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2008/04/12
少し前、フランス大統領ご一行がイギリスに行く、というニュースが賑わいました。

その前のしばらくの時期、大統領ともあるまじき言動がインターネットのビデオで流れまわっていたので、また何かヘマをやらかすのではないか?・・・ という期待(?)が高まりました。

蓋をあけてみると、笑わせる映像は提供しない程度に無難にエリザベス女王のご招待をこなしてきたようです。

でも、もの好きなニュースによれば、エリザベス女王主催の晩餐会でのフランス人たちは、誰もフルーツには手をつけなかったとのこと。

マナーの国イギリスなので、フルーツはお上品にナイフとフォークで食べなければならない。下手に食べたら、またYouTubeなどの映像で流されてしまうと懸念したらしいです。


フレンチ・レストランが気取っているというのは、外国に入ったイメージのようです。

パリやコート・ダジュールには気取ったレストランもあるそうですが、そういう例外を除けば、ミシュランの3つ星レストランのようなところでも、リラックスして食事ができるのがフランスです。


◆これがフランスのレストランのマナーかな?

リラックスして見えるフランスのレストランでも、常識のようなものがフランス人にはあるな、と感じます。

その一つは、一つの皿をとって皆で分けて食べるのを遠慮する、というもの。

盛り合わせの前菜などをとってみんなで突っつくというのは、イタリアン・レストランでは普通にできます。でも、フランチ・レストランでは、フランス人は何か事情がない限りやらないように見えます。

はっきりご法度だとわかるのは、二人でレストランに入って、ひとつの定食メニューをとって、それを二人で分けて食べるなどというもの。

それでも、やってしまったら、レストラン側はどう反応するのか?・・・

興味はあるのですが、実験してみたことはありません。そもそも、フランス人に「やってみようよ」と提案しただけで馬鹿にされるでしょうから、実験する機会は来ないと思います。

定食メニューというのは、同じ料理をアラカルトで取るより安く料金が設定されているのが普通なので、一つの定食を二人で分けて食べられてしまったら、レストランとしては採算が合わないはずです。

丁重にか、ひどく傷つけられる言い回しで、断られるだけでしょうね・・・。


普通に料理を頼んで、何かを取り分けて食べたいときには、「とりわけ用のお皿を余分にください」と頼んだら、普通は、持ってきてくれると思います。小さな子どもを同伴している場合には、抵抗なくできます。

親切なお給仕の人だったら、向こうからお皿を持ってきましょうか? と言ってくれるはず。

でも、大人たちがそれをやった場合は、チップを多めに置くとかいう気遣いはするのが常識だと思います。


◆同じテーブルで料理を突っつき合うのは平気

私は小食なので、たくさん食べられる人と食事するときは、よく私のお皿から食べてもらっています。

フランス人は余りやらないことなのですが、私からすすめられることに慣れた友人たちは、けっこう喜んでいるみたいです。自分がとらなかった料理がどんな味なのか、彼らだって興味がありますから!


いつぞやは、こんなこともありました。

友人たちと旅行していて、レストランのテーブルを囲んでいたときのこと。かなり良いレストランでした。

お品書きにある料理はどれも美味しそうに見えるので、10人近くいたフランスの友人たちも、みな料理を選ぶのに苦労しました。

前菜を食べ始めると、隣に座っていた友達が聞いてきました。

「Otium、おいしい?」

「うん、とってもおいしい♪」 と、私はニッコリ。

「そうだろうと思った(Je m'en doutais)」

他の人たちが、どっ~と笑いました。

「やめろよ、いつもOtiumの皿を狙うのは~!」

それを聞いて、私はフランス語のニュアンスが分かっていなかったのに気がつきました!

