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2010/10/12

友人の家に泊った週末 その2


前回の日記に書いた友人の家では、夫妻が腕をふるって料理を作ってくれました。



これは2回目の食事の前菜。

ご主人が作った鴨のフォアグラ。

それに鴨のササミ肉の燻製(マグレ・フュメ)、サラダ、イチジクなどを添えて、きれいに盛りつけてありました。



左に写っているフォアグラが、やたらに小さくて滑稽なくらいですね。でも、小さなテリーヌを皆で分けたのだから仕方ない?...

ともかく、食前酒のおつまみで出す分量にも満たない前菜でありました。

フランス人が人を招待したときには、ともかくお腹をいっぱいにさせようとして、「これでもか!」というくらいのボリュームを用意するので、私には珍しくて、とても興味深かったです!

私にはちょうど良い分量でしたが、普通のフランス人だったら「お皿に何ものっていない」と表現する料理。メインの方は、おかわりの分もあったのですが、おかわりをする人がいない。これも奇妙...。でも、理由があったのでした。


スローモーションで動く夫婦

2泊の滞在で、朝食を除けば3回の食事をご馳走になったのですが、みんなこんな風に個別の皿に盛り付けていました。ごく親しい友達が集まっているのですから、普通に皆で取り分けるような出し方をしても良かったのに...。

上に写真を入れた前菜は冷たい状態を食べるので問題ないのですが、他の暖かいものを食べる必要がある料理は、みんな冷たくなってしまっていたのです。せっかく腕をふるって作ってくれたのに残念。

大人数が集まるときには、レストランのようにきれいに盛りつけるのは無理ではないかと思うのです。特に、ここのように夫妻そろってスローモーションのお家では!

普通、フランス人の家に食事に招待されて行くと、日本でお茶が出るように食前酒が出てくるのですが、この夫婦の家では食前酒にありつくまでに2時間くらいはかかります。遠くから来たとき、夏の暑い日などは、飲み物がさっと出てこないのは辛いのですけど...。

このときも、ブルゴーニュに隣接している地域なのですが、私たちは午前中に3時間、中継地点でお昼を食べて、その後にまた車で3時間かけて行きました。

他の人たちも遠くから時間をかけて来ているので、男性たちは「喉が渇いたな~」とか、色々にカマをかけるのですが、食前酒は出てこない! 通じていないはずはないと思うのですが、おしゃべりが弾んだり、台所に消えたりしてしまう...

お料理にも、やたらに時間がかかっていました。

フランス人たちは、感心するほど手際よくお料理作って出してくれるものなのです。50人以上集まるホームパーティーでは準備に時間がかかりしますが、今回のように10人程度の招待客だったら、手際が悪くて遅いということはないのですが、ここのお家は例外。

どうしてそんなに遅いの?! と、逆に感心してしまうほど。二人とも完璧主義だからなのかな?…

大きな骨付き牛肉のバーベキューに付けあわされたポテトのソテーなどは、冷たて、硬くなっていて、ほとんど食べられない状態でした。せっかくのご馳走のジロールという森のキノコも同様。

「ポテトのおかわりは?」と言われても、欲しがる人は誰もいませんでした。ごく親しい間柄だからなのか、一人は「冷たいポテトはおいしくないから」などと説明まで付けていました。


ワインセラーには800本のワインが眠る

このお家のご主人は、今は仕事でブルゴーニュを離れたけれど、ずっとブルゴーニュで暮らしてきた人です。大のワイン好き。

奥さんが全く飲まないのは悲劇でしょうが、愛は相手の欠点も許す。フランスの男性はたいてい女性に敷かれますが、奥さんを説き伏せることに成功したらしくて、地下にワインセラーを作りました。

一階部分は車2台がゆったりと入れるスペースのガレージなので、セラーもその大きさ。もっとも、階段部分が面積の4分の1くらいとってありましたが。

ところが、そこはブルゴーニュではないので、大工さんがセラーの作り方を知らなかったらしくて、換気穴を作るのを忘れてしまった。それに気がついたのは2階建の建物ができあがってから。地上に抜けるパイプに換気扇のようなものをとりつけていました。

換気扇くらいでセラーの状態が大丈夫なのかどうかは分からないのですが、温度はほぼ一定しているとのこと。1階部分からは、かなり地下に潜る位置にありました。

大工さんが作った棚は、とても立派でした。1つの仕切りの中に、2ケース分(24本)が入るのではないでしょうか?



