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2008/05/26

シリーズ記事 【寝袋を持って泊まりに行く(目次
その3


お城の見学サークル主催の旅行。寝袋と食べ物持参が条件でお城に泊めていただいたときの話しの続きです。

始まりはこちら: 寝袋を持って城に泊まりに行く (1)



庭でピクニックの食事を楽しむ

食器くらいは貸していただけるのだろうとは思ったものの、念のためにキャンプ用の食器を持って行って正解でした。みんなも、ちゃんと持参していました。

庭でのピクニック
滞在中の4回の食事のうち、3回はお城の庭でピクニックとなりました。

一足先にお城に泊まっていたカップルがいて、その人たちが庭にテーブルをしつらえてくれていたようです。

「食べ物を持ってくるように」とは言われたものの、何回食べるのか分からなかったので適当な量を持って行きました。みんなもたくさん持ってきていたので、最後の日にパンを補給しただけで間に合ってしまいました。

こういう食事会のオーガナイズって、フランス人は得意。手際よくサラダのドレッシングを作ってくれる人もいたし、食器洗いも仲良くやって、楽しいキャンプ生活になりました!


無理をしないで迎えてくれるのが嬉しい

お城のオーナーは、私たちを気持よく迎えてくれました。旅行の参加者は二十数人。3分1くらいはお城のオーナーと初対面の人たちでした。

無理をしないから気楽に大勢を泊められるのでしょうね。大掃除をした様子もない。到着したときに飲み物を出すという気遣いもない。結局のところ、彼女の台所で朝にコーヒーを入れてくれたくらいの手間しかかけていないのでした。

離れの方は炊事場もあるので、気楽に人を泊めることが多いようでした。離れの建物には冷蔵庫があったのですが、長逗留した人たちがお礼として置いていったものだということ。

こういう自然体に迎えてくれるのって、私は好きです。お客さんにご馳走をふるまって歓待する人もあれば、何もしない人もある。それぞれなのです。


家に招待する習慣がない日本

フランス人は気楽に人を家に入れます。仕事の関係者の住む土地に行ったとき、レストランで食事をすることにしていても、食前酒は家で、ということも多いです。

思い出したのは、日本に度々講演に行くフランス人学者の奥さんの言葉。

イベントを企画する新聞社の人ととても親しくなったのに、日本に行ったときにはレストランに招待するだけで、一度も家で食事をご馳走になったことがないのが不思議がっていたのです。

パリにその日本人夫妻が来たときには必ず家に招待するのに、日本では家に招待されたことがない。「なぜだろう?」と私に聞くのです。

フランス人からすれば不思議でしょうね。親しい友達関係になっても家に招待されないというのは、たぶんフランスでは少し異常なことになるのだと思いました。


外国人が喜ぶであろう日本の家

むかし日本でフランス語を勉強していたころ、日本人って人を家に簡単には呼ばないのだと思ったことがありました。

フランス語と日本語の交換授業をして親しくなったフランス人女性が、日本の伝統的な家に泊まってみたい、と私に言ったことがありました。

私のアパートには招待したことはあったのですが、東京のアパートというのは面白みがありません。それで、田舎の古い家に住んでいる親戚の人に彼女と私を泊めてもらえないかと頼んでみました。

「考えてみる」、との返事。

それから、しばらくして、断られました。「孫に赤ちゃんができて、家の中がちらかっているから」というのが理由。

私の友だちは気取らない人で、縁側に布団を敷いてくれただけでも大喜びするような人だったのですが、嫌と言われたからには仕方ありません・・・。

ヨーロッパにはB&B民宿というのがあるのですが、当時の日本にはありませんでした。今は農家民宿というのが日本にもできて、ホームステイするように農家に泊まることができます(体験民宿とグリーン・ツーリズムへようこそ)。


日本には縁側があるのだけれど・・・

その後、消息を絶ってしまったので、彼女が日本の本当の家に泊まる機会を持てたのかどうかは分かりません・・・。

以前に書いた日記、「日本滞在記<6>: みかん狩り」に入れた写真の農家に泊めていただいたとき、こういう所に彼女を泊めてあげたかったな、と思いました。



広い土間があって、広い畳の部屋があって、東京の家しか見たことがない外国人には想像もつかない日本の民家の空間です!

でも、この農家でも、「へえ~!」と思うことを聞きました。

「日本の昔の家って良いですね。縁側があって、近所の人がふらっと立ち寄れるようになっているから」、と私は言ったのです。

フランスは土足で家に入るせいか、敷居が高くないのです。それに、部屋が広いせいか、余分な物がないせいか、家の中が片付いています。前ぶれもなく立ち寄ったときにも、家の中が散らかっていることがないので、初めのころはどうなっているのかと驚きました。

日本の場合は、縁側がお付き合いの場だと私は思っていたのでした。

ところが農家の方がおっしゃったのです。

「最近は、いきなり近所の家に行くといって、縁側でおしゃべりするという習慣はなくなりました。前もって声をかけてから行きます」

田舎でもそうなのかと、驚きました・・・。

フランスの田舎でも、昔のような密接な近所づきあいはなくなったのだそうです。ご近所が農作業を助けあったり、よその家のお風呂をかりたりしたのが、最近はなくなりました。

でも、ふらりと近所の家に行くのは、未だに続いています。親しい人の家には、電話で「今から行くから」と声をかけてから行くと、かえって気を使わせてしまうから遠慮する、という傾向さえあります。

日本の縁側が外に開かれた場でなくなったというのは、寂しいことだと思ってしまうのですが・・・。

- 続く -


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コメント
この記事へのコメント
わたしはアイルランドの友人が日本に遊びに来た時に、家に来てもらって、ちらしずしでお昼にしたことがありますが、東京の小さな集合住宅では、家の中が散らかっていることよりも、とにかく家が狭いことが(ウサギ小屋ですもの)けっこう気が引けましたが、でも、とても気の良い方なので、日本の家庭の食事を楽しんでくれました。

彼女もヨーロッパ本土に時折旅行に行き、昨年はドイツの教会めぐりをしたとのことでした。やっぱり一種のスタディツアーで、それも、ドイツにはアイルランド人の作った教会がいくつかあり、ショッテンSchotten、とつくのがそうなんですって。
2008/05/27 | URL | Saule  [ 編集 ]
v-22Sauleさんへ

アイルランドとドイツの関係ですか。ヨーロッパの場合、他国に文化を残した歴史があるので面白いですね。

外国人にとって、家での食事に招待されるというのは何よりのご馳走ではないでしょうか? 今の私にはマンネリになってしまいましたが、フランスに通い始めたころは、色々な家に招待されるのが嬉しくて仕方ありませんでした。

私は人から何と思われるかは全く気にしないタチなので、日本にいたときも、日本人でも外国人でもよく食事に招待していました。今は日本に帰ると物置で寝るような滞在形態になってしまったので、できなくなりましたが。

友人たちを大勢招待したとき、私は気がきかないので、コーヒーを出したときにスプーンを付けなかったことがあって、友達が勝手に食器戸棚から割りばしの洗ったものなんかを出して使ったりしたことがありました。そういうのが私には楽しくて好きです。
2008/05/27 | URL | Otium  [ 編集 ]
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