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2017/07/30
友達が娘さんの30歳のお祝いを7月にするということで、春先から誕生パーティに招待されていました。

出かける直前まで、何を着ていけば良いかで迷ってしまった。今にも雨が降り出しそうな空なので、夏服は避けて、日本の着物の生地が襟や袖口の裏側に少し使われている上下の合服にしました。プレゼントは日本から持ってきてストックしてある陶器にしたので、日本的にしてみたわけです。

8時間は続くであろうパーティーでは、真夏の暑さになるかも知れないし、もっと寒くなるかもしれない。それで、両方のケースを想定した着替えをバックに入れて、車のトランクに放り込んでおきました。

パーティ会場は、友人夫妻が老後に住むために10年余り前に買ったブルゴーニュ地方の農村にある家。17世紀に建てられた家なので趣はあるのですが、ほとんど廃墟だったのです。まず屋根を業者にふき替えさせてからは、ご主人が休みの度に通って修復していました。

1階の床に敷いてある大きな石を全部外して土台を平らにしたり、天井の梁を1本1本外して補強したり、と気が遠くなるような作業をしていました。

久しぶりに行ったのですが、家の内部は見違えるほど美しくなっていました。素人の日曜大工で、ここまで出来てしまうとは驚き...。

石造りの家と言っても、百年や2百年前の建物は味気なくて、この家のように400年くらいたっていると、家の石壁も厚くて美しいのでした。

とはいえ、ここは田舎の家によくあるだだっ広い部屋はない。雨が降り出した車の中で、どうするのか少し心配してしまいました。夏なので、ガーデンパーティを考えていたはずで、それならテーブルとイスを用意するだけで会場ができるので問題はないのですけれど。

ごく親しい人たちしか呼ばない感じだったのですが、それでも30人くらいは集まるはず。そんな数の席は出来ないのではないかな?...

到着してみると、玄関から入ってすぐのところにある一番大きな部屋に席が設けられていました。ロの字型にテーブルが整えられていました。

春には招待状を出したときには34人が参加すると返事していたのだけれど、当日には19人しか集まれなかったのだそう。雨が降りそうなので家の中にテーブルを設えたのですが、34人分の席をつくるのは難しかっただろうから、欠席者が出て助かった、と言っていました。


座席カードの工夫

フランスでは色々なパーティグッズを売っているせいもあって、彼らは会場づくりに励みます。私は何となく派手にするのは気恥ずかしくて、パーティをオーガナイズしても飾り物はしないで花を飾ったり、テーブルウエアに努力するだけなのですけれど。

今回のパーティの演出で面白いと思ったのは、誰がどこの席に座るかを示した飾りでした。

「皆さん、ご自分の席が見つかりましたか?」と主催者が言う。

2つ折りにした小さなカードが座席に置いてありましたが、名前なんか書いてない。

カードには漫画などのキャラクターらしき絵が張り付けてあって、この絵は自分のかな? と思ってカードを開くと、ファーストネームが書いてある、という趣向でした。

私はすぐに見つけることができました。中国人らしき女性の絵があったのです。フランス人以外は私だけなので、間違いないだろうとカードを開くと、私の名前が書いてありました。

自分たちで作ったのだとしたら、かなり手間がかかるはず。ひょっとしたら、色々な絵をセットにした座席カードが市販されているのだろうか?

でも、ざっと探したところ、見つかりませんでした:
marque placeを検索


30歳を迎えたのは、再婚カップルの子ども

30歳を迎えた娘さんは、仮にAさんとしておきます。

集まったのは、ほとんど全員が親戚の人たちのようでした。パーティーが始まる前に、代表の2人の女性がスピーチをしました。Aさんの叔母さんと従妹らしい。



左に立っているのは、彼女のお相手の男性。こういう席に背広にネクタイ姿というのは不自然。途中でネクタイを外すこともなかったのですから。

友達が説明するには、彼は大学で教鞭をとっていて、そういう人の中にはスーツ姿をトレードマークにしている先生がいるのだそう。他に洋服を持っていないのかな? などと話題にしてしまいました。

でも、愉快で楽しい男性。2人はお似合いのカップルに見えました。そう思うことがよくあるのですが、少したつと別れていたりすることがフランスでは頻繁におこるので、この先どうなるのかは全く想像できない。

ところでAさんは、母親の方と血がつながっています。でも、再婚相手の男性は、この女性を正式な娘として認知しているのだそう。子どもを持つことが夢だったらしい旦那さんの方には、前の結婚で子どもが生まれなかったので、彼女は一人っ子。

可愛がられてスクスク育ったという感じの女性でした。背丈まで伸び伸びしていて、1メートル80くらいありそうに見えました。

30歳って、こんなに若さが弾けそうな年齢だったっけ? 本当に愛らしい女性でした。

実子として認知したという話しをした人が、「養子というのは、子どもを選べるからね」と言っていたのですが、それは、そうだ。こんな気立ても良くて、愛らしい女性だったら、子どもにしたくなりますよ。自分の子どもだったら、出来が悪くても切り離せないわけですから!


