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2010/02/12

シリーズ記事【殻つきの牡蠣(目次】 その6
クイズ: 何を見ているのでしょう? (4)


クイズ: 何を見ているのでしょう?」のオマケのようにつけた質問は、この絵画にはなぜ男性だけで食事しているのか? というものでした。

この答えなんか出てこないだろうと踏んでいたのですが、元ぶるとんぬさんが、この点について推察をしてくださいました。


男性たちが、特別な意味がある牡蠣を食べていた?

すでに16世紀の医学書には、牡蠣には「強いaphrodisiaque(媚薬)効果がある」と書いてあるのだそうです。

絵画の解説を見たときには、昔のフランスにはそんな迷信のようなものがあったのかと思っていたのですが、元ぶるとんぬさんもそうおっしゃる。お住みになっていたのは、フランスの牡蠣の産地ブルターニュ。それで、昔の言い伝えが残っているのかな、と思いました。

フランス人に聞いてみたら、今でもそう言われているのだと教えてくれました。
フランス語のWikipediaで調べたら、たくさんリストアップされている食品の中に、牡蠣も入っていました。そこからリンクできる日本語ページの方には牡蠣はリストアップされていません。

簡単なキーワードを入れて日本のサイトで情報を検索してみました。でてきますね。そんな話しをしているサイトは怖いので、出てきたタイトル文字を見ただけですが、「牡蠣には亜鉛やミネラルが豊富で…」とありました。

フランスでその類いにされるものとして、私は生姜しか知りませんでした。
★ 過去に書いた日記: フランス人に生姜料理を出すと、とんでもない反応がある!

日本料理を作るときに生姜を使うことがよくあるのですが、料理をフランス人に出すと、特に男性たちが、目をクリクリさせるので困るのです。
でも、牡蠣を出されてニタニタする男性は見たことがないです…。

ところで、入れたフランス語を辞書で引くと、もっとストレートな訳語がでてくるのですが、「媚薬」としておきました。この言葉で私が思いだすのは、むかし読んだ痛々しい恋愛物語だった『トリスタン・イズー物語』。そこに出てくるスイカズラの花はどんなのか想像できなかったのですが、フランスにはたくさんありました。ものすごく生命力がある植物なので、私のイメージとは全く違っていました!

そんな単語があったことすら忘れていたのですが、試しに楽天市場でキーワードにしてみたら、商品がぞろ~っと出てきました。死語ではなかったのですね...。


この絵画を所有しているコンデ博物館の絵画分析では、画家は牡蠣が媚薬であるために場面には男性しか描かなかったとしても、もう一つの理由も考えられると言っています。


狩りから帰った男性が食事しているだけ?

この「牡蠣の昼食」という絵(1735年作)が飾られるのは「狩りからの帰り」と題された食堂に飾られるもので、ハンティング帰りの男性15人くらいが夕食をとる風習があったそうです。とすると、男性しかいないのも自然。

ちなみに、そこに女性が加わるようになったのは1738年からだそうで、これは牡蠣を食べる食事風景の絵画に対して画家に代金が支払わたと記録に残っている年です。

でも、です。ヴェルサイユ宮殿のサイトの記述では、この部屋が風呂場から食堂にされたのは1750年とあるので、理解に苦しみます。部屋ができる前に絵画が用意されたのだと受け取って、気にしなければ良いのでしょうか?... どうせ300年近く前のこと。気にしない!


いづれにしても、日常的な狩りの後の食事でしょうね。当時の王様の大規模なハンティングでは、女性たちも馬車などで狩猟見学ツアーのように同行していましたから、狩りの後に「おれたちだけで食事」式のことはできなかったのではないでしょうか?


真相は?

牡蠣の効用のために男性たちだけが食事しているという光景なのか? あるいは、男性たちが集まって食事するための部屋のための絵だから、そうなったのか?...

でも、この絵と一緒に飾られた「Le déjeuner de jambon(豚のもも肉の昼食)」と比べると、牡蠣の絵の方では無心に牡蠣を食べている人たちの姿が目につきます。

生牡蠣を食べている人たちの絵だと思っていたのですが、よく見たら、食べている姿が描かれているのは、たった3人なのです。

ピックアップすると、この部分↓

牡蠣を食べている3人

両隣の人たちが飛んだシャンパンのコルクに気をとられているのを無視して、なんだか物思いにふけるような感じで食べている若者(No.1)。

みんなから離れて右端に陣取り、人と話しもしないで、ひたすら食べているらしい中年男性(No.2)。あまり女性にはもてないタイプに見える...。

かなりお年のような男性(No.3)は、「こんな物を食べたからってね…」という表情に見えませんか?

