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2017/05/04
ブルゴーニュ公国の都だったディジョンの町に来た人なら、必ず訪れるはずの観光スポットがあります。


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その3



ディジョンのノートルダム教会とフクロウ」に書いたように、旧市街の中心部にあるフクロウの彫刻を見に行くのが観光コース。

これを左手で触りながら願いごとをすると、その願いが叶うと言われているのです。

頭に耳のように見える羽があるので、これは本当はフクロウではなくてミミズクだ、と最近になって発見されたのですが、それは重要ではありません。

ともかく、このすり減った彫刻を、左手で触るというのが重要なのです!


このディジョン名物のフクロウは、ノートルダム教会の正面に立って左側にある道を入って少しのところで出会えます。



フクロウはフランス語で「シュエット(chouette)」なので、この通りの名前はRue de la Chouetteシュエット通り)。

教会の祭壇はメッカの方向、つまり東を向いています。ですから、このシュエット通りは教会の北側に回る道となります。


フクロウを左手で撫ぜなければいけない理由

幸運をもたらしてくれるとされるフクロウ。ただし、左手で撫でるということになっています。

右手でするとご利益がないと言われている理由の1つは、フクロウのすぐそばには、変なものが待ち構えているから、とも言われます。

下の写真で、赤い矢印を付けた部分にある小さな彫刻です。



フクロウは左手で撫ぜながら願いごとをしないと、そばに潜んでいる小さなモンスターが願いごとを食べられてしまう、ということなのです。フクロウを右手で触るとモンスターの方を向いてしまいますが、左手をあげれば背を向けることになるので安全、というわけ。


悪さをする小さなモンスターは、サラマンダー? ドラゴン?

願いごとを食べてしまうと言われる彫刻をアップで入れます。



何に見えますか?

ドラゴン(dragon)だと言う地元の人たちもいますが、私はずっとサラマンドル(salamandre)と呼んでいます。想像上の動物だから、どちらでも良いので、とりあえず、ここではサラマンダーとしておきます。

サラマンダーだとしたら、気になることがあるのです。


◆ フランソワ1世のシンボルとなっているサラマンダーは逆を向いている

フランソワ1世のサラマンダーは、どちらを見ている?」で書いたように、火をつかさどるとされている伝説上の動物です。

フランソワ1世のシンボルとなっているサラマンダーは、これ。

Nutrisco et extinguo Salamandre de François I 


ディジョンのノートルダム教会の外壁に彫られているモンスターがサラマンダーだとしたら、フランソワ1世のシンボルのサラマンダーとは逆の方向を向いているのです。

紋章は言葉で全てを言い表せるように決まりがあるのですが、フランソワ1世の紋章にあるサラマンダーは「左を向いている」と表現されていました。紋章学では、盾を持った人から見た左右で表現する法則があるので逆になるわけです。

ディジョンのモンスターは紋章ではないのだから、これは左を向いていることになる?


右か左かを考えると、いつも頭が混乱してくる私...。

日本から来た友人を案内したとき、サラマンダーに願いごとを食べられないように気を付けてと言ったら、今まで私は気にしていなかったことを指摘されました。

「でも、サラマンダーは、そっぽを向いているよ」

確かに、その通りなのでした。サラマンダーだかドラゴンだかの体はフクロウの方を向いていますが、首をひねっていて、頭は全く逆の方を向いているのでした。

右手でフクロウを撫ぜると、サラマンダーと目が合ってしまうからダメだと聞いていたように思うのですが、そっぽを向いているのだから目が合うはずはない!

とすると、フクロウを撫ぜた後にサラマンダーの前を通りすぎると、その時に願い事を食べられてしまうというわけですね。後ろから狙われるというのは薄気味悪い...。

フランソワ1世のシンボルのサラマンダーと同じ方向を向かせておいたら、フクロウと、そこに立って願いごとをしている人を振り返っている姿なので自然なのですけど...。


ところで、ブルゴーニュ公国(843年 - 1477年)の都だったディジョンにノートルダム教会が建てられたのは13世紀前半。フクロウの彫刻がある部分は、ディジョンの裕福な商人だったシャンベラン家の礼拝室の外壁で、それは15世紀に作られたとみられています。

ディジョンのモンスターは、フランソワ1世(在位 1515年~47年)より前の時代なのでしょうから、どちらを向いているかは気にしないことにしました。


◆ 左右どちらの手でフクロウに触るかより、歩く方向がポイントでは?

フクロウに願いごとをするときは、左側の手をあげて、サラマンダーだかドラゴンだか分からない小さなモンスターには世を向けるのがポイントです。

願いごとをするときに左手を使うというのも縁起担ぎなのでしょうが、意地悪なモンスターのことを考えると、シュエット通りを歩く方向の方が大事に思えてきました。

教会の裏側からシュエット通りを進めば、モンスターの前を通り過ぎ、フクロウを左手で撫ぜながら願いごとをし、それから歩みを進めて教会の正面に出ることになります。モンスターはそっぽを向いているわけですから、フクロウに手をかけている人も見ていないわけです。



つまり、教会の入り口がある西側からシュエット通りを歩くのではなくて、地図に入れた赤い矢印の方向から歩く。


ストリートヴューで確認。教会の左手の路地を入ります。



彫刻がどのあたりにあるか分かっていないと見つけにくいですが、フクロウとサラマンダーがいる地点は、こちらです


観光ガイドブックなどでは、たいていはフクロウを左手で撫ぜなければいけないということだけを強調しています。地元の人たちでも、隅っこに小さな彫刻があることを知っているのは少数ではないかという気もします。

ディジョン市では、地面にはフクロウの絵を描いたプレートを埋め込んでいて、それをたどっていけば主な観光スポットを見て回れるようにしています。でも、ノートルダム教会とフクロウを見るコースでは、願い事をした後に小さなモンスターの前を通るという矢印の方向にしていたのに気が付きました。



ディジョン市のツーリストオフィスでは「ふうろうの観光コース(Parcours de la Chouette)」という小冊子を作っていますが、教会の正面からシュエット通りに回り込むコースにしていたはず。

日本語が入っている地図があったので(こちら)見てみましたが、ディジョン駅の方から歩き始めるように番号が振ってあって、ストリートビューに入れたように、ノートルダム教会の左手からシュエット通りに入るようにしていますね。




悪戯をする小さなモンスターの話しをディジョンっ子の友達に話したら、ドラゴンに決まっている、と言われました。

インターネットで情報を検索すると、ドラゴンと呼んでいる人よりも、サラマンダーと呼んでいる人の方が多かったのですけれど...。

サラマンダーが右を向いているか、左を向いているかを気にしていたのですが、新たな疑問が生まれてしまました。

同じく幻獣のドラゴンとは何か?

中世に描かれたドラゴンの画像を眺めて、ノートルダム教会に潜んでいる小さなモンスターはどちらなのかを考えてみたいと思います。


続き:
この小さなモンスターは、サラマンダー? ドラゴン?

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