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2010/01/03

シリーズ記事目次 【イタリア旅行記 2009年秋】 目次へ
その6


今回の旅行で見学したところの中で、一番印象的なのは、ここでした。

Il Vittoriale degli Italiani

イタリアの詩人・作家Gabriele D'Annunzio(ガブリエーレ・ダンヌンツィオ、1863~1938年)が建てた邸宅で、当時そのままの姿が博物館となっています。

ガルダ湖の畔にあるホテルに泊まっていたとき、レセプションで近くに何か見学する価値があるところはないかと聞いてみたら、ここを教えてくれたのでした。

ダンヌンツィオは「気ちがいみたいな人」で、ファシストで、その邸宅は「とんでもなくて」、好き嫌いはあるだろうけれど、行ってみたら「おもしろい」とのこと。

ガブリエーレ・ダンヌンツィオという名前は聞いたことがなかったのですが、イタリアではかなり有名なようです。フランスに例えたら、ヴィクトール・ユーゴーかな?…

書きながら調べていたら、三島由紀夫に大きな影響を与えていた人なのだそうです。
☆ Wikipedia: ガブリエーレ・ダンヌンツィオ

確かに、この二人には共通点がありますね…。

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◆ Il Vittoriale degli Italiani(イル・ヴィットリアーレ・デッリ・イタリアーニ)

港から歩いて20分くらいのところに広大な敷地がありました。

すごかったのは館の中の見学です。

彼が死を迎える20年近く住んだ当時をそのまま残した館の中は、生々しいほど雰囲気がありました。恐ろしくなるほど強烈な個性を見せるインテリア...。

膨大なコレクションで埋まっていました。かなりの価値がありそうな芸術作品もたくさんありますし、彼の趣味だけというのもあります。大変な読書家だったらしくて、膨大な書籍を収納するため、書棚は階段の壁にも作られていたのも印象的でした。

家の中に入るためにはコインロッカーに荷物を全て預けなければならず、もちろん撮影も禁止でした。なるほど、これだけ小さな展示物があったら、泥棒対策をしておかないといけないでしょうね。

第一次世界大戦で片目の視力を失ってしまったために光に耐えられなかったそうで、家の中はほとんど暗がりでした。外はイタリアの強い日差しなのと対照的に家の中が薄暗いのは、彼のバロック趣味を強調する結果になっています。

ともかく、すごい! の、ひとこと!
私とは全く趣味が合いませんが、これだけ徹底されると、それも良いのではないかと思ってしまいます。人から何を言われようと、こんな風に自分がしたいように世界を作れたら幸せです。

☆ オフィシャルサイト: Il Vittoriale degli Italiani


Il Vittoriale degli Italiani di Gabriele D'annunzio


◆ 庭園も立派

建物の外は撮影が自由なので、何枚も写真をとりました。

目が不自由で家の中は真っ暗にするほどだったら、庭を散歩するのだってままならなかったでしょうに(サングラスだけで大丈夫なのかな?…)、広い庭園が作られていました。そこにもまた、アンティークコレクションがある。

庭園


庭園の中で驚かされるものも色々あったのですが、例えば、これ。

森の中に船がある! 木立の陰からマストが見えているので、そこに船があるのだろうと思ったのですが、そこに行く道が分からなくて、ずいぶん歩きまわってしまいました。

遠くから観光客たちの声が聞こえてきるのも、森の中で沈没した船から聞こえてくるみたいで奇妙な気分になりました。

何のことはない。ちゃんと整備された通路ができていて、そこを歩けば船に行きつくのでした。

船の甲板からの眺め

近づいてみると、船を運んできたのではなくて、森の中で組み立てたのだと分かりました。少し湖から離れたところにあった邸宅なのですが、船の甲板に立つと、そのまま向こうに見える湖に浸水して行けそうな気になります。

この館は余りにもすごいので、ちゃんと描写できません。
日本の方の詳しい訪問記がありましたので、リンクさせていただきます:
☆ イタリア・絵に描ける珠玉の町・村・そしてもろもろ!:
ガルダ湖畔・G ・ダヌンツィオの家、そしてサロ

