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2009/10/25

シリーズ記事 【プロヴァンス旅行 2009年秋】 目次へ
その4


旅行の途中でこのあたりで1泊しなければという理由だけで、サン・レミー・ド・プロヴァンス(Saint Rémy de Provence)で見つけたホテルに泊まりました。暗がりの中で偶然行きあたったにしては魅力的なホテル。ミシュランのガイドブックにも入っていたのでした。

その翌朝、せっかくなので町を観光。


サン・レミーに残る古代ローマ時代の遺跡

以前にも何回か行ったことがあるサン・レミーなのですが、記憶に残っていたのは、この遺跡だけでした。

les antiques

Les antiquesと呼ばれる、古代ローマ支配の時代の遺跡です。町外れにあるのですが、これほど見事なものが忽然と立っているのが異様に感じるので印象に残るのです。

右手に見える死者記念塔(Mausolée: モゾレ)の方は、全高18メートルの塔で、古代ローマ時代の遺物の中では最もよく保存されているもののひとつだそうです。

すぐ近くにある古代ローマ時代の都市(Ville antique de Glanum)も見学しようと思ったのですが、朝が早すぎる。この入場料もとられないで見れる2つの遺跡をあらゆる角度から眺めながら、古代都市スペースが開館しそうな時間を待ちました。

*Glanum(グラヌムとは、南フランス・プロヴァンス地方にあった古代ローマ時代の都市。

まだオープンしてはいないはずなのに歩いていくカップルがあったので、都市の遺跡の入り口の方に向かいました。その人たちが戻って来るのとすれ違うことになり、休みの日だと告げられました。

フランスの博物館はたいてい火曜日が休みなのですが、ここのように月曜日が休みというのもあるのですよね。ヴェルサイユ宮殿も月曜日が休みだった...。

そもそも、休館日だというのは明確にはされていませんでした。その中にあるローマ時代の料理を食べさせるレストランは月曜日が休みだというのは大きくでていて、そこでがっかりはしたのですが、遺跡にまで入れないとは分かりませんでした。

「今日は入れない」と教えてくれたカップルと、休館日がはっきり掲示されていないことへの憤慨、せっかく来たのに...というガッカリ感を分かち合いました。


古代遺跡は、ゴッホには何のインスピレーションも与えなかったの?

旅先で、思い通りにいかなかったことを嘆いても仕方ない。近くにゴッホが入院していた精神病院があるという標識があったので、そちらを見学することにしました。

こちらもオープンまで少し時間があったのですが、前回の日記に書いたように「ゴッホの世界散策道」というのがあったので、そのコースを少し歩いてみました。

ふと、不思議に思ったことがあります。

ゴッホはサン・レミーの精神病院にいたときにたくさんの絵を描いていながら、すぐ近くにあるLes antiquesの絵は描かなかったらしい。

これだけ立派な遺跡なのに...。でも、ゴッホはこういう建造物からは全くインスピレーションを得なかったのでしょうね…。

考えてみると、上に写真を入れたような建築物がゴッホの絵になっていたら違和感があるかも知れない...。

☆ ゴッホの世界周遊コースのスポットの紹介サイト: Parcours Van Gogh à Saint-Rémy
☆ サン・レミーでゴッホ画描いた142枚の絵画を紹介したサイト: The Vincent van Gogh Gallery - The Saint-Rémy Period


ゴッホが入院していたサン・レミーの病院

オープンの時間になったので、耳を切り取った事件をおこしたゴッホが入った精神科病院がある修道院に行きました。

入り口を入って目に飛び込んでいたのは、
このゴッホの銅像 ↓
ゴッホの銅像

ヒマワリの花を数本を持って、茫然と立っているゴッホ。茫然と書いてしまいましたが、俺の信念はまげないぞ!、という毅然さも伝わってきます。

でも、普通にヒマワリの花束を持ったら、全部一緒に束ねて持つものなのに、右手に1本だけ持っていて、それが下に向いている...。

どなたの作品か知りませんが、強いインパクトを与える彫刻でした。


さて、内部に入って見学したゴッホの寝室は、「こんな感じ」と再現されただけのもののようです ↓

ゴッホの寝室

置いてあったイスに絵の具が少しついていたので、ルノワールのアトリエを訪問したときのことを思い出しました。でも、雰囲気を出すためにしただけなのだろうなと思って、「本物ですか?」と受付けの人に聞いてみることをしませんでした。

