| Login |
2009/09/17
むかし、フランスに慣れていなかった頃のこと。何を見ても、フランスってこういう国なんだ… とか、フランス人ってこういう人たちなんだ… とか感心していた時代のことです。

ドルメンがある森に連れていってもたったとき、フランス映画の1シーンのようなものが繰り広げられたので、へえ、フランス人男性って… と思ったことがありました。


ドルメンを見に行く

先日、その森の近くを通ったのでドルメンが見たくなりました。あの忘れられないシーンに使われた舞台装置をまた見たくなったかったから。

車を運転していた友達が、「ここら辺だったと思う」と言ってから、しばらくたつのに、ない。ドルメンのような巨石がどこかに運ばれたということはないはずなのですが!

でも、雨が降り出しそうだし、ドルメン探しに時間を費やすわけにいかないし…。
「探さなくても良いのだけど」と言ったとたん、ドルメンがあることを示す表示が見えました。

道端に出ていた表示

へえ、紀元前2000年ですか。
右と左にあるらしいのですが、走行していた方向に沿って左に向かうと、森の木立の中にドルメンが見えました。

ここ、ここ!
あのシーンは、ここで展開されたのでした。

見たかったドルメンはこれ!

道路から数歩入っただけなのですが、深い森林の雰囲気があるところにドルメンがありました。大昔には墓だったと考えなくても、なんだか不気味な気配が漂っています。

☆ Wikipedia: 支石墓(ドルメン)


フランス人男性って、お口がお上手!

このドルメンを舞台にして繰り広げられた劇(大げさすぎる表現!)の登場人物は二人でした。

登場人物 1: 50代の男。うだつがあがらない課長タイプ。ハンサムではないが、彼は自分が女性にもてると自負している。

登場人物 2: 40代後半の女。地味なセクレタリーという風貌。何らかの理由によって、彼女はアバンチュールを求めていた。


友人とドルメンを見物していたら、登場人物となる男女が現れました。私たちには全く目もくれず、二人はすぐに劇を演じ始めました。

男性は、女性にドルメンに登るようにうながします。

この岩の上に立った二人。
男性が言います。
「手をつないで、目をつぶろう。そうすると、原始の力がボクたちの体に入ってくるんだよ」

…という意味のことをおっしゃっていたのですが、セリフはもっと葉が浮くようなものでした。ドルメンが放つという原始の力についても、色々と説明がありました。

両手をつないで、引っ張り合うようにして立ち、神妙な顔で空を仰いで沈黙していたお二人。
原始の力を得ることができるのでしょうかね?…

そのうち、女性がヨロヨロとしたらしい。
目をつぶって岩の上に立っているのですから、不安定になっても当然です!
あるいは、こういう場合はフラっとするべきだ、と女性は気がついたのかも知れない。

女性がよろめけば男性につかまる。そうなると、男性の胸に抱きしめられる。

男性は、原始の力が彼らに移った♪、と言いました。


シーンはここまで!

私たちはドルメンを観察するのをやめて、立ち去りました。だって、噛み殺していた笑いを発散できる場所まで移動しなければならないですから!

何人の女性にこの手を使ったのかな?… だって、セリフが良くできすぎていました。それに、ここは深い森林なのですけれど、場所さえ知っていれば町から車で簡単に来れる場所にあります。道路からもすぐなので、ハイヒールでも困らない。


久しぶりに行ったドルメン。もう一つの方もすぐ近くにあったので見学しました。

壊れていたドルメン

こちらは岩が割れてしまっています。舞台には使えないですね…。


日本の男性は…

ドルメンを見たあと、思い出しました。お友達と呼ぶにはお偉すぎる方が、終戦後間もないころにフランス留学をなさったときの思い出話しです。

当時のパリは今のようには殺伐とはしていたかったはずなので、フランスの良さだけを吸収されたのだろうと思います。ユーモアがあって、フランス人と話しているようにおしゃべりが楽しい日本の男性です。

フランス政府給費留学生としてパリ留学が決まったとき、準備金が出たそうです。それをフランス語会話を習うのに使うか、社交ダンスを習うのに使うか、さんざん悩んだとのこと。

後者を選んだのだけれど、結局、留学中にダンスパーティーの機会には1度も恵まれなかったとはお気の毒!