この3人を観察して、コメントをくださった元ぶるとんぬさんの推察が正しいのではないかなと、私は思ってしまいました…。

思いだせば、シャンパンも元気づけの効果があるとフランスでは言われています。ツール・ド・フランスという自転車レースでは、昔は選手たちが元気づけにシャンパンを飲みながら走っていたそうです。つまり、今の流行りのドーピング目的。これもフランス人に聞いたら、牡蠣と同じように媚薬のカテゴリーに入っているとのことでした。

この絵画の食卓では、生牡蠣をニンニク、バター、塩胡椒で食べていたと見えるそうですが、生姜醤油で食べて、シャンパンを飲むというのが一番良かったのではないでしょうか?

不真面目でごめんなさい! フランスにいると、日本だったら絶対に耳にしない類いの言葉が頻繁に出てくるので、免疫ができてしまっているのです。そういうスラングは、意味を知っていないと会話についていけません。皆が軽く使っているし、覚えたからと、私のような外国人女性がつい口走ってしまうと、目を丸くされてしまう。気をつけないといけないのが難しいところです!

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コメント
この記事へのコメント
ははあ~、そうだったのですね~。
シャンパンのコルク…、そして、カキの媚薬的効果…。
カキとシャンパンという取り合わせという発想は、全然思いつきませんんでした。
今度から全然わからない時は、アルコール関連のことに頭をまわさないといけませんね~。
でも、こういう絵画で昔のことがいろいろとわかっておもしろいですね。
また次のクイズの機会を楽しみに待っています。
2010/02/12 | URL | すぎちゃん  [ 編集 ]
v-22すぎちゃんへ

>今度から全然わからない時は、アルコール関連のことに頭をまわさないといけませんね~。
⇒ 統計をとっているわけではないのですが、「あれ~、クイズ王のすぎちゃんに分からないって変だな...」と思うときは、いつもお酒関係だったような気がします。

またクイズを用意していますので、よろしく~! でも、「またワインのことかな?」などと真っ先に考えてしまうと、するどい感が鈍ってしまうかもしれない...。
2010/02/12 | URL | Otium  [ 編集 ]
すみません(汗)
なんだか私のコメントからちょっとそちら方面のお話にシフトさせてしまったかしら?(汗)。
フランスにいるとテーブルの会話で艶笑小噺みたいな感じでいろいろ聞かされることが多くてすっかり免疫ができてしまいますね。^^;

さすがに牡蠣を見てニヤニヤする人には遭遇しませんでしたが、豚肉の生姜焼きをフランス人の友達に出したときにはずいぶんからかわれましたっけ。(そのわりに皆美味しいといってたれをパンでぬぐって食べていましたが…。)

狩のあとという男性だけの場だからこそ牡蠣を食べてシャンパン飲んで…と羽目を外すことができたのかもしれませんね。女性がいたらあからさまにってものを食べるのは気が引けるでしょうし、エスコートする必要もありますし。そうでないとウニが上から降ってくるかもしれませんしね(笑)←Pepe犬さんの発想、私も大好きです!^^
2010/02/12 | URL | 元ぶるとんぬ  [ 編集 ]
Re: すみません(汗)
v-22元ぶるとんぬさんへ

>フランスにいるとテーブルの会話で艶笑小噺みたいな感じでいろいろ聞かされることが多くてすっかり免疫ができてしまいますね。^^;
⇒ ほんとうに。あのジェスチャーたっぷりの小話のご披露って! 今回の日記の内容のようなことを一人で書いていると、「コイツ、異常なんじゃやないか?」と思われてしまうところですが、元ぶるとんぬが「フランスでは」というコメントを入れてくださったので救われました♪ それで、ちょっとコメントを引っ張りすぎてしまったかもしれない。こちらこそ、失礼しました!

>牡蠣を見てニヤニヤする人には遭遇しませんでしたが、豚肉の生姜焼きをフランス人の友達に出したときにはずいぶんからかわれましたっけ。
⇒ 生姜については、元ぶるとんぬさんもそうでしたか。これにもほっとしました。それで思ったのですが、牡蠣にニヤニヤしないのは、牡蠣はすっかりフランスの食材になっているからではないでしょうかね。生姜はめったに食べないので、「あれ、あれ...」と反応する。