床は、大工さんがコンクリートで固めようとしたのに反対して、砂利を敷いたそうです。でも、白木の枠がこんなに白いままというのは、湿気がたりないのではないかな?…

この棚は階段を挟んでコの字型になっていました。ワインが何本あるかは数えたことがないそうです。自分のワインセラーにワインが何本あるか数えたら千本だったという人が、「800本くらいじゃないかな」と言っていました。私もそのくらいではないかと感じました。


古酒マニアック?

4年間ワインセラーのない生活をしている間は、ブルゴーニュにあるご主人の実家のワインセラーにストックしているワインを入れてもらっていたのだそう。預けたワインをとりに行くのは面倒なので、古いワインがたくさんたまっているようでした。

もともと、この人はワインを寝かせておくのが好きな人です。友人たちが集まると、とっておきの古酒を出してくるのですが、熟成させたからと言っておいしいというわけではないのが常です。

完全に飲めない状態になっているか、せっかくの高級ワインがつまらないワインになっているか、そのどちらかのケースが大半。

そういうときに彼が言うセリフ。
「心配しないで。救助ワインがあるから」
本当に、いつも代わりのワインを用意しているのです。

友達仲間では、この「救助ワイン」という変な言葉が受けてしまって、古いワインを出してきたときに、「先に救助ワインを出してくれ」などと言ったりするほどになりました。

最近のワインは、昔からの常識通りに長く寝かせていると味が落ちてしまうものが多くなりました。20年以上前だと、ブルゴーニュの最低ランクのワインでも10年くらい寝かせておくと驚くほどおいしくなったりもしたのですが、そういうのは本当に例外になりました。

よほどの高級ワインか、こだわりの農家が作っているワインでもないと、セラーに寝かせていてもワインがうまく熟成しない。信じられないくらい早く飲み時を通り越してしまったりされます。長く寝かせて熟成したいワインでも、5年くらいたったら飲みごろをすぎないかどうかチェックをするように注意しています。

地球の温暖化のせいなのか? ワインを作る方法が近代的になったせいなのか?… 謎です!

このときも、素晴らしい銘柄のブルゴーニュワインを色々出してくれたのですが、みんな寝かせ過ぎ。

飲みどきを過ぎてしまったワインというのは、まだ飲むのには早すぎるというのよりタチが悪いと思うのです。

熟成がたりないワインを何とかする方法はありますが、飲みどきを過ぎてしまったのはどうしようもないからです。

ちなみに私は、まだ若すぎるワインを瞬時に熟成させてしまう魔法の鍵「クレ・デュ・ヴァン(ワインの鍵の意味)」の、右に入れたタイプのものをハンドバックに入れて持ち歩いています。

この鍵をワインに1秒浸すと、1年熟成した状態になるというアイディア商品。

質の高いワインほどよく反応するので、上質のワインを出されたときに実験するのも楽しいです。



高級ワインを次々に出してくれたのですが、おいしいと褒める人はゼロでした。集まった中でワインが好きなのはみんなブルゴーニュに住んでいる人たちだったので、ワインにはうるさいのです。

いつも皆から貶されたら傷つくはずなのに、どうしてあんなにワインを熟成させたがるのだろう? 飲めなくなったワインは捨てるわけで、もったいなくもある。古酒が好きというより、ワインを長年寝かせておきたいという欲求を持ってしまう偏執症とかのレベルじゃないかとさえ思ってしまいます…。



ただし、数々だされたワインの中で、「これを味わわせてもらった良かった」と喜ぶワインが1つありました。

なんと、「安いけど、おいしくない」とばかり思っていたラングドック・ルシヨン地方でつくられたワイン!

それが何だったかを次の日記にメモします。
続く


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コメント
この記事へのコメント
こんなワインセラー作りたいですね!

ところで・・・
ワインセラーって換気が必要なんでしょうか?
2010/10/12 | URL | albifrons  [ 編集 ]
v-22albifronsさんへ

>こんなワインセラー作りたいですね!
⇒ そうですか? 私は昔の石を積んだ家の、天井がアーチ型の、本物のワインセラーを見慣れているので、大金をかけてコンクリートで固めたセラーを作る価値があるのかな?... などと思ってしまうのですけど...。

>ワインセラーって換気が必要なんでしょうか?
⇒ 昔に作られた地下のワインセラーには通気口があると思います。一般家屋の地下に作られたセラーのような小規模の場合、理想的なのは北と南に1つずつ小さな穴があいている形のように思います。

地下で土に埋まったセラーなので、湿気がたまならいように空気の流れが少しあるようにするようです。ワインは生きているので、密室のセラーは健康的ではないのでワインによくない、と友人たちは言っていました。
2010/10/12 | URL | Otium  [ 編集 ]
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