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2017/07/13
お天気が良い日が続くと、フランスのお年寄りは「支払いをすることになる」とよく言います。良いことがあれば、その後には悪いことが来る。このツケは払うことになる、という意味だろうと思う。

今年もそうかもしれない。6月後半に真夏のような暑い日が続いていたのですが、7月に入ってからは、晴天のときもある、という程度で、だいたいにおいて冷たい雨が降っていて、寒い!


雨に降られたヴィッド・グルニエ

夏になったら、ヴィッド・グルニエ(Vide grenier)があちこちで開かれます。物置として使っていることが多いのがグルニエ(屋根裏部屋)。それを空にする、というような意味で、住民の人たちがいらないものを売るというイベントです。

Carte postale ancienne (circa 1910) - Amiens, le Marché à Rèderies
Carte postale ancienne - Réderie à Amiens dans les années 1910

フランスで最も早く登場したヴィッド・グルニエは、北フランスのアミアンで1909年に開かれたものだと書いてありました。

私が田舎でよく開かれるようになったなと感じたのは、10年前くらい前のことでした。一時的な流行かと思ったのですが、相変わらず盛んにおこなわれています。これをやらない村は無いのではないかと思ってしまうほど。

行こうとよく誘われるのですが、私は余り好きではないのです。そもそも、売っているのはガラクタばかり。タダでくれると言われたって断りたくなるものに値段を付けているのですから、眺めていてもちっとも楽しくない。

おそらく、マンション住まいの人たちが多い大きな町だったら、家の中のガラクタを処分しようという気持ちが強いので、けっこう良いものも出ているのではないかとは思います。でも、田舎の場合、家は広いので、ちょっとしたものは処分する必要がないのですよね。ほんとうに、こんなものをよく売る、と言いたくなるものが陳列されています。たまには、掘り出し物を見つけている人たちもいますけれど。

ヴィッド・グルニエに行きたくないと断っているわけにもいかないので、出かけてみました。結局のところ、友人たちが出かけるのは、何か見つけたいというよりは、仲間と会っておしゃべりする機会になるかららしい。

人口は400人にも満たない村なのですが、毎年かなりたくさんの出展者があるヴィッド・グルニエなのです。

朝に天気が良かったので行く気になったわけなのですが、現地に到着したら、みるみるうちに天気が悪くなって、寒くなってきました。

村の中の道路を歩いて出展者が並べているものを見て回ってから、飲み物や軽食を出す場所に落ち着きました。雨が降って来そうなので、屋根がある部分のテーブルに陣取る。



シャンパンを飲みました。暑いときならシャンパンは嬉しいのですが、凍えそうなときに飲むのは嬉しくない...。

昼ご飯前にお酒を飲んでいると酔いが回ってしまうので、おつまみを調達することにしました。

夏に人の家に招待されるとバーベキューが多いので、バーベキューはもううんざり、という人がいました。それで、おつまみはフライドポテトをどっさり。

仲間は10人くらいいて、おしゃべりは尽きない。2時間以上シャンパンを飲んでいました。フランス人は割り勘にはしないので、男性たちが順番にボトルを買ってくる。結局、1人あたりボトル1本くらい飲んだのではないかな。

私はどんどん寒くなってきました。厚手のコットンでできた夏用のハーフコートを着て行ったのですが、真冬のコートにしておけばよかった。

寒い、寒いと言うので、友達が自分のウールのジャケットを脱いで貸してくれました。それを脱いだ彼女は半そでのTシャツ姿。それでは風邪をひいてしまうからと、私のコットンのコートを代わりに渡そうとしたのですが、酔っぱらっているから暑いのだ、と言うので、お言葉に甘えて着させていただきました。