パリ留学の目的の一つには、パリジェンヌのガールフレンドを持つことがあったそうです。これも機会が到来しない。でも、1年の留学が終わろうとしたころ、ようやくセーヌ河の畔でのデートに漕ぎつけました。

夕闇が迫ったセーヌの散歩道。ロマンチック♪

ここぞとばかりにキスをしようとしたら、女性は「イヤリングが落ちた」と騒ぐ。それで二人は薄暗りの中、イヤリング探しに没頭することになってしまったそうです。

散々探したのに、ついにイヤリングは見つからなかった。

「せんせ~、イヤリングはその人が自分ではずして、ポケットに入れていたと思いますよ~」
「そうかな...。そんなことはなかったと思うけど...」
今でも機会を逃したことが残念そうな先生でした。

ああ、日本男児は純情! ドルメンの上に乗せてくどこうなんて、思いもつかないでしょうね。


ブドウ畑の向こうに虹がでる

他には誰もいなかったのでドルメン観察はじっくりできたはずなのですが、ちらりと見ただけで車に乗りました。雨が降りだしそうな気配になったからです。

この日は、大雨になったり、雲一つない晴天になったりと、目まぐるしく天気が変わりました。

ドルメンを立ち去ってから少し行ったところで、みごとな虹が見えました。

虹

森の向こうの虹は二重にかかっています。手前はブドウ畑。

なぜかフランスでは虹をよく見ます。ドライブしているとき雨があがったらキョロキョロしていると、たいてい虹が見える、と言えるほど。障害物がないので、地平線のかなたまで見えるのが原因かも知れません。

ブログ内リンク:
★ 目次: フランス式挨拶、親しさの表現
★ 目次: 空や天気に関する記事(虹、太陽、月、空、雪など)


にほんブログ村 海外生活ブログ フランス情報へ
にほんブログ村


カテゴリー: フランス人 | Comment (4) | Top
この記事のURL | Rédiger
コメント
この記事へのコメント
始めまして
農村民泊「舟板 昔ばなしの家」のあたりをウロウロしていましたら、こちらにたどり着きました。もう10年以上前ですがディジョンに半年ほど住んでいました。休日はヒッチハイクでよくブドウ畑を回りました。懐かしいです。これからもブログ拝見させていただきます。がんばって下さい。
2009/09/22 | URL | 北キツネ  [ 編集 ]
うーむ
ドルメンの男性に感心するのは、演出のテクニックよりも、声が届くほど近くに人が何人もいながら白々しい芝居?をしたこと…ですね~。

その点、日本人だとそこまで傍若無人になれないだろうなあ。

イヤリングはポケットの中、の解釈に私も賛成します~。
2009/09/24 | URL | すぎちゃん  [ 編集 ]
Re: 始めまして
v-22北キツネさんへ

はじめまして。不思議なご縁ですね。

>10年以上前ですがディジョンに半年ほど住んでいました。

⇒ 私とブルゴーニュの出会いもディジョンでした。ずっと何も変わらない町で、目抜き通りの一番おいしいというケーキ屋さんの建物がマクドナルドになったのを大騒ぎする程度だったのですが、数年前に社会党の市長さんになってからは、旧市街は見違えるほど美しくなってきていますよ。Place de la République は駐車場ではなくなって、石畳が敷かれて噴水のある広場になったし、その周辺には石畳が敷かれて歩行者天国が増えました。近いうちに、路面電車もできるそうです。

>休日はヒッチハイクでよくブドウ畑を回りました。懐かしいです。

⇒ わあ、勇気があるのですね~! それに、ヒッチハイクが成功できるタイプの方なのだろう、と想像しました。フランスで作られた仏語会話テキストに、ヒッチハイクで拾ってもらえるタイプのランク付けがあったのを思い出します。
2009/09/26 | URL | Otium  [ 編集 ]
Re: うーむ
v-22すぎちゃんへ

>ドルメンの男性に感心するのは、演出のテクニックよりも、声が届くほど近くに人が何人もいながら白々しい芝居?をしたこと…ですね~。

⇒ 私は単純に、時間がなかったのだろうな、と思ってしまいました。写真を撮るとき、通行人や観光客が立ち去るまで待って画面を決めたいけど、いついなくなってくれるか分からないのでシャッターを押してしまう、という図式。でも、観客がいる場で演じるのが効果がある、という見かたもできますね...。

>イヤリングはポケットの中、の解釈に私も賛成します~。

⇒ そうですよね~。女性から見ると、背景が見えてしまう!
2009/09/26 | URL | Otium  [ 編集 ]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する