★ルノワールのアトリエを見学した時の日記: 画家ルノワールの墓地で盗難があった! 2006/08/18

後世にには多くの人から愛されたゴッホが、こんなに小さな部屋に住んでいたのだ... と心が締め付けられる思いを抱かせるという点では、オーヴェル・シュール・オワーズの方がずっと勝っていました。

ここでは、ゴッホの作品(複製)を飾っているのが気に入らなかったのです。自分の作品を、こんな風に壁に掲げているはずはないではないですか?...

ゴッホが入った精神病院は、11~13世紀に建てられた修道院の中にあります。 


Monastère St Paul de Mausole


ここでゴッホも過ごしたのだ... と、しんみりさせられたのは、見事に保存されていた回廊でした。

修道院の回廊: Cloître Saint-Paul de Mausole


修道院の回廊が好き

四角い庭を囲む修道院の回廊というのが、私はとても好きなのです。こういうところを歩いて瞑想にふけることができるなんて、なんと幸せな生活…。

フランスでは、修道僧にならなくても、こういう回廊があるお家(つまり昔は修道院だったのを家にしている)というケースがあるのです。

修道院をお家にしている農家を見学したときには、このゴッホの修道院と同じくらいに見事な回廊があって(記憶ではもっと美しかった)、鶏が回廊をチョロチョロ歩いていたのでありました!

ゴッホが入ったのは修道院で、質素な病室しかなかったとしても、こういう回廊を歩ける環境というのは悪くありません。現在のコンクリート造りの病院なんて、味気ないにもほどがありますから!

このゴッホが入院していた精神病院は、修道院(Monastère Saint-Paul-de-Mausole)を保存しながら、現在でも精神病院として使用されています。

フランスの精神病院というのは、恵まれた環境にあるものが多いのですよね。修道院とか、お城とかの歴史的建造物。

建物の見学に行って、私もこういうところで暮らしたいと思ってしまうことがあります!

重要文化財の修道院が刑務所になっているなどというのもありますが(思い浮かぶのはAbbaye de Clairvaux)、そういうところは敷地内に修道院があるというだけで、勝手に回廊で歩くなどということはさせてはくれないでしょうから候補から外します!

ブログ内リンク:
★ 目次: 画家、彫刻家、建築家の足跡を追って  » ゴッホ(Vincent van Gogh)
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コメント
この記事へのコメント
前回の日記のトロー、私は知らず、プロバンスの有名食材なんですね。いつか行く機会があれば試して見ます。
(ネコちゃんも牛肉食べるんですね!)

ゴッホの精神病院は行きました。修道院の回廊も含めいいところですよね。今も患者がいる建物を少し離れて見ましたが、陽のあたる窓で、ここでなら症状も緩和されるのではと思いました。
ゴッホもずっとここにいたら、早くに命を絶たなかったかもしれないと。

ゴッホの部屋は再現でしたか…。写真をとったときに怪しい影が写ったので、これはもしや…と大騒ぎしたのですが、勘違いだったかも^^;
2009/11/03 | URL | chiaki@静岡  [ 編集 ]
v-22chiaki@静岡

>ネコちゃんも牛肉食べるんですね!

⇒ ネコも人間の食べ物に左右されるらしいです。イタリアを旅行していたときには、スパゲッティの残りをもらった野良猫たちがムシャムシャ食べていたので面白かったです。ブルーニュの猫たちは、むしろ魚の食べ方を知らないのではないかと思っています。少なくとも、肉より魚の方が好きという猫は例外的に見えます。

>陽のあたる窓で、ここでなら症状も緩和されるのではと思いました。

⇒ 私もあの窓がいいな、と思いました。

>写真をとったときに怪しい影が写ったので、これはもしや…と大騒ぎしたのですが、

⇒ シルエットができたのかしら? 私もそういう写真をたまに撮ったときには、なにか意味があるように思えてしまいます。
2009/11/06 | URL | Otium  [ 編集 ]
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