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2010/11/12

シリーズ記事【機能的非識字を考える(目次】 その3
フランスでは、文章を読めない人のための配慮が欠けている  (1)


母国語を読むときは斜め読みもできます。アルファベットで書かれた無味乾燥な文章でも、ちゃんと言語を理解している人は単語の区切りを見て、ひと目で漢字を形で読みとるように把握できるらしい。

フランスでも、小さな子どもが本を読むときには、アルファベットを拾いながらトツトツ読んでいます。私も、よほど親しんでいる単語でない限りは、そうする必要があります。

それで、フランスにはに日常生活で目に触れる文章が理解できなくて困っている人たちが大勢いる(人口の12%)と聞いて、気になってしまいました。

フランス政府は機能的非識字の問題を解消するように努力していますが、日本の政府は無視しているらしい。でも、日本では日常生活で目にする文章がしっかり分からなくてもすむような社会になっているのですよね。

フランスは全然そうではない! このテーマで日記を書き始めてから気が付きました。

どういうことかを説明させてください。


フランス語の文字は小さい

フランス人は目の構造が違うのかな?… と、昔から疑問に思っていました。

アルファベットは漢字のように複雑ではないので、文字を小さくしても問題がないのかもしれない。それにしても、フランスの印刷物に書かれている文字は小さいのです!

特に、インテリ向けの出版物がそう。

ル・モンドという新聞もそうだし、非常に美しいプレイヤード叢書も、日本では想像できないくらい活字が小さいです。ル・モンド紙は、ひと昔前までは写真が入っていない新聞だったのですが、さすがに今はカラー写真も少しは入っています。活字の方も、少しは大きくなったかもしれません。

インテリの人たちは本を読むことが多いので、普通の人より目が悪くなっている方が普通だと思うのですが、問題にはならないのでしょうか?...

どのくらい小さい文字化かの例として、フランスの国立科学研究センターのサイトをご覧ください:
CNRS - accueil
どのページでも良いのでクリックして記事を開いてみてください。画面に顔をひっつけて読まなければならない活字でしょう?!

インターネットを始めたころ(10数年前)、一番気になったのは、フランスのサイトは文字が小さくて読みにくいということでした。

写真画像が美しく見えるのに惹かれて買ってしまったPCは、液晶のドット数の関係で、普通の機種より2割くらい表示される文字が小さくなってしまったので、非劇的な状態になりました。

私が使っているのは、ずっとWindows Internet Explorer。以前は、「表示」のところで「文字のサイズ」を大きくする必要がありました。

日本のサイトでは、文字の表示サイズを「最大」にでもすればバカバカしいくらい大きい文字になるのが普通なのに、フランスのサイトでは全く変化しないのが大半でした。

仕方がないので、しっかりと読みたいものはコピーしてワードに張り付けて、そこで文字のサイズを調整して読む、という方法をとっていました。

ホームページやブログを作ったことがない方のために説明しますと、表示の操作で文字が大きくならないサイトは、フォントのサイズを指定しているのが原因です。

フランス人は、自分が良いと思ったフォントのサイズを指定したがる傾向があるのでしょうね。押しつけがましい! と、私は怒っていました...。


アルファベットは小さくても読みにくくないの?

3都市のオフィシャルサイトのサイトを比較してみます。パリ市、それから、漢字が入る日本と中国。

パリ市のサイト:
フォントのサイズは固定されています。いつも大きい文字で見るのが好きだからと文字の表示を設定をしておいても、全く無視されます。

東京都のサイト:
フォントの設定に従ってくれます。さらに、画面の上の部分には、簡単に文字のサイズを変更できるボタンまでつけていてくれるというご親切ぶり! 日本のお役所のサイトでは、こういう配慮をしているサイトが多いと感じています。

北京市のサイト:
フォント・サイズは固定されていますが、東京都と同様に、文字を拡大できるボタンがついています。画面右上の「老年人」をクリックしてみたら、文字を拡大したり小さくしたりできるようになっていました。やはり、漢字は大きくして見る必要があるのでしょうね。

追記(2016年):
パリ市のサイトでは文字が大きくなり、拡大まで出来るようになりましたので、良い例ではなくなりました。3つのサイトの比較では、リヨン市のオフィシャルサイトへのリンクに変えておきます。

リヨン市のオフィシャルサイト
東京都のオフィシャルサイト
北京市のオフィシャルサイト



インターネットの文字の大きさは解消された

今では、画面を見ながら自由自在に文字の大きさを変えることができるようになりました。

Windows IE では、画面下にあるステータスバーで文字の大きさをパーセンテージで変更できます。それよりも簡単なのは、Ctrlキーを押しながらマウス中央のスクロールボタンを回して大きさの変更をすること。

ですので、フォントの大きさを固定されていても問題はなくなりました。Firefoxも同様の操作で画面表示を変えることができるので、他のブラウザでもできるのだろうと思います。

さらに、目が不自由な人のために、パソコンの表示を完全に変えてしまう設定もできるようになりました。でも、これは無理に表示を大きくするので、画像は荒くなり、美しくありません。よほど視力に障害がない限りは使う気にならないと思います。


フランスでは、文字が小さくて読みにくいというだけではなくて、日本のように書いてあることが理解できない人のための配慮が全くないな、と思ってしまうことがあります。


追記:
フランス以外のアルファベットを使う国でも、やはり活字が小さいでしょうか? 教えてくださったら感謝します!


続く


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コメント
この記事へのコメント
同感です
はじめまして。
マリカと申します。

わたしは東京在住で、以前アメリカの会社で少し働いたことがありますが
文字のサイズについて全く同じ感想を抱いたことがあります。

普通にエクセルで仕事をしていても
英語と数字だけの膨大な量のデータは
PC画面いっぱいになにやら模様が描かれたようになっていて
とても意味のある文章には見えませんでした。
慣れるまでは、ほんとに読みづらくてたいへんでした。

欧州系の言語のような表音文字は、小さくても大丈夫なのかしら?
謎です。



2010/11/24 | URL | marika  [ 編集 ]
Re: 同感です
v-22marikaさんへ

>英語と数字だけの膨大な量のデータは
PC画面いっぱいになにやら模様が描かれたようになっていて
とても意味のある文章には見えませんでした。

⇒ そうおっしゃってくださると、ほっとします♪

日本語を勉強する外国人は大変なのでしょうけれど、私たちが日本語で書かれたものを見るときは漢字が目に飛び込んできて、それだけでどんなことがテーマになっているか把握できるので便利ですよね。

>欧州系の言語のような表音文字は、小さくても大丈夫なのかしら?
謎です。

⇒ 不思議ですよね。メガネの度数も、小さい字を読むのに適しているように調整しているのかな... と思ってしまっています。
2010/11/24 | URL | Otium  [ 編集 ]
こちらにもお邪魔です。 
ずっと上から拝見して来て、まさに百聞は一見にしかず、のままの自分のブログなのですが・・、それはともかく、こちらでもサイトの文字は例に引かれていたサイトと同じ様なのが殆どですね。
そして字の大きさはともかく、とにかくびっしりとページ幅いっぱいに書いてある、これが本当に読みにくいです。 ましてPCの画面上では、