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2010/10/17

秋の味覚 その3



観光地なのでレストランがたくさんある村で昼食を食べることにして行ってみると、見たことがなかったと思うレストランができていました。

店の前に出ているメニューを眺めてみると、セットメニューはお手頃価格で、色々チョイスがあります。でも、料理の選び方によって追加料金がかかるようになっていたので、けっこう高くなる感じもあります。

結局、行ったことがあって、おいしいと知っている別のレストランで食べることにしました。

パリの高級レストランであるジョルジュサンクでシェフをしていた人が開いた小さな店です。最近のフランスで美味しいと感じるのは、ここのようにご主人が料理をし、奥さんがお給仕をするという小さなレストランが多くなった感じがします。

公認会計士をしている友人によると、従業員を雇っていると経費がかさみすぎるので、夫婦二人でやるのが一番収益があがる方法なのだそう。3つ星クラスのレストランで、客が10人もいないのに従業員が40人近く働いているのを見ると、確かに採算が合わないだろうな、と思います。

この日に昼食をとったレストランでも、土曜日のランチというのにお客は10人くらいでした。最近は不況。何を節約するかといったら外食。しかも、飲酒運転が厳しくなったので客は余り酒を飲まない。レストランの経営は厳しいでしょうね…。


トリュフにするか、セップにするか?

店に入って席に座わり、メニューを選んでいると、シェフが「キノコのおいしいのがある」と言って、それを持ってきて見せてくれました。

まず、きれいに下ごしらえしたセップ。イタリアではポルチーニと呼ぶ森のキノコです。

根のあたりがきれいにそがれています。プロはこんな風にセップの足を整えるのかと感心したのですが、さっと見せてくれたので写真をとりそこないました。

セップは見せてくれる価値があります。おいしいのは、まだ傘が開かない状態の小さなキノコですので。



次に持ってきて見せてくれたのはブルゴーニュ産のトリュフ。保存しながら卵に香りを移すように、容器に入れてあったのですが、蓋をあけて匂いをかがせてくれました。

ブルゴーニュのトリュフはペリゴール産のように匂いが強くないはずなのですが、ぷ~んと良い香りがしました。こちらも、プロが選ぶと質の良いのを選ぶのだな、と感心。

セットメニューを食べようと思ってレストランに入ったのですが、アラカルトでキノコ料理を食べたくなりました。

サービスが良いと客は散財する気になる。商売はそうやってするものだと思うのですが、フランスのレストランって、信じられないくらいに感じが悪いところも多いのです!


テーブルの上には、トリュフ料理2皿が書いてあります。

トリュフと、トリュフ料理の価格

前菜のサラダで30ユーロ、卵料理で40ユーロ。両方とも難しい料理というわけではないので、材料費だけで高いのだろうな…。それにしても、少し前に行ったイタリアンレストランでは、1皿分の値段で前菜とメインを食べられてしまっていたのにな… などとケチなことを考える...。

セップの料理は39ユーロで、トリュフと変わりません。迷う…。

シェフは「そろそろセップは終わるので、近いうちにメニューからセップの料理を外す」と言っていました。それなら、セップを食べよう、と決めました。

セップの料理

さすが、良いセップが選ばれていたので、とてもおいしかったです。

食べそこなったトリュフの卵料理「Brouillade aux truffes」の方は、トリュフの香りをしみ込ませた卵とトリュフを使うのですが、作り方を見せるビデオがあったのでリンクを入れておきます:
Jérôme Ryon, Chef des Cuisines de l'Hôtel de la Cité
日本のテレビ局の撮影風景ですね。


贅沢なブドウ収穫?

食事していると、レストランが用意した料理を引き取りに来たらしい人が入ってきて、大きなテリーヌの容器を2つ持って出ていきました。

このレストランではケータリングのサービスもしているのかと聞いてみると、近所の人がブドウ収穫のときに食べる料理として持っていったのだと言います。

ほお、ブドウの収穫が終わったときのご馳走かと思ったら(そういう時期だったので)、普通のときの食事なのだそう。


こんな高級レストランで作らせた料理をブドウ収穫の季節労働者に食べさせてしまうなんて、すごい!

でも、マダムが語るには、小さなブドウ畑を持っていて、ほとんど趣味でワインを作っているお家なのだそう。

知り合いのお家なので、テリーヌの材料は持ち込んで、シェフに手伝ってもらって作ったそうです。材料は持ち込んだということなら、おそらくジビエでしょうね。
日本で市販されているジビエを検索

ここはブルゴーニュの中では大したワインができる地域ではないのですが、趣味でワインが作れるなんていいな…。しかも、おいしいテリーヌなんか食べてお祭り気分なんでしょう?!