パリの人たちが多かったから?

パーティー会場になった部屋の窓辺には、こんなものが置かれていました。



シュークリームを積み重ねたようなピエスモンテは、よくフランスではお祝いのデザートに使います。この日のは非常に美味しかったので、どこのケーキ屋さんで作らせたのかと近所に住む人たちは聞いていました。私も知っている店でした。菓子パンが美味しいので、その町を朝に通りかかると買っていた店。

果物の串刺しを見て、これはデザートなのかと思ったのですが、前菜として出てきました。たぶんガーデンパーティにする計画だったので、立食の食前酒タイムに良いと思って考えたのではないかな。

それの後に出たのは、サーモンのおつまみ。「サーモンは生ですから嫌な人は取らないでください」と言って配っていたのですが、スプーンに乗ってしまうほどの小さな皿。わざわざ食べるかどうか聞かなくても良かったのに。食べたくなかったら、隣の人に回して喜ばれるくらいの量でしたから。

その後は、野菜系の料理が3種類だったかな。この日の私は胃の調子が悪かったので丁度良かった。フランス人の食事にしてはやたらに野菜が主になっているな、と思ったのですが、集まった人の中にベジタリアンが2人いました。

ふと気がつく。ロの字型のテーブル配置なので全員の顔が見えてのですが、みんなスマートなのでした。フランス的に普通に太っている人は、19人の中に3人しかいない!

その3人は地元ブルゴーニュの人たちで、後の人たちはパリ首都圏から来ていたのでした。やはり、パリと田舎だとずいぶん違うのだな...。

飲み物はふんだんでした。差し入れがあったシャンパンやワインのマグノムボトルがいっぱい。でも、面白かったのは、主催者のご主人が白ワインを飲むと頭痛が出てしまうというせいなのでしょうが、白ワインはいっさいなし!


たくさんのプレゼント

こういう場では、集まった人が持ってきたプレゼントをどこかに積んでおいて、デザートを食べ終わったあたりでプレゼントのご披露になります。

2つも3つもプレゼントを出した人たちもいたので、集まったのは19人とはいえ、かなりの量でした。かなり豪華なプレゼント。ブランドもののハンドバックとお財布のセットなどは、とても使いやすそうなので私も欲しいと思ってしまった。

画家の人が持って来た大きな絵も、良かったな...。

プレゼントのご披露にはかなり時間がかかって、ようやく終わったと思ったら、Aさんの母親が大きな箱を持ってきました。金色の箱を開けると、アルバムが入っている。



子どもの頃からの写真をアルバムに仕上げたものでした。折り畳み式のカードなども張ってあって、かなり時間をかけて製作したと思えるアルバム。



母親の愛情いっぱいで育ったのでしょうね。だから、あんなに気立てが良い女の子に成長したのだろうと思う。

大学時代、フランス文学の先生が言っていたことを思い出しました。
「僕はシンデレラの話しが嫌いです」

あんな風に虐待されて育ったら、美しく育つはずはないし、性格はひねくれる。「物語の主人公になれるような美女は、やはり良家の子女ですよ」なんて言っていた!


親をどう呼ぶか?

Aさんは、母親の再婚相手が正式な父親になっていたわけです。彼女の本当の父親は、亡くなったのか、父権を放棄したのかは知りません。

この日、食事会が終わった夕方に、外に出てペタンクをしたのですが、そのとき、ふと気がついたことがありました。

Aさんは、実子として認めた父親のことをファーストネームで呼んでいたのです。

後で友人に聞いてみたら、フランスには血の繋がった実の親のこともファーストネームで呼ぶ人たちがいて、それは全く不自然ではない。最近は、むしろMaman、Papaと呼ぶより、親をファーストネームで呼ぶのが奨励されてもいる、とも言っていました。

インターネットで調べてみたら、やはり抵抗を感じる人もいるようでしたけど...。

法的な結婚をしていたにしても、そうでないにしても、カップルの関係が解消するケースが多いフランス。両親が別れた後にも、子どもの権利を守るために両方の親と付き合い続けるし、親の再婚相手が入れば、そちらとも付き合う。それで、famille recomposée(再構成家族)の関係では、とてつもなく人数が多い家族も出来てしまう。