さすがに、引き揚げるときには返しましたけれど、

駐車場に向かって歩き出したのですが、路上の会場は哀れ。雨に濡れてしまうので、ビニールシートをかぶせている。もう午後は中止でしょうね。




インゲン豆とチョリゾのバスク風煮込み

こういう友人たちとの外出のとき、気のきいたレストランがあれば皆で食事できて楽しいのですが、田舎にはそんなものはない。

それで、私にジャケットを貸してくれた友達があり合わせ料理を作るからということになって、お家にお邪魔しました。

前菜の後に食べるために作ってくれたのは、白インゲンとチョリゾーを使ったバスクの料理でした。写真は撮らなかったので、似た料理のレシピにリンクさせてもらいます。


Haricots blancs à la basque


辛い料理が私は苦手なのでたくさんは食べられなかったものの、かなり上手にできていました。この友達は、いつも味付けが上手だと思う。少し前には、やはり急に皆で食事をしようということになって、冷凍していた牛肉の挽肉でボロネーゼ・ソースのパスタを作ってくれたのですが、こんなに美味しいボロネーゼは食べたことがないと思ってしまいました。

この日は料理を準備しているときにキッチンを見たら、大きな豆の缶詰が2個あったので、なあんだ缶詰かと思ったのですが、その豆が柔らかくて美味しかった。

スペインで買えるインゲン豆の缶詰の中で、このメーカーのが最も美味しいのだとスペイン人から教えてもらったのだそう。ご主人の故郷がバスク地方なので、行くと買ってくるのだそう。

日本では何でも売っているので、探してみようかと思って、缶詰の写真を撮らせてもらうことにしました。もうキッチンの横にある納屋のゴミ箱に捨ててしまっていたのですが、拾い出してくれました。



JAEというメーカーで、サイトにある商品はこちらでした:
Alubia blanca pocha

Pochaと呼ぶ種類の白インゲン豆らしい。


クレマン・ド・ブルゴーニュ

イベント会場でシャンパンを飲んでいたので、食事のときもクレマン・ド・ブルゴーニュと呼ぶスパークリングワインにしました。

クレマンは、シャンパーニュ地方に繋がるブルゴーニュ北部でも作られていますが、私が好きなのは、マコネという白ワインが生産されるブルゴーニュ南部で作っているクレマン。南部では気候が温暖なためにブドウが完熟するせいか、酸っぱくなくて飲み心地が良いのです。

手間をかけて作る発泡酒なのに、クレマンはシャンパンのようなステータスはないので、シャンパンに比べるとかなり安く売られています。

でも、変なシャンパンよりクレマン・ド・ブルゴーニュの方が美味しかったりすることも多いのです。専門家の目隠しテストでも、シャンパンよりクレマンの方が高く評価されてしまうことは珍しくありません。

この日にイベント会場で飲んだシャンパンは質の良いものではなかったので、友達の家で飲んだクレマンの方が遥かに美味しいと思いました。少し前にマコネの地方に一緒に旅行したとき、お気に入りのワイン農家で仕入れたクレマンだったのでした。




ヴィット・グルニエの続き

イベント会場でシャンパンを飲み始めたのが午前11時頃。それから友人の家で飲み続けながら昼食をとったので、したたか飲んでしまった。

それで、少し酔っぱらっていた友達が、「タッパーウェア、いらない?」と聞いて、戸棚から出してきました。小さな容器2個が便利そうなので、それをもらおうとしたら、他のも全部持って行くようにと言う。

気がついたのですが、フランス人向けのタッパーはサイズが大きい! 日本で見かけるものの2倍や3倍の大きさがあるのではないかな。保存用のタッパーは、どれも40センチは長さがあります。

それを幾つも出してきました。「使わないから、あげる」と言う。なんでそんなに持っているのかと驚いたら、以前に伯母さんがタッパーの販売パーティーをしていて、その縁でたくさん買ってしまったのだそう。

それで、たくさんいただくことにしました。しばらく使っていなかったので埃だらけ。食器洗い機に入れれば洗えてしまうからと思ったのですが、容器は大きなものばかりなので、1回分では収まりきれなさそう。

傍で見ていたご主人が「恥ずかしい」を連発する。プレゼントするなら、ちゃんと洗ってからにしろよ、という訳。でも、洗ったのをもらったって、家に持ち帰ったらまた洗うから同じことだ、と私は言いました。

ヴィッド・グルニエでは何も買わなかった私ですが、車のトランクにはたくさん収穫物が入ってしまった。しかも、タダ♪ こういうのをガラクタ市で売っていて、1個500円とかだったら、買ってしまうのだけれど、そういう欲しくなるものというのは売っていないのですよ~。