面白い苗字のドメーヌ

ちなみに、このときに飲んだワイン:

ムルソー

良いレストランは良いワインを選んでいるので、おいしくて当然という感じなのですが、これはちょっとおもしろいので写真にとりました。

ブルゴーニュでも人気が高いムルソーの白ワインなのですが、ドメーヌの名前がParigotというのが面白かったのです。

Parigot(パリゴー)とは、話し言葉でパリジャンを意味するのです。でも語尾がotで終わっている名前は、ブルゴーニュの典型的な苗字でもあります。




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コメント
この記事へのコメント
ぱっと写真をみたときなんで卵と一緒にプルーンを?と思ったらトリュフだったんですね(あぁ貧乏人の発想)…あこがれのセップ様がお皿にこんなにたくさん(日本だとおまけ程度の盛り方)…高級レストランに材料持ち込みで作ったテリーヌを食べるぶどうの収穫…ぜいたくすぎてクラクラします。
ブルゴーニュでParigotパリジャンとはおもしろいですね。-gotで終わる名字の人は元をただせばブルゴーニュ出身の人が多いのかしら。ブルターニュだとLe-ではじまる人が多いですね。Le Penとか(あんまり感じのいい例ではありませんね…笑)。
2010/10/18 | URL | ぶるとんぬ  [ 編集 ]
v-22ぶるとんぬさんへ

>卵と一緒にプルーンを?と思ったらトリュフだったんですね
⇒ 写真を見直してみたら、本当にプルーンに見えますね♪ ドライプルーンの香りをつけたスクランブルエッグも面白いかもしれない!

>あこがれのセップ様がお皿にこんなにたくさん(日本だとおまけ程度の盛り方)…
⇒ 野生のキノコは、たくさん見つかるときもあるので、高級品にされるのは私は不満なのですけど...。この秋はキノコがあまり生えなかったようで、キノコ採り名人もお裾わけを持ってきてくれませんでした...。

結婚披露宴の席に置いてあるメニューに「モリーニュ添え」と書かれていたことがあったとき、morillesと複数で書かれているのに、肉にのっているのは1個だけ。隣にいた友人が、「morilleと単数で表記しなきゃいけない!」と文句を言っていたのを思い出します。日本語だと、その差をつけなくて良いので便利!

>gotで終わる名字の人は元をただせばブルゴーニュ出身の人が多いのかしら。
⇒ 語尾は ot です。一度、ブルゴーニュの高級ワイン産地を車で走っていたとき、左右に見えるワイナリーの看板に気をつけてみたことがあります。otで終わる名前はかなり多かったです。

最近は人の移動が激しいので、昔ながらの名前が地元に残っている割合は低いようですが(県別に苗字が多い順のランキングを出すサイトがあるので確認したことがあります)、ワイン農家は昔から続いているケースが多いので、そうなっているのだろうと思いました。

>ブルターニュだとLe-ではじまる人が多いですね。
⇒ 私の知っている人を思い浮かべたら、やはり、真っ先にLeがついた人の名が浮かびました。

「otで終わる名前はブルゴーニュ」というのはブルゴーニュの人くらいしか意識していないでしょうが、Leの方はフランス人なら誰でもブルターニュ人だと思うでしょうね。他の地方でも、独特の典型的な苗字があるのかしら?... ファーストネームの方は、地方独特のがかなりあるようですが。
2010/10/18 | URL | Otium  [ 編集 ]
今年の秋は私もずいぶんキノコを採りました。ちょっと前まで、自宅の裏の森の中をひとめぐりすれば、両手に余るほどどっさり採れたのですが、さすがに氷点下の朝を迎えるようになって、キノコの季節も終わりです。
地元で「ジコボウ」と呼ばれるキノコなのですが、肉厚でバターのような香りがします。

話は変わりますが、夫の従兄はカメラマンです。
NHKのドキュメンタリー「愛と胃袋」(なんてタイトリでしょ)撮影のため4カ月ほどヨーロッパに行っていました。イタリアはピエモンテから始まって、ブルターニュ編が終わり今日はスペインのバスクです。
ブルゴーニュがないのが残念!!
ブルゴーニュの白、私はサン・ロマンが好きです♪
2010/10/18 | URL | aosta  [ 編集 ]
セップてんこ盛りの皿を始めて見ました。すごいですね、食べて見たいですね。確かに39ユーロは高いですが、セップはこの季節しか食べられませんからね。
2010/10/19 | URL | 豊栄のぼる  [ 編集 ]
v-22aostaさんへ

aostaさんがお住まいの地方はキノコの宝庫でしょうね。お家に近いところで見つかるとは素晴らしいです。それに選び方もよくご存じのはず。羨ましいです! それでも、もうキノコは終わりのシーズンですか。