>狩のあとという男性だけの場だからこそ牡蠣を食べてシャンパン飲んで…と羽目を外すことができたのかもしれませんね。
⇒ この絵と対になっているジャンボンの絵の方は、完全に悪ふざけしていますね。牡蠣の席はお上品そうに見えるけれど、当時の人たちが見たら、ハメをはずした宴会だろうと想像がついたのでしょうね。そういう宴会では、ウニを投げたかどうかは別にして、女性たちがからかうようなこともあったのではないかと思えてきました。
2010/02/12 | URL | Otium  [ 編集 ]
わーい♪ シャンパンのコルクで良かったんですね!!
1度目の失敗の後、またあれやこれやと調べていました。(こういうとき、結構ムキになっちゃうタイプです^^;) この絵と別に、野外で牡蠣を食べる絵を紹介していた『こちらの絵』をクリックして、そのページにあった、『コンデ美術館』をクリックしたら、いくつかの絵画がでてきました。なぜかそれは、カタロニア語のページでしたが、この 牡蠣の食事の絵を見つけ、そこに書いてある解説を自動翻訳してみました。例のごとく、わけのわからない日本語になっていましたが、シャンパン、ジャンプ・・・というキーワードがヒントになりました!!
 男性しかいなかったのは・・・・なるほど、そういうことでしたか。いや、実はちょっとそんなことも考えなくはなかったのです。日本でも、健康食品の広告に、『滋養強壮に牡蠣のエキス』などというのを見かけたことがあります。確かに日本では、牡蠣は海のミルク、なんて言いますよね。だからひょっとして・・・と思いつつ、これで間違ってたら、ちょっと恥ずかしい(;O;)なんて、思っちゃったりして・・・!?
 それにしても、すごい量の牡蠣と、シャンパンですよね!?シャンパンだけをそんなに飲むなんて・・・げっぷっげっぷ言いそうです(失礼!)
 私も牡蠣は大好きですが、牡蠣って食べ過ぎるとお腹をこわす・・・というイメージをもっていますが、実際のところはどうなんでしょうか。こんなに食べて、お腹こわさなかったのかな~?という、新たな疑問がわいてきました(?_?)
 
2010/02/12 | URL | ママン  [ 編集 ]
v-22ママンさんへ

>1度目の失敗の後、またあれやこれやと調べていました。(こういうとき、結構ムキになっちゃうタイプです^^;)
⇒ 調べて下さった結果でしたか。画像ではシミみたいな点がコルクに見えるはずもないので、どうしてお分かりになったのかと、出したクイズ以上に不思議だったのです。私も、どうでも良いことでも、ムキになって調べてしまう性格です。似た性格をなさっているのかな?... などと想像したりして...。ママンさんは、その癖を良い方向に向けてください(老婆心)。

「この絵」へのリンクは、ヒントになるものが出てこないと思ったので入れたのですが、ヒントになっていましたか。どうなっているのか試してみたら(ここがムキになる点)、シャンパンというのは出てこなかったですよ~。私のGoogleは仏語ページが作動するように設定してあるのが原因かも知れない。それ以上の探求は思いとどまりました。

>健康食品の広告に、『滋養強壮に牡蠣のエキス』などというのを見かけたことがあります。
⇒ そんなのがあるのですか。この類いのPRを見ると、そのもの(ここでは牡蠣)を「美味しい♪」と食べれば良いのに...、と思ってしまいます。野菜の青汁なんていうのが、その例!

>だからひょっとして・・・と思いつつ、これで間違ってたら、ちょっと恥ずかしい(;O;)なんて、思っちゃったりして・・・!?
⇒ こういう時って微妙ですよね。全然関係なかったら、答えに外れたというのは抜きにして、バツが悪い思いをしてしまう。元ぶるとんぬさんは勇気ある方でした♪

>こんなに食べて、お腹こわさなかったのかな~?という、新たな疑問がわいてきました(?_?)
⇒ この時代の人たちの胃袋はどうなっていたのだろうという疑問は、私も前々から感じています。古代ローマ時代の人たちはソファーに横になって食べていて、もっと食べられるように吐き出したそうですが(失礼!)、同じラテン系と言っても、彼らはそこまではしなかったようです。特にルイ14世は美食家+大食漢だったそうで、お召し上がりになったメニューというのが残っているのですが、人間の業ではないです!
2010/02/12 | URL | Otium  [ 編集 ]
ほぉ~~
シャンパンのコルクを眺めていたんですね!ほぉ~!
ウニが落ちてくるわけじゃなかったんですね。(笑)
でも、コルクは下に落ちてくるし、、、「頭上注意」は正解だったな~…と勝手に自分にくす玉をあげちゃいました。(笑)
2010/02/14 | URL | pepe犬  [ 編集 ]
Re: ほぉ~~
v-22pepe犬さんへ

>ウニが落ちてくるわけじゃなかったんですね。(笑)
⇒ ウニを落とすのは素晴らしいと思ったのは私だけではなくて、元ぶるとんぬさんも褒めていました♪

>でも、コルクは下に落ちてくるし、、、「頭上注意」は正解だったな~…と勝手に自分にくす玉をあげちゃいました。(笑)
⇒ ほんとう。コルクが飛び上がったことばかり考えていたのですが、落ちてもくるんだ~! pepe犬さんが正解を出してくださったときは、張り切ってクス玉を入れていたのに忘れてました。あの画像を探して入れますね♪
2010/02/14 | URL | Otium  [ 編集 ]
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