あわてて「どうぞ、どうぞ」、と私。

「いやー、そんなつもりではなかったのだ・・・」と言いながら、やっぱり彼は味見を楽しんでいました♪ ついでに、「やめろよ」と言った人にも分けました。

このときの前菜は小ぶりだったので、小食の私でも食べきれる量だと思っていたのだけれど・・・。


普通のフランス人たちには習慣がないとはいえ、気取ったレストランでも、他の人のお皿を突っついて食べるというのは、こちらの自由でできる、と結論しています。

行きつけの3つ星レストランに連れて行ってくれたフランス人の友達は、いつもご主人と別々の料理をとって、互いの料理を食べ合うのだと言っていました。実際に、そのときも、私たちはそうやりました。

そのレストランでは、ボリュームを少なくして料理の数を増やすというのもお願いできるのだそうです。

でも、たぶん料金は、ボリュームが少なくしても、たぶん割引はほとんどないのではないでしょうか? となると、他の人と違う料理を突っつき合うのが一番!


◆冷たいレストランもある!

相手のお皿を突っつくのはできるとしても、初めから一皿とって分けて食べる、というのはフランスではどう見られるのかな?・・・ と気にしていたころのこと。

あるレストランでこんなことがメニューに、こんな文字が書いてあるのに目が止まりました。



直訳してしまうと、次のような文章になります。
「分け合った食事のすべては、追加料金をもららす」

つまり、ひと皿をとって分けて食べたら、メニューに書いてある料理の金額より高い金額を払っていただきますよ、ということ。

そう明記してあるなら、遠慮なく1皿をとってみんなで突っついて食べても良いということになる、とも受け取れます。でも、書き方から見て、「そんなことをしたら、こっちっだって超過料金を取るぞ~」という意思表示に見えました。

同席していたフランス人に見せたら、そんなことを書くなんて「けしからん」という反応。

このレストランは、一皿のボリュームが多いのです。それを知って2度目に行ったときには、一皿を2人で分けて食べたらちょうど良いと思った人がいても不思議はありません。

しかも、分けて食べるのに適した料理が、このレストランにはあります。

こちらの、プロヴァンス風カエル料理 ↓


Cuisses de grenouille à la provençale

こういうカエル料理は、手でつかんで、かぶりついて食べます。だから、真ん中に皿を置いてみんなで突っつきあうにも便利。

しかも、このレストランのカエル料理は、一人分を2人でも4人でも分けて食べらるに十分な量なのです。冷めないように、二皿目が出てきたりするのですから。

観光客が多い町だったので、そんなことをされて頭にきたのでしょうか?

分け合って食べたら追加料金を取る、なんて書いてあったレストランは、ここ以外にはフランスで見たことがありません。

まあ、メインディッシュを一人一皿取らないのを避けてもらう手段で書いただけだとは思うのですが、なんとも不愉快な但し書きに見えました。

たまにですが、フランスの飲食業の人の中には、お客さん相手の商売をしているという意識がないところがあります。


◆軽く食べたいときに苦労するフランス

そもそも、軽く一皿か二皿で食事したいと思うときにレストランに入るのは、フランス人は遠慮するように見えます。前菜、メインに加えて、少なくともチーズかデザートのうちの一つをとる、というのが常識。

考えてみると、フランス人って、それなりに常識があって、かなり礼儀正しいです。

ただし、パリなどの都会に行くと、ダイエットしている人も多いせいか、事情は変わります。ランチ定食などでは、前菜かメインのうちの一つを選び、それにデザートというのもありますから。田舎では考えられない定食です!

普通、一皿か二皿で食事を済ませてしまいたいときは、ビストロに入るのが適しています。ちゃんとフルコースを食べないことも平気でできますし、盛り合わせサラダなんかだけで食事を済ますこともできますから。

一人でパリを観光しているときなどには、昼食は大きなケーキとお茶で済ませてしまうこともあります。旅行から帰ると、決まって「おいしいもの、食べた?」と聞く、ここ大食漢の住むエスカルゴの国では、そんなはことをしたなんて友人たちには内緒にしないと軽蔑されてしまいますが!

大都会では選択肢も多いので、小食の私も困りません。でも、問題は田舎を旅行しているとき。軽く食事ができるビストロとか、サロン・ド・テなるものは、田舎なんかにはないのであります!