この単語はフランス語で登場したときに覚えたのですが、日本ではステップファミリーと呼ぶのですね。日本では離婚には暗いイメージもあるように感じますが、フランスではごく普通。18歳未満の子どものうち、150万人がステップファミリーで暮らしているという統計がありました(2011年)。

パパもママが複数いたりすると、ややっこしい。ファーストネームで呼んだ方がはっきりしていて良いとも思う。それに、親の勝手で押し付けられた人をパパとかママとか呼ばせられることに抵抗を感じる子だっているはずだし。

Aさんが父親をファーストネームで呼んでいたのは、ごく自然に感じました。かえって2人の仲が良いという印象も受けました。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランス人の古民家を修復する情熱、建築技術
★ 目次: フランスに結婚に関する風習、夫婦・家族関係、生き方
★ 目次: プレゼントや土産物に関して書いた記事

外部リンク:
☆ Insee: Un enfant sur dix vit dans une famille recomposée
Pourquoi certaines personnes appellent leurs parents par leur prénom
Appeler ses parents par leur prénom
Mon enfant m’appelle par mon prénom. Que faire ?
☆ 生きたフランス語見聞録: 家族関係の単語


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コメント
この記事へのコメント
アットホームな、パーティーでしたね!
シューのピエスモンテは、クロカンブッシュかな。

Aさん、おっとりした感じのとても綺麗なお嬢さんですね。お母さんもですが、お義父さんも、とても立派な方ですね!  

それにしても、外国の方は日曜大工がお得意の方が多いようで羨ましい。そういえは、県職員だった伯父も(母の兄)、祖母の部屋を増築したりしていました。休みといえば日曜日で、土曜日は半ドンでしたのにね。

シンデレラ・・、そうですね。良家の家庭事情にもよるでしょうけれどね。(笑)
玉の輿ということだけでいえば、生まれ持った運??でしょうか。こればかりは、良家でもどうしようもない。(笑)

義理といえば、一人暮らしの叔父(母の弟・少し認知気味に)が、昔別れた娘に少しまとまったお金をあげたいというので、役所で戸籍の附票をとりました。血の繋がりがあると、現住所を教えて貰えます。
しかしながら、どうなんでしょうね。会いたがらないかもしれないし・・。

叔父の娘は、昨年結婚し、高齢出産したばかりだったので(戸籍で判明)、今は連絡をとってないんですけれどね。新しいお父さんがいるとの噂ですし、親が思うほど、子供はね・・?? 叔父の認知が進まないうちに、なんとかしないと(大学病院で検査の予定)、どうなりますやら・・。
2017/07/31 | URL | フォルナリーナ  [ 編集 ]
Re:
v-21 フォルナリーナさんへ

>アットホームな、パーティーでしたね!

フランス人がパーティーをすると、100人くらい集めてしまうのですが、私としてはこのくらいの人数が好きです。ただたくさん食べさせようというのでもないし、みんなとのおしゃべりも楽しめるので。

>シューのピエスモンテは、クロカンブッシュかな。

よく出て来るこれには名前があるはずだと思って、調べようかと思いながら横着をしてしまいました。「これって、何と呼ぶのでしたっけ?」と書こうかと思ったのですが、厚かましので遠慮。でも、フォルナリーナに、またまた教えていただきました♪

フランス語の表記では、croquembouche、croque-en-boucheなどとなるそうですが、口の中でcroque、つまりカリッとしているのが特徴なんですね。この日のは、そのカリカリ感が素晴らしかったのです。

>外国の方は日曜大工がお得意の方が多いようで羨ましい。

得意な人は多いフランスでも、そうでもない男性もいる。得意な人が旦那様の家は羨ましい。でも、そういう家で昨日食事したら、奥さんが愚痴っていました。丁寧に階段を掃除して満足していたら、ご主人が後からやって来て、階段のペンキを塗りなおしたので、せっかくの掃除が台無しになってしまったのだそう!

>玉の輿ということだけでいえば、生まれ持った運??でしょうか。こればかりは、良家でもどうしようもない。(笑)

そうですね...。日本の友人の中には、羨ましいほど豊かな家庭で育って、蝶よ花よと育てられたのだろうと思う女性がいますが、かえって出来過ぎていると不孝な人生になる、と感じたことがありました。

>一人暮らしの叔父(母の弟・少し認知気味に)が、昔別れた娘に少しまとまったお金をあげたいというので、

家族の問題。難しいですよね...。
2017/07/31 | URL | Otium  [ 編集 ]
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