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2017/02/15
気になっていたことがありました。日本のバターは焦げやすいのではないか、ということです。日本でバターを使って料理するときには、よほど注意していないと焦がしてしまうのです。

シリーズ記事 【バターの見分け方 】 その9

私がバターを焦がすのは、なぜ?

フランスのガスレンジは、それほど火力が高くはならないから焦げないのではないか、と思っていました。

ところが...

日本に長くいた時、どうしてもバターの味がするバターが食べたくなって、AOP/AOCを持つイズニーのバターを奮発して買ったことがありました。

これを加熱したフライパンに入れたら、ちっとも焦げないのでした。

日本のバターは有塩だから焦げやすいのかと思っていたのですが、このときに買ったイズニーはDemi-sel(薄塩)のものだったので不思議。

私が日本にいるときに買うのは、いつも有塩バターです。日本のは塩分が高いのかな?... それとも、添加物か何かがたくさん入っていて焦げやすいのか?...


ここのところ、バターに関するフランスの番組での報道を見ているのですが、1つ気になったことがありました。シェフが、3種類のバターを目隠しテストしていた場面です。

目隠しテストで出されたのは、次の3種類。


Le Galleのバター

大量に生産している農協のバター

イズニーのバター

品質保証のAOC/AOPを持っているバターの製造メーカーとして、唯一、「美味しいバターを作るのに不可欠と言われるバラット」で書いた連続式バター製造機で作っている。
ボルディエのバター

非常に評判が良いバターで、このシリーズを書くきっかけになったほど美味しいと驚いたバター。

プロの人は、少しバターを味わっただけで、どういう所で製造されたかが分かるようです。

は、加熱して料理に使うには適さないバターだ、と言っていました。

は、バターに塗ってチーズと一緒に食べると美味しいだろう、とのコメント。

は、これはボルディエのバターだと、すぐに見分けていました。



私が日本製のバターを使うとよく焦がすのは、日本では有塩バターを使っているからではないかと思ったので、そちらの方を検討してみることにします。


フランスの有塩バターと無塩バター

塩分のよる違いは、フランスでは3段階で区別されています。

Doux

ドゥー
無塩バター
生クリームの攪拌後に得られた状態。塩を加えていない。

Demi-sel

ドゥミ・セル
薄塩バター
バターに0.5~3%の塩を混ぜる。

Salé

サレ
有塩バター
バターに3%以上の塩を混ぜる


フランス人は一般的には無縁バターを使う、と言われます。伝統的にブルターニュ地方では有塩バターが一般的という違いはありますけれど。

おもしろい統計がありました(2013年のデータ)。

品質保証AOC/AOPを持つバターでは圧倒的に無塩バターが消費されているのですが(83.43%)、品質保証を持たないバターでは薄塩バター(demi-sel)の消費量がかなり多いのです(37.32%)。



AOC/AOPを持つバターは味が良いので、その本来の風味を味わおうとしたら無塩バターが好ましいということなのでしょうかね。そして品質保証なしのバターだと、塩でも入った方が美味しいから薄塩バターが好まれる?

バターに塩を加えると日持ちが良くなると言われています。品質保証なしだと安いバターなので、スーパーで長いこと陳列されても風味が落ちてはいない、ということかな?...

ともかく、塩加減によって3分類されるのですが、有塩バター(salé)を買う人はかなり少ないのは見えました。


日本とフランスのバターの成分表を比較してみた

バターには、もともと塩分が含まれているのだそう。無塩バターは、フランスではdoux(甘い)という呼び方をしています。日本でも「無塩」という名前では販売してはいけないそうで、「食塩不使用」と呼ばれていました。


栄養成分表示 (100 g当たり)
メーカーカルピス 特選バター ボルディエ(Brodier)データ出所
食塩不使用
有塩
Doux
Demi-sel
Salé
エネルギー758 kcal744 kcal743 kcal716 kcal707 kcal
たんぱく質0.3~0.8 g0.3~0.7 g0.7 g0.7 g0.7 g
脂質83.7 g82.2 g82 g79 g78 g
炭水化物0~1.0 g0~1.1 g0.6 g0.6 g0.6 g
ナトリウム4~13 mg600 mg0.04 g2.8 g4.0 g
食塩相当量 1.5 g
メーカーよつ葉バターペイザン・ブルトン
Paysan Breton
発酵
伝統造り
DouxDemi-selSel de Guerande
エネルギー741 kcal746 kcal744 kcal726 kcal726 kcal
たんぱく質0.6 g0.4 g0.8 g0.8 g0.8 g
脂質81.9 g82.6 g82 g80 g80 g
炭水化物0.4 g0.2 g0.6 g0.6 g0.7 g
ナトリウム387 mg475 mg0.05 g2.0 g2.6 g
食塩相当量1.0 g1.2 g
メーカー雪印 北海道バタープレジデント(Président
食塩不使用
有塩
Doux
Demi-sel
エネルギー750 kcal732 kcal745 kcal727 kcal
たんぱく質0.5 g0.6 g0.7 g0.7 g
脂質83 g81.0 g82 g80 g
炭水化物0.2 g0.2 g1.0 g1.0 g
ナトリウム4~15 mg550 mg0.03 g2.0 g
食塩相当量 1.4 g


これは「発酵バターとは乳酸菌を添加したバターだ、とは言えないのでは?」を書いたときに、日本とフランスのバターの味の違いが成分表から見えるかなと思って作った表でした。炭水化物がフランスの方が多いなというくらいしか違いが見えないので、塩分の比較で使うことにしました。

意外にも、日本のバターはそんなに塩分が多いわけでもないのでした。薄塩バター(demi-sel)でも日本の平均的なものより塩分が強い。私は日本の有塩バターの方が塩分を感じていたのですけれど。

Saléと呼ばれる有塩バターは、大丈夫なのかと思ってしまうほど塩分が多い。思い出してみると、ブルターニュ地方を旅行したとき、とても塩分が多くて美味しいな、と驚いたのは、このカテゴリーだったかもしれない。

ともかく、私が日本製バターを使うと焦がしやすくt、フランス製バターなら大丈夫というのは、塩分の含有量によるものではないのだ...。バターの目隠テストをしたシェフが言っていたように、加熱には向かないバターがあるとすると、日本製のバターを買うときにも、ちゃんと選ばなければいけないのでしょうね。


バターをフライパンに入れて加熱するときに焦がさない工夫あるのを学びました。プロの調理人はしているのだそう。後日、それについても書きます。

続く。

シリーズ記事 【バターの見分け方 】 その9




ブログ内リンク:
★ 目次: 乳製品(チーズ、バター、生クリーム) ⇒ フランスのバター

外部リンク:
Beurre salé ou demi-sel
☆ Inao: Produits laitiers AOP Chiffres clés 2013 PDF


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