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2010/07/19

シリーズ記事 【カマンベールチーズは複雑!(目次
その2


前回の日記で書いたように、「カマンベール」という名がついたチーズは世界各地で生産されているようです。

でも、フランスにいる限り、売っているのはフランス産ばかり。だから単純かというと、そうではない!

カマンベールというチーズは、かなり紛らわしいチーズです。


カマンベールはノルマンディーのチーズ

カマンベールは牛のミルクから作られる白カビタイプのチーズ。フランスではノルマンディー地方で作られるチーズだと思っていたのですが、ノルマンディー以外の土地でもカマンベールが生産されているのだそうです。

ノルマンディー地方以外で有名なのは、ロレーヌ地方のヴォージュ県で作られる無殺菌の生乳から作るカマンベールのようでした。

☆ 色々なカマンベールの箱のデザインを入れているサイト: 
Camembert - Tout Un Frimage...
昔のデザインも入れているのかどうか分からないのですが、カマンベールのレッテルのページは34ページもありました。


でも、代表的なのはノルマンディーだとしましょう。フランスには地域圏(région)という行政区分があって、ノルマンディーは2つの地域圏に分かれているのですが、それは気にしないことにする。

バス・ノルマンディー地域圏の方にカマンベール村があって、その周辺地域で作られているチーズなんだろうと思うのが、カマンベール・チーズです。


Vimoutiers市の広場
牛の彫像と、カマンベールの製法を作ったと言われる女性Marie Harel(マリー・アレル)の銅像



カマンベールはAOCを持つチーズ

フランスには、農産物や農産加工物に関する品質保証マークがありますが、最高ランクは原産地統制呼称AOCAppellation d'Origine Contrôlée)。ワインやチーズにはAOCの保証がついているものが多いです。

AOCを持つ食品は、生産方法や製法などの厳しい規格をクリアーした製法でつくっているはずなので信頼できます。

カマンベールは、このAOCを持つチーズです。
ところが、AOCを持っていないカマンベールもあるので紛らわしいのです!

AOCを持っている名称を持っているチーズの場合、AOCで認められていようが、規格外でAOCのレッテルがなかろうが、同じチーズの名前を使っているというのは、カマンベール以外にあるのでしょうか? フランスのチーズの名称は400近くもあるそうなので、それを確かめるために検証してきる気にはなりません!


AOC = AOPになった

伝統的な製法が良いのだと考えるなら、AOCのマークが入っているカマンベールを探せば良いわけなのですが、このAOCマークは消えつつあるようです。

EU圏内でつくられた高品質チーズには、AOPマークをつけることが義務付けられました(2009年5月1日から)。

そのため、チーズをAOCマークの表示で見分けるというのができなくなってきているようです。AOCはAOPとして完全に統一されるのかもしれません。


AOPのマークAOC
Appellation d’Origine Contrôlée
原産地統制呼称

 フランスの品質保証
 

AOCのマークAOP
Appellation d’Origine Protégée
原産地保護呼称

欧州連合(EU)の品質保証




AOC/AOPを持つカマンベール

Camembert de Normandie」と表記されています。

ただの「カマンベール(Camembert)」ではなくて、「Camembert de Normandie」と表記されているので、AOC/AOPを持つカマンベールだろうと推測できます。

AOCカマンベールはlait cru(無殺菌生乳)を使用することを義務付けているのですが、このチーズのパッケージには「au lait cru」と書いてあるので、AOCチーズだろうとほぼ確信できます。

ところが、「Appellation d'origine(原産地呼称)」としか書いてありません。AOCの「C」になる「contrôlée(統制されている)」の文字がないので不安になります。

でも、EUの品質保証であるAOPのロゴマークがついています。
そうなれば、AOCを持つノルマンディーのカマンベールなのだと分かります。でも、紛らわしい!


AOC/AOPはないカマンベール

フランスのスーパーでは必ず売っていると感じるブランド。
工場で大量生産される安いカマンベールの代表の一つです。

「カマンベール(Camembert)」という文字よりも、商品名「Président」の方が目立つようになっていますね。

AOC/AOPの表示がないので、伝統的な製法では作られていないのだと分かります。

でも、よく知られたメーカーだし、カマンベール。フランス人でも、チーズの出費を抑えようとする人は、AOCでないことは気にしないで買うはず。




欧州連合圏内の品質保証マーク

イタリアを旅行したとき、「DOCG: Denominazione di Origine Controllata e Garantita」というマークを見て、ちょっと笑ってしまいました。フランスのAOC(原産地統制呼称)に比べると、「Garantita」の文字が余分に付いている。

フランス語に似ている単語なので意味が想像できるわけですが、イタリアでは統制しているだけではなく、「保証付き」とダメ押ししている。マガイモノが多い今日、このくらいダメ押しをした方が良いと思ったのでした!

EU品質保証マークの呼称は単純化されています。フランス語ではAOPなのですが、イタリア語ではDOP(Denominazione di origine protetta)となるようです。英語ではPDO(Protected Designation of Origin)らしい。

この欧州連合でのマークが何であるか知らないで見たら、「原産地はプロテクトされている」という意味にとれて、「勝手に名称をつかうなよ」という警告に見えてしまいまいませんか? つまり、ちゃんと規格にあった製造法をしている食品だ、という品質保証マークには見えないのですけれど...。

☆ フランス政府観光局サイト情報: AOCとAOPは高品質チーズの証


AOCカマンベールは生乳(無殺菌)を使う

カマンベールAOCでは生乳(無殺菌ミルク)を使うことを義務付けているのですが、殺菌しない牛乳でチーズを作るにはリスクがあります。

最近では、大手チーズメーカーが次々にAOC規格にそって生乳を使わないカマンベールを作りだしています。カマンベールの知名度は高いので、AOC付きにしなくても売れる、という方針なのでしょう。大手メーカーは、AOC規定から「生乳を使う」という項目を削除するようにも運動しているようです。

生乳(無殺菌乳)を使用することが義務づけられているAOCカマンベールは、殺菌したミルクを使うカマンベールに比べると、風味が強いのですが、それだけに熟成させすぎると強烈な匂いがするチーズになります。

生乳から作ったチーズが好きかどうかは、好みによるでしょうね。チーズが好きだと濃厚なチーズを好むと感じますが、淡白なチーズの方がさっぱりしていて好きな人もあるでしょう。となると、カマンベールもAOC付きでない方が好き、という人がいてもおかしくないとは思います。


分かりにくいと思っていたカマンベールは、4種類に分類できるのだそうです。
それを次回に書きます:
フランス産カマンベールには4種類ある

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コメント
この記事へのコメント
チーズにもAOCがあるなんて知りませんでした。でもチーズが語れるというのはすごい。食卓の話題が尽きませんね。
Presidentはよく買いましたよ。
2010/07/23 | URL | 豊栄のぼる  [ 編集 ]
v-22豊栄のぼるさんへ

>チーズにもAOCがあるなんて知りませんでした。
⇒ 不思議です...。AOCかどうかを一番気にするのは、私はチーズとワインなので...。

>Presidentはよく買いましたよ。
⇒ 臭いチーズは避ける方ではないでしょうか? 私はバカの一つ覚えみたいに、チーズの選択肢があるときには農家の小規模生産のものを選ぶ傾向にあります。
2010/07/24 | URL | Otium  [ 編集 ]
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