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2017/05/21
フランスの地方都市で閉店している商店が軒を連ねている風景には慣れていたのですが、先日行ったディジョンにも同じ状態になっている商店街があったので驚きました。

ディジョンはブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏で最大の都市で、コート・ドール県に住む人たちの約半分がこの都市圏に住んでいます。つまり、ブルゴーニュでは最もにぎわっているはずの町なのに、あれほど賑わっていた通りに閉まった店がたくさん並んでいたのでした。しかも、ディジョンの中心地にある商店街といったら、ここは2番目くらいに代表的なところだったのに...。



この通りでは買い物しなくなってから何年もたっていたように思います。歩行者天国になったので、車で通り抜けることもなくなっていました。



日本には「シャッター通り」という言葉がありますが、フランスでは同じような言い方を聞かない気がします。シャッターは閉めないものかなと思って眺めてみると、あることはあるのでした。



でも、シャッターは下さないで閉店している方が多いかな... と、つまらないことを観察。



この通りで、何割くらいが閉店していたり、閉店セールをしているか知りたいとは思ったのですが、そこまでは計算してはみませんでした。

営業している店を見ると、昔とはかなり変わっているのに気がつきました。以前は洒落たものを売っている衣料品店などが多かった商店街だったのに、今では安物を扱ったりしていて、魅力がない店が目立つのです。不況からの生き残り作戦かな?...


いくらフランスの経済が滞っているといっても、こんな大きな町で商売ができなくなっているほどではないと思うので、フランスが深刻な不況だからというだけの理由ではないかもしれない。

ディジョンの町はずれに大きなショッピングセンターが出来たとき(1990年)、そこに入ったのは町の中心部にある商店でした。2カ所に店舗を構えるのは不経済なので、町中の方は徐々に閉店していったのかも知れません。

 

フランスでは夫婦共働きが普通で、日曜日は商店が営業しないので、買い物をするとなったら土曜日しかない。となると、何でもそろっていて広い駐車場があるショッピングセンターや巨大スーパーに行って買い物する方が便利なのです。


私がフランス語を勉強するためにたまたま選んだのがディジョンだったので、一番初めに住んだのはこの町でした。下宿先の家庭と親しくなったので、東京で就職してからも毎年遊びに通っていました。何年たっても何の変化のない美しい古都という感じで、町の目抜き通りにある一番美味しいケーキ屋さんが閉店して、マクドナルドになるらしい、なんていうのが大ニュースになっていた程度でした。

ところが、21世紀になってから、ディジョンの街並みはずいぶん変わりました。

歩行者天国が増え、道路や広場は美しく整備され、若者の姿も目立つようになって活気づいたのです。昔は、日が暮れると人影もまばらになり、商店が休みの日曜日にはゴーストタウンになるような記憶が残っているのですけれど。

歩行者天国が増えた見返りに、駐車場は激減したので、車で買い物に行くには非常に不便になりました。ディジョンの中心部で大きな朝市が開かれるので時々行くのですが、駐車スペースを見つけるまでに、いつも1時間くらい町の中をグルグル回っているように思います。


ディジョンの町が大きく姿を変えたのは、社会党の市長さんになってからでした。この日、その市長さんが歩いているのを見かけたので、観光客が街並みの写真を撮っているような顔をしてカメラに収めてしまいました。



ブルゴーニュ公国時代の宮殿の裏にある小さな公園。ここも見違えるほど美しく整備されたので、それをご視察なさっていたのかな?...

私はディジョンの町が美しくなったのは良いことだと思っているのですが、この市長さんがすることに反対意見を持っている人もかなりいると聞いています。

パリのような大都会に住むのでない限り、車がないと動きがとれないフランスなので、車立ち入り禁止にされた通りに面した商店などは客が減ったと文句をつけるだろうと思います。フランスで誰が極右政党に投票するかというと、1つのパターンは飲食店や商店を営んでいる人たちだと言えるのです。


この日、ブルゴーニュ最大都市でさえも閉まった店がたくさんあることが目についてしまったのは、こういう本が出ていると知ったからでした。

フランスの地方都市には
なぜシャッター通りがないのか:
交通・商業・都市政策を読み解く


ヴァンソン藤井由実 (著)

日本と同じくクルマ社会で、郊外には巨大なショッピングモールがあるのに、なぜフランスの地方都市の中心市街地は活気に溢れ、魅力的なのか。「駐車場と化した広場」から「歩いて楽しいまちなか」への変化の背景にある、歩行者優先の交通政策、中心市街地と郊外を共存させる商業政策、スプロールを防ぐ都市政策を読み解く。


読んだわけではないので何も言えません。フランスの地方都市が美しく整備されてきているのは確か。でも、シャッター通りは増え続けていると私は感じるのだけれど...。

著者によると、人口10万から80万を地方都市と呼んでいるのだそうです。ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏では、その定義に当てはまる都市はディジョン市(15万人)とブザンソン市(12万人)しかなく、県庁所在地レベルでも人口は5万人を超えません。

フランス全体でみると、パリとマルセイユを除いた40の大都市を対象としているということになります。そのくらい飛びぬけて大きな町々についてのことだったら、「シャッター通りはない」と言い切れるかもしれない...。

でも、パリのシャッター通りについて報告がありました。ルーブル博物館の横にあるアンティークモールは、2割位くらいしか店が開いていないらしい。博物館のように骨董品を眺められるのが好きで、何度も行ったことがあるところなので、あそこがそうなったのかと驚きます。やはり不況の影響かな...。


他にも、そう言えるかなと不思議に思った書籍のタイトルがあったので書きました:
フランス女性は誰でも美しい? 2017/05/30

ブログ内リンク:
★ 目次: ブルゴーニュの古都ディジョンの観光スポットや特産品など
★ シリーズ記事目次: フランスの市町村について 2008/11/19

外部リンク:
☆ AFP: 大都市びいきに怒る「忘れられた」地方部、仏大統領選
☆ 現代ビジネス: 極右マリーヌ・ルペンが握る「EU崩壊」の引き金
☆ 教えて!goo: 欧米の都市にシャッター通りはありますか?
☆ Wikipedia: フランスの都市の一覧


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コメント
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2017/05/27 | | -  [ 編集 ]
Re: はじめまして。
v-22 **さんへ

私には「空はなぜ青いの?」式の疑問が次々と浮かぶので書いているブログです。たまたまブログを開いた方々にはさぞかしご迷惑だろうな… とは思っているので、気に入ってくださったとのコメントはとても励みになります。

私と同じようにフランス語で苦労していらしゃる方があると知って嬉しくなったのでお返事を書こうとしたら、非公開コメントだった!...
2017/05/27 | URL | Otium  [ 編集 ]
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