- イタリア旅行記は続きます -


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カテゴリー: イタリア | Comment (4) | Top
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コメント
この記事へのコメント
こんにちは! 初めまして。
見かけないアドレスを見つけ、逆にたどってきましたら、リンクして頂いておりました。 有難うございます。

ええ、凄い家でしたねぇ、あそこは。 興味深かったですが、ちょっと段違いの感じで。
もっとイタリア語が出来たら、彼の書いたものも楽しめるでしょうに、少し残念です。

素敵なブログですね。 またお邪魔させて頂きます。
 
2010/01/28 | URL | shinkai  [ 編集 ]
v-22shinkaiさんへ

本来ならリンクさせていただいて良いかお聞きするところだったのですが、コメントを入れるのを遠慮してしまいました。余りにも素晴らしいご報告をなさっているので、「私も同じテーマの日記を書きましたが...」などと軽い書き込みをするのがおこがましかったからです。失礼しました。逆にコメントをいただいて恐縮です!

ダンヌンツィオの縁でshinkaiさんのブログを発見したのですが、とても素晴らしいので個人的な「お気に入り」に入れました。イタリアは文化財の宝庫なので大好きです。もう主なところには行ったと思っても、行き当りばったりの旅行でさえすごい発見があるので驚いていたのですが、shinkaiさんのブログでまだまだ無数に素晴らしいところがあるのだと知って感激しております。

寒くて暗い今年のフランス。「イタリアの青空が見~い!」と屋根に上って叫びたくなります!
2010/01/28 | URL | Otium  [ 編集 ]
詩人と女優
どちらも 派手さでは
引けを取らない 職業ですよね。。。

>☆ イタリア・絵に描ける珠玉の町・村・そしてもろもろ!

リンク先のブログも拝見♪
三島が影響を受けた人とは知りませんでした。

さて 詩人の お宅、、

壁面の装飾から
僕とは 180度ベクトルの方向が異なる
感性の持ち主と 一目で判断できます

そして お部屋

僕は 簡素を 旨としておりますので
何か賛辞を と 思うのですが、、、
「さすが 詩人」 という 言葉しか
浮かばないのだ ♪

理想の穴倉生活は
だれも 訪れる人がいないような禅寺にある 
蔵の中で 好きな本を読みながら
うたた寝を するのが 夢でござる。
2016/09/08 | URL | たかゆき  [ 編集 ]
Re: 詩人と女優
v-22 たかゆきさんへ

こういうお家はどうでしょうとリンクしてしまったのですが、読んでくださって、どうもありがとうございます。

私のために記録させていただくと、コメントをくださったのはこちらの記事:
http://otium.blog96.fc2.com/blog-entry-2468.html

書き終わってから、お気に召さないだろうなとは思ったものの、コメントのお返事で入れてしまったので、そのままにしておりました。

>理想の穴倉生活は だれも 訪れる人がいないような禅寺にある 蔵の中で 好きな本を読みながら うたた寝を するのが 夢でござる。

性懲りもなく書いてしまうと、こちらには岩をくり抜いた洞窟の住居がありますけど、いかがでしょうか?

1年中気温が同じなので住み心地は良いそうです。幾つかの国で見学していますが、悪くはない。ロワール地方で見学させてもらったお金持ちが住んでいる洞窟住居は、かなり趣がありました。でも、やはり私は窓がない家には耐えられないと思う。

イタリアのマテーラ(Matera)は町全体が洞窟住居で、見事というか、嘘のような光景でしたが、みんなが洞窟に住むというのは面白味がない。ブルゴーニュ地方には洞窟住居の文化はないのですが、隠者のように住んだ人がいるのでブログに書いていました:
http://otium.blog96.fc2.com/blog-entry-1988.html

こういう変人の生き方は好きですけど、私には真似はできない。

日本で憧れるのは、丸い窓で、障子を開けると絵画のような風景が見えるというもの。

こういう家に住みたいと思ったのは京都の祇王寺です。お寺は止めて、見学客も受け入れないで住む。フランスでは回廊があるような立派な修道院が民家になっている例はかなりたくさんあるのですが、日本ではお寺が普通のお家になっているのは存在しないかな?…
2016/09/09 | URL | Otium  [ 編集 ]
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