「ジコボウ」とは知らなかったので画像を検索してみました。これを見つけても、食用かどうかを私は見分けられないです。こんな感じのキノコはフランスにも生えているような...。キノコに精通した友達とキノコ狩りに行くと、私たちはほんの少ししか採れないときでも、この人のカゴはキノコでいっぱいになっています。ジコボウは「肉厚でバターのような香り」と聞くと、セップに近い感じのキノコなのかなと思いました。

>夫の従兄はカメラマンです。
⇒ 普通では行けないところにも行けるのでしょうから、羨ましいなと思っている職業です。ドキュメンタリー「愛と胃袋」で食道楽のブルゴーニュを抜かすのが手落ちに見えたのですが、NHKは3年前の秋にハイビジョン番組でブルゴーニュの田舎特集をしたので(情報提供の依頼を受けて少しお手伝いしたお礼に全部の番組を収録したCDをいただいたので見ました)、ブルゴーニュは飛ばしたのではないかと思います。

>ブルゴーニュの白、私はサン・ロマンが好きです♪
⇒ サン・ロマンは私も好きなワインです♪ 当たり外れが少ない銘柄のように感じるので、レストランでリストにのっていると選ぶことがよくあります。
2010/10/19 | URL | Otium  [ 編集 ]
v-22豊栄のぼるさんへ

>セップてんこ盛りの皿を始めて見ました。
⇒ セップをたくさんもらわれたご経験はなかったですか? ブルターニュでは余り採れないのかな?...

私がセップで一番驚いたのは、イタリアでした。Tarotという川の名前が面白くて(占いのタロットではなくて、トランプのタロを連想した)立ち寄った渓谷。そこにあったレストランに入ったら、食べたいと思う料理がないので迷っていたら、肉料理の中にポルチーニの名がありました。

キノコが肉料理のはずはないのでご主人に聞いたら、朝たくさんセップをとったと言って大きなカゴを持ってきて見せてくれました。上にのっているシダをのぞくと、セップがどっさり! 夏なら渓谷の涼しさを求めて来る人が多いでしょうが、こんな時期には辺鄙なところに人が来ないはずなので、セップを奮発してくれるだろうと踏んで、迷わずそれを注文しました。

3通りに調理されていて、フランスでよくやるフリカッセ(この日記こで入れた写真の料理)のほかに、アルミホイル焼きなどがありました。本当に肉料理の代わりに食べられるボリューム♪ これは忘れられない思い出です。
2010/10/19 | URL | Otium  [ 編集 ]
> morillesと複数で書かれているのに、肉にのっているのは1個だけ。隣にいた友人が、「morilleと単数で表記しなきゃいけない!」と文句を言っていたのを思い出します。日本語だと、その差をつけなくて良いので便利!

これ笑ってしまいました!確かにそうですね^^日本語って数があいまいにできて便利ですね。

> 他の地方でも、独特の典型的な苗字があるのかしら?...

なんとなく国境近くだとお隣の国っぽい名字が多そうですよね。あとブルゴーニュのようにワインで有名な地方だとブドウやワイン造り関連の名字が多そうな気がしますがどうでしょうか…

2010/10/20 | URL | ぶるとんぬ  [ 編集 ]
v-22ぶるとんぬさんへ

>なんとなく国境近くだとお隣の国っぽい名字が多そうですよね。
⇒ なるほど! アルザスの人の名前も、何となくアルザスだと分かりますね。バスクには縁がないので思い浮かびませんが、ここも大いにありそう...。

>ブルゴーニュのようにワインで有名な地方だとブドウやワイン造り関連の名字が多そうな気がしますがどうでしょうか…
⇒ 人の名前では思い浮かばないのですが、村の名前ではありますね。ブドウの品種として知られているシャルドネー、ガメ。その品種ができた村の名前が品種名になったのですけど。

ワインづくりをしている人は兄弟や親戚も作っていることが多いので、村にワインを買いに行くと同じ苗字の標識がたくさんあります。ちゃんとファーストネームを知っていないと、お目当てのところに行けないというのはよくあります。

ところで、ワインづくりの守護聖人はSaint Vincentなので、ワイン農家の跡取り息子の名前はみんなヴァンサンにすれば良いのにと思うのですが、そんなことには全くこだわっていないように見えます。

フランスの名前で最も感心したのは、Poubelleでした。ベルと付いているのでゴミ箱に相応しい命名だと思っていたのですが、なんのことはない! Poubelleという名の県知事さんが道路美化のためにゴミ回収を定めたことに由来しているのだとか。でも、プーベル氏のご子孫たちは、子どものときにクラスメートからからかわれるような名前ですからお気の毒!...
2010/10/20 | URL | Otium  [ 編集 ]
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