フランスのタッパーのサイトに入っている商品カタログ


城の堀にいた白鳥一家

食事の後、近所を散歩しました。

村の中心にある城の堀に白鳥がいました。



母親と子どもたちが餌を探している様子。『みにくいアヒルの子』のお話しがありますが、白鳥が子どもの時には本当に灰色なんだと眺めました。



少し離れたところには、父親らしき大きな白鳥がいました。



雄と雌で、こんなに大きさが違うものかと驚きます。スマートフォンで写真を撮ったのでピンボケなのが残念。雄の白鳥は本当に見事な姿だったのです。

ヴィッド・グルニエで出会ったお爺さん。知り合いのブースの後ろにある椅子に座っていたのですが、こう言っていました。

「アルツハイマーなので、頭の訓練のために通りかかる人がハトかキジかを見分けているんだ」

何のことかと思ったら、カップルの女性の方が美しかったら鳩で、その逆だったら雉なのだそう。そんな冗談を言っているくらいだったら、頭はまだもうろくしていませんよ!

人間以外の動物は、たいてい雄の方が派手で、色も鮮やかなのですよね。キジの雄は派手なのは知っていますが、鳩は雌の方が美しかったでしたっけ?

調べてしまいました:
☆ 日本鳩対策センター: 鳩のオスとメスの見分け方

特にメスの方が美しいというわけではなくて、普通はオスの方が目立って美しいのに、鳩には余り差がない、ということのようでした。メスの方が美しいという鳥はいないのかな...。


老人ホーム

白鳥を見た後は、さらに歩いて、Kermesseをしている老人ホームまで行きました。ケルメスというのは学校などでよくやっている慈善バザーのこと。何か売って、その収益で何かしているのだろうと思います。

イベントをやっているなら村営の老人ホームを見学できるわけなので、行ってみたのでした。

田舎らしく広々とした敷地。平屋建ての家がつながっている、というスタイルでした。

ホールに入っていったら、椅子に座っていた年配のマダムが挨拶してきました。嬉しそうな顔で「お元気?」と言ってくるので、知っている人だったかな... と思いながら挨拶を返す。人と話したいから私に声をかけてきた様子なのでした。

少しおしゃべりしました。県庁所在地の大きな町に住んでいたのだそうで、ここに来たのは4年前。家族が住んでいる村だったから来たのかと思ったら、親戚は全部、彼女が住んでいた町にいるのだそう。としたら、100キロも離れた村の老人ホームに入ったのだろう?

ここに来る前にはどうしていたのかと聞くと、Chartreuseにいたとのこと。ブルゴーニュ公国時代の修道院なのですが、今では精神病院として使われているのです。「ああ、美しい所ですね」と言うと、やはり頷いている。でも、広い庭園を散歩したとき、緑が多いし、昔の見事な彫刻もあるし、私はこういうところで生活したいと思ってしまうほど環境が素晴らしいと思ったのでした。

17世紀後半の修道院は、こんな風でした。



後で友人に、マダムが精神を患っているようには見えなかったけれど、というと、うつ病のような病気でも入院するのだそう。

「田舎の方が住みやすいでしょう?」というとマダムは頷いていたので、まんざら不孝ではなさそうでした。でも、私たちに話しかけてきたということは、やはり寂しいのだろうな...。


もう夕方の5時を回っていたので、イベント会場は片づけ始めていました。飲み物や食べ物を出す場所にも、何も残っていない。来る途中で出会った人が、美味しいケーキを売っていると言って買ったものを見せてくれていたのですが、もう売り切れでした。

とはいえ、村に住む人が調理場の奥からシャンパンを探し出して出してくれました。私は寒いから飲みたくないと断ったので、ちょうど良かったみたい。半分くらいしかシャンパンが残っていないボトルだったのです。

ブログ内リンク:
最近のフランスはガラクタ市で村おこし? 2006/07/12
★ 目次: アンティーク、蚤の市などについて書いた記事
お城だけれど、普通の老人ホーム 2006/09/03

外部リンク:
☆ Wikipedia: Vide-greniers Garage sale
チョリソとインゲン豆の煮込み:スペイン料理簡単レシピ集


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