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2017/07/06
6月の中旬に突然暑い日が来たら、虫たちが草むらで激しく鳴いているのが聞こえてきました。でも、虫が鳴いているなと思ったのは1日か2日で、また小鳥の鳴き声しか空に響かなくなっていました。

フランスにいて虫の音が気になるのは暑いときだけのような気がします。秋になっても虫が鳴いているのか観察してみたいと思いながら、毎年忘れてしまっています。

フランスの田舎で賑やかに聞こえてくるのは小鳥の鳴き声です。虫の声はそれにかき消されてしまっているのかも知れない。ともかく、鳥の方は色々な鳴き方をするので、こちらの方に興味を持ってしまうのは確か。


フランスで鳴き声が好かれる虫の代表は、コウロギ?

だいぶ前に見つけたサイトで、フランスで聞く小鳥の鳴き声の見分け方のレッスンをしているので、時々聞いているのですが、その中に虫の音のレッスンもありました。

やはり、虫の音はフランスでは夏の風物詩のようですね。レッスンは「夏の夜の雰囲気」と題しています。


Ambiance des soirs d’été : grillon d’Italie et grande sauterelle verte


ここでは、前半と後半い分けて、次の2つの虫の鳴き声を紹介していました。

Grillon d'Italie
イタリアコウロギ(?)
Oecanthus pellucens
Grande sauterelle verte
マンシュウヤブキリ
Tettigonia viridissima


これがよく知られている虫の音なのでしょうね。私も、フランスで聞く虫の音は、この2つが中心になって聞こえている気がします。品種は違うのでしょうが、コウロギとバッタ。

夜の9時頃から鳴きだすと説明しています。黄色い「イタリアのコウロギ」という虫の音が美しい。単調な鳴き声なので、寝付くのに効果的ですね。

「イタリアのコウロギ」という品種が実際に鳴いているのを撮影した動画がありました。


GRILLON d'Italie / Oecanthus pellucens / Chante la Nuit ! BRUITX


フランス語で「虫の音」というようなときには、「chant(歌)」という単語を使います。人間が歌うのもそれだし、小鳥の鳴き声も同じ。でも、昆虫は口で歌うわけではないので、歌と表現するのは適当でがないのでしょうね。


フランスには、美しく歌う虫が少ない

夏の夜の虫の鳴き声レッスンでもう1つ紹介されていた「緑色の大きなバッタ」という虫の方は、鳴き声が高音なので、聞き取れない人もいるそうです。


GRANDE Sauterelle Verte / Chant la Nuit ! BRUITX

言っては悪いけれど、つまらない鳴き声ですね...。

日本には特徴のある鳴き方をする昆虫がたくさんいますが、フランスにはそんなにいないと感じます。セミも南仏に行けばいますが、日本のように色々な鳴き方はしないで煩いだけ。

日本にいる虫の音には風情を感じますが、フランスでは雑音くらいにしか思わない人が多いのではないかという気がします。

コオロギが鳴いていると私に教えてくれるフランスの友人は、夏休みにバッタやコウロギを捕まえて籠に入れていたと話したので、子どもの頃のことを懐かしく思い出すから喜んでいるのではないかと思いました。


日本人が虫の声をめでるのは秋

俳句では、「虫」は秋の季語でしたよね?

フランス人が「虫が鳴いているよ♪」と言ってくるのは夏だと感じています。

日本には『虫のこえ』という童謡があったので聞いてみました。


10月虫のこえ(童謡・唱歌)

日本人が虫の音をめでるのは、やはり秋のようですね。この歌の中「秋の夜長を 鳴き通す」という歌詞が入っていました。

日本の夏は暑いので、秋になって虫の音が響いてくると、涼しさを感じて嬉しいのではないかな? フランスでは、夏が終わったら途端に寒くなるので、夏が終わってしまったのが寂しいし、虫の音に風情なんか感じていられないと思います。


虫の音を聞き分けられるのは、
  日本人とポリネシア人だけ、というのはオーバーでは?


むかし、イギリスで初めて野外コンサートに連れて行ってもらったときのことです。湖の畔に会場が出来ていて、庭でくつろぐときに使うような椅子を持ち込んでいる人たちもいてリラックスした雰囲気。

ところが、そのとき私は驚いたのでした。クラシック音楽なので音が非常に小さくなる時もありました。すると、私の耳には回りから聞こえてくる小鳥や虫の鳴き声しか聞こえてこない! みなさんは、そういう環境が全く気になっていらっしゃらない様子。

それで、なぜ私の耳には音楽より小鳥や虫の音が陣取ってしまうのか調べてみました。

日本人の演奏家だったか指揮者だったかが書いた文章があって、私が感じたことを裏書きしていました。ヨーロッパの人たちは野外コンサートを堪能できるのに、日本人はできない、と言っていたのです。

人間の脳は右脳と左脳とに分かれ、日本人は音楽や小鳥や虫の声を同じ側でキャッチしているので、全部混じってしまうのだ、ということでした。なるほどな、と納得。

この説明では、日本人は言語脳で日本語を感知しているけれど、外国語は音楽脳の方で処理している、というものでした。これも納得。日本語で何か考え事をしているとき、いきなりフランス人から話しかけられると、全く何を言われたのか分からないのです。「これからしゃべるよ」とか前置きをしてくれれば頭のスイッチを切り替えられるのに、いきなり言われたことを全く認識していないので、耳が悪いのじゃないかと思われてしまうのが悔しい!


再びインターネットで情報を調べてみたら、あの時に私が得たのは誤解していたのか、その後に新しい学説が出たのか、違うことが書いてありました。

西洋人は右脳(音楽脳)で虫の音を機械音や雑音を処理するが、日本人は虫の音は左脳(言語脳)で受けとめる、という説明でした。そうかな...。

さらに、日本人は虫の鳴き声を聞き分ける能力がある、という記述も目立ちました。何だか、ヨーロッパの人たちに「日本には四季があるのですよ」と自慢しているのと同じレベルではないかと思ってしまう...。


リムスキー=コルサコフが、熊蜂がブンブン飛んでいる音は聞かずに、飛び回っているのを見ただけで作曲したとは思えないのですけどね...。


ユジャ・ワン演奏による『熊蜂の飛行』


コウロギには、フランス人たちにも親しみがあるようです。シャンソンでもコウロギを扱ったものが幾つかありました。

マルセル・アモンの『コウロギのシャンソン』という曲では、コウロギを友達にして楽しくおしゃべりしている様子を歌っています。


Marcel Amont - La chanson du grillon

日本語訳の紹介がありました:
マルセル・アモン歌唱の「こおろぎ」の仏語 - よしだゆきおのシャンソン勉強会


ブログ内リンク:
日本の蝉(せみ)と、フランスの cigale の比較 2009/07/28
葡萄ジャムからワインを作るなどという醸造法があったの?! 2011/07/28
ちょっと怖いな... 最近の日本礼賛ブーム 2015/03/01

外部リンク:
日本人の音意識
なぜ日本人には虫の「声」が聞こえ、外国人には聞こえないのか?
秋の虫の声が心地いいのは日本人だけ?音と脳の働きについて
虫の鳴き声を「声」と認識する 日本人とポリネシア人だけだった
Insectes de France: Le chant des Orthoptères
☆ Chants d'oiseaux en Bourgogne: Insectes
Le grillon, son chant de cri-cri
虫の音って英語でなんて言うの?
虫のこえ(虫の声) 童謡・唱歌 歌詞と試聴



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