。
  2. 電子レンジは「解凍」のポジション(これが大事!)で3分間チンすると、バターは分離する。
  3. それを動かないようにして、そっと冷蔵庫に2時間入れておく。
  4. 固まったら、冷水で洗って、上と下の部分を削ぎとれば出来上がり。
この動画でも最後に加熱したときの状態を見せていますが、澄ましバターは焦げないのですね。


レストラン「ル・サンク」が登場した動画

始めに書いた、澄ましバターは焦げないというデモンストレーションがあったレストラン「ル・サンク」の場面だけを出す動画も入れておきます。作り方は余り見えないのですが、フランス料理はバターをふんだんに使うというのが見えます。

このレストランでは、ボルディエのバターで毎日20キロも澄ましバターを作っているのだそう。


Le beurre et l'argent du beurre (France 5)


ギーとは違う

それなら、澄ましバターの状態で売っても良いのではないか、と思うではないですか?

探してみたら、売っておりました。フランスのネットショップが扱っていたものは缶に入っていて、これがバター? と疑うシロモノ。しかも、説明がないので何なの分からない。

日本のショップは丁寧に説明していますね。


市販されているのはギー(Ghee)と呼ばれるバターオイルで、煮詰めてしまって作るようです。フランス料理で使う澄ましバターとはかなり異なるように思えました。



長々とバターについて書いてきましたが、今回で終わりにします。

シリーズ記事 【バターの見分け方 】その12





ブログ内リンク:
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム) ⇒ フランスのバター
★ 目次: レシピ、調理法、テーブルウエアについて書いた記事

外部リンク:
ボルディエ社のバターを楽天市場で検索
フランスの高品質保証AOP/AOCを持つバターを楽天市場で検索
6 Raisons de Clarifier son Beurre
プロの味・澄ましバターの作り方★ by 大井町子
料理サロン ひとつむぎ: 澄ましバター
飲食店では教えてくれないナイショのレシピ: 澄ましバターの作り方


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コメント
この記事へのコメント
澄ましバターはほぼ100%乳脂肪なので、
牛乳に含まれていたタンパク質(うま味)成分は含まれていません。
もはや調理油と大差ないですね・・・
2017/07/02 | URL | -  [ 編集 ]
Re:
v-22

上質のバターを使って澄ましバターを作ってみたいと思うものの、バターを台無しにしてしまいそうで、もったいなくて、未だに実験できずにおります。

>もはや調理油と大差ないですね・・・

そのレベルまではいかないとは思うのですが、バター本来の風味はかなり無くなっているのでしょうね...。始めからバターの風味がないもので作ったら、調理油とほとんど同じになるだろうというのは想像がつきます。
2017/07/02 | URL | Otium  [ 編集 ]
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