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コメント
この記事へのコメント
カエルってグルヌイユでしたよね。
すごーくつまらない話なんですけど、わたしがたまに行くレストランで、ロワールのワインのようですが、「ブルグイユ」というのを頂いたことがあります。なんだかね、ブルゴーニュとグルヌイユをくっつけたような名前がとても印象的で、お味よりも名前を今でも思い出します。
2008/04/13 | URL | Saule  [ 編集 ]
v-22Sauleさんへお返事:

>カエルってグルヌイユでしたよね

⇒ そうです。grenouille。

>「ブルグイユ」というのを頂いたことがあります。なんだかね、ブルゴーニュとグルヌイユをくっつけたような名前がとても印象的で、お味よりも名前を今でも思い出します

⇒ 私は、グルヌイユを食べさせるレストランで、まさに「グルヌイユ」という名前のワインを飲んだことがあります。

「ブルグイユ」は、おもしろい名前ですね。この名前は聞いたような気がするな、と思って検索してみたら、ロワール地方のれっきとしたAOCワインでした。
http://www.vinbourgueil.com/home.asp
2008/04/13 | URL | ブログ管理人 Otium  [ 編集 ]
アドレス、消せました。ありがとうございます。

日本ではカエルってあまり(?)食べませんけれど、数年前にアンコールワットを見たくてカンボジアに旅行したとき、シェムリアップのレストランで、アンコールビールという現地のビールと、空心菜いため、そして、カエルの唐揚げがとってもおいしかったです。あっさりしていて、でも、歯ごたえがあって。日本にもどってから、あの味がなつかしくて、どこかで扱ってないかと探したら、アメ横で見つけたのですが、冷凍の袋詰めでした。カンボジアで食べた味の再現は無理だろうと思ってやめました。
フランスにはまだ行ったことはありませんが、いつか行って、エスカルゴもグルヌイユも堪能したいものです。
2008/04/13 | URL | Saule  [ 編集 ]
v-22Sauleさんへお返事:

>アドレス、消せました。ありがとうございます。

⇒ お手数をかけていただきました。実験成功。おまけにコメントが書き換えられると、こちらにもう一度「承諾」を聞いてくることも分かりました。かなりのプロテクトですね。

日本でカエルを見つけたら冷凍だったとのこと。上手に調理すると、かなり美味しくはできるのですが、はやりフレッシュなのにはかないません。

私がレストランで食べるときは、フレッシュなものかどうかを確認してから注文しています。とは言え、フランスでもカエルは環境破壊で取れなくなってきていて、たいていは東欧から運ばれてくるものだと聞きました。
2008/04/13 | URL | 管理人Otium  [ 編集 ]
レストランのマナー
レストランのマナーって、知ってるようで知らないことが多いと思います。
こんな風に1つずつ教えていただけると、ボクも気をつけられると思います。
ありがとうございます。

1皿を分けて食べたら追加料金 なんて、思ってもいないことが書かれていても、フランス語の読めないボクにはわかりませんが、そんなお店に運悪く入ってしまったときの心構えだけはできました。
常識的日本人として、要求されたお金を支払う!
ですね。
でも、詳しく理由を聞こうと思います。(英語で)
??
2008/04/22 | URL | ヒデオ1999  [ 編集 ]
レストランの超過料金請求

v-22 ヒデオ1999さんへ

日本のフレンチはやたらに堅苦しいことが多くて嫌いなので、マナーの話しなど書きたくなかったのですが・・・。でも、少し前に日本で出版する外国旅行のマナーの本の内容チェックを手伝っていたら、フランスでしたら嫌われることがマナーに入っていないなと気がついたので書いてしまいました。

感じが悪いお店というのは、たまにありますね。フランス人たちとイタリアを旅行していたとき、観光地のレストランの入口で「パスタしか食べないならダメだ」などと先に言われてしまったことがありました。ちゃんと食事するつもりだった私たちでしたが、腹がたったので入りませんでした。イタリアの場合は、席代として(だと思うのですが)自動的にパン代が加算されくるので、余計に納得できませんでした。
2008/04/22 | URL | 管理人Otium  [ 編集 ]
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