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2010/04/11

シリーズ記事【シャンパーニュ地方旅行記(目次】 その1
ランスの街


簡単に食事したいときに便利なのが、ビストロ。普通のレストランに入ると、一皿とデザートくらいしか注文しないのは肩身が狭いので避けるので、つい食べ過ぎてしまうのですが、ビストロだと、そうするのに遠慮がいりません。それに、ビストロではシンプルな料理を出すけれど、まずくはない、と踏むことができます。

ただし、ビストロがあるのは、ある程度の規模の町に限られます。大都会にはビストロがたくさんありますが、昔ながらの雰囲気はなくて、ただビストロと名がついたレストランもたくさんあるので要注意。

ランスの町で、久しぶりに、こういうビストロが好きだ、というところでランチをとりました。

以前にも2度くらい行って、良い印象を持っていた店です。久しぶりに店の前に立ったら、もっと美しい店構えだと思っていたのに… と思ってしまいました。

なんとなく躊躇…。


この店に入ろうと決めるきっかけ

店の前でシーフードを用意しているエカイエさんがいたので、挨拶して仕事ぶりを眺めました。

少し前の日記(牡蠣の殻のむき方: 日仏比較)を書いたとき、エカイエという職業の人の写真を入れたかったのに、写真を持っていないことに気がついたので、この人の写真をとりたくなりました。

écailler

もちろん撮影OKの返事をくれたのですが、彼は困ってしまっている。このシーフードはまだ完成品ではなくて、店の中に入ったら2段構えにした立派なのがあるからそれを撮影するようにとおっしゃる。

いえ、いえ、フランス式シーフードの盛り付けを見たから写真がとりたいのではなく、エカイエさんの写真が欲しいからなんだ、と説明。なかなか良いお顔だし… 、とは言わなかったですけど!

でも、完成しない盛り付けは価値がないみたいなおっしゃりかたをする。上に色々なのを乗せて、立派になるのだ... と説明してくれる。画家のこだわりみたではないですか?!

とても感じが良い人です。そうだ、そうだ、この店が気に入ったのは、感じが良いこともあったのでした。

こういうお給仕に携わっていない従業員が感じが良いというのは、レストランの印象を大きく変えると思います。この冬にパリでお気に入りのイタリアン・レストランに行ったときのことを思い出しました。

レストランの入り口には調理人二人がタバコを吸っていて、店先のメニューを見るのに邪魔なのにどいてくれない。聞くと、昼は12時半が開店なのだそう。「席とれますかね?」と聞くと、「たぶん」とそっけない返事。開店前だから(といっても、普通のレストランなら開いている12時は過ぎていました)席の予約もしてくれないらしい。

やたらにイタリアンが食べたかったのですが、フランスのイタリア料理店はかなり選ばなければいけないので(スパゲッティを煮すぎている!)、パリといえども食べる気になるイタリアンは非常に少ないのです。遠くまで歩いて行くまですることはできないので、少し近所を散歩して時間をつぶすことにしました。でも、歩いているうちに「あんなところ、行くもんか!」となって、別のレストランで食事しました。

そんなことがあった後なので、お客さんに愛想よくする役割もないエカイエさんが感じが良いのが好印象を与えました。ビストロの入り口にはミシュランご推薦マークも張ってあります。相変わらずおいしいのだろう、と安心。

迷わず中に入ることにしました。


本物のビストロの雰囲気が好き

お隣のテーブル

早めの時間だったので店内はガラガラだったのですが、みるみるうちに人が入ってきて、テーブルはすっかり埋まってしまいました。地元で人気がある店なのでしょうね。

ランチョンマットには、創業1925年と書いてありました。

ランチョンマット

お給仕の人たちがキビキビと働いています。フランスでこういう風に働いている人を見る機会って少ないのです! 郵便局やスーパーのレジなどで順番を待っていると、従業員がでくわした友達とおしゃべりを始めてしまったりして、お客さんはじっと我慢、という図になることが頻繁にある国です。

ウエーターさんたちは、とても愛想がよいのも気持ちが良かったです。通りかかるときには、こちらに問題がないかどうかと声をかけていきます。

プロだな~、と感心。働いている人はプロでなければいけないのだけれど、そうじゃないのに出くわすことが多いのもフランスなのであります。

少し前には、ミネラルウオーターを持ってきたウエートレスさんが、キャップを開けるのか聞いてきたことがありました。彼女がひっこむと、奥の方にいたマダムが、「試飲してもらうのはワインだけで、ミネラルウオーターは試飲させなくて良いのだ」などと説明しているので笑ってしまいました。

最近は、ヨーロッパ連合に入った東欧の女性がウエートレスとして働きに来ていたりして、フランス語がろくに通じないこともでてきましたね。


ところで、ビストロ(bistrot)とはどう定義したら良いのかと思って仏仏大辞書で語源を調べたのですが、それを下手に訳してみる必要はありませんでした。フランスの信頼できる新聞「ル・モンド」にあったビストロに関する記事の日本語訳が見つかったからです。
ビストロに栄光あれ

*この記事で紹介されている穴場ビストロに行ってみたいなと思って少し検索してみたら、閉店されたかもしれないという英語情報が流れていました。

- 続く -


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コメント
この記事へのコメント
このビストロ!
はじめまして。以前からよくお邪魔してまして、フランスのこと掘り下げている記事に、そうか~となることもしばしばの私です。

私はランスに住んでいるのですが、このビストロ大好きでもう何回も行っています。雰囲気がほんとにいいですよね。日本からきた友達を連れて行ったときも好評でした。
2010/04/12 | URL | マカロン  [ 編集 ]
Re: このビストロ!
v-22マカロンさんへ

良いレストランに行くと、こういうところが近くにあったら、「今日は料理したくない」というときに行けていいのにな~ と、いつも思います。

実は今回のランスは、近くに行ったので町に入ってみただけでした。以前に行ったときは色々観光して良い印象を持っていたのに、今回は旧市街がない町はつまらないな...、立ち寄ることもなかったな...、と思ってしまったのでした(ごめんなさい!)。ところが、この感じの良いビストロで食事したら、やはり来て良かった、になりました♪
2010/04/12 | URL | Otium  [ 編集 ]
きっかけ
 写真を見ただけでわかる、本当に人の良さそうなエカイエさんですね。店員さんの雰囲気って、大事だと思います。
 私は物を買うときでも、結構店員さんの感じの良さに左右されて買ってしまうことが多々あります。物なんて、似たり寄ったりのお店がいっぱいあるわけで、その中で結局は誰から買うか、この人から買いたい、と思わせるようなスタッフを備えているお店は強いですよね。
 日本でも有名な、九州の温泉地湯布院に行った時のこと。ガイドブックにも載せてあったレストランに入ったら、確かに評判の通りの人の入りで、とても忙しそうでした。そのお店のスタッフが、忙しいのはわかるけれど、それはそれは素っ気ない。『忙しいんだからもう来ないで、って感じ?』なんて思ったほど。
 あの町は、今でこそ温泉街として発展しましたが、まだまだ歴史は浅いはず。町の急速な発展に、そこで働く町の人たちが、ちょっとついていけていないんじゃないかな、なんて思ってしまいました。
 やっぱり伝統を築き上げていくってことは、大変なことなんでしょうね。
2010/04/13 | URL | ママン  [ 編集 ]
Re: きっかけ
v-22ママンさんへ

>私は物を買うときでも、結構店員さんの感じの良さに左右されて買ってしまうことが多々あります。
⇒ 私もです。欲しくなかったものでも買ってしまう! どうせお金を散在するのだから、気持ちよく使いたいですよね。

>九州の温泉地湯布院に行った時のこと
⇒ 日本はサービスが良いと思っていましたが、そんなところもありますか。

>そこで働く町の人たちが、ちょっとついていけていないんじゃないかな、なんて思ってしまいました。
⇒ 湯布院は一度だけ行ったことがあるのですが、駅前のあたりなどは東京にある雰囲気なので、びっくりしました。余り急激に発展しすぎてしまうのって問題なのですよね。
2010/04/13 | URL | Otium  [ 編集 ]
雑誌を読んでいる方がいい感じ
こんにちは。人気店で人もたくさん入っていても雑誌をのんびり読んでいるお客さんがいる・・・いいですね!

これですこれです。何か人の温かみを感じますね。

何か日本だとお店が混んできた、さあ、もう帰ろうかって遠慮して帰っちゃいますけど。さすがビストロ文化が大切にされているフランスですね。
2010/04/14 | URL | Sugaihi  [ 編集 ]
Re: 雑誌を読んでいる方がいい感じ
v-22Sugaihiさんへ

私も写真を入れながら、「あれ、この人、雑誌を読んでいる...」と思ったのですけど、メニューを見ているはずなのです。後から入ってきたカップルなので、何を食べるか決めようとしている図だと思います。

理由:

① フランスの女性は怖いですからね。相手を差し置いて雑誌なんか読んでいたら、翌朝までご機嫌が悪いでしょうから、不作法は避けるはずです。

② 雑誌を読んでいるにしては、表情が真剣すぎる。何を食べるかを決めるという、人生の中で最も大事な瞬間に見せるフランス人の顔ですね。

>何か日本だとお店が混んできた、さあ、もう帰ろうかって遠慮して帰っちゃいますけど。さすがビストロ文化が大切にされているフランスですね。
⇒ そうやって店を出ると、入り口に行列ができているのを目にして、「ゆっくり食べていて申し訳なかった」などと思ってしまいますよね?

最近まだ流行が続いているのか分からないですが、予約を入れるとき、「2時間以内なら予約OK」と言われる日本のレストランがかなり出てきたのですが、これは非常に不愉快です。「そう言うだけだろう」と思って食事していると、2時間たつ頃、ウエーターが本当に催促にやって来る!

フランスの食事代は非常に高いのですが、お客の回転がないためにレストランとしては1回の食事にイスの数しか客を入れられないわけで、それでは高くても仕方ないな、と思っていました。でも、このビストロでは、食事が終わった席が即座にセッティングし直されて、そういう席に着く客が3組くらいあったので、びっくりしました。ランスはのどかな地方都市ですが、パリみたいに忙しい人たちがいる町なのだな... と思わせた瞬間でありました。
2010/04/14 | URL | Otium  [ 編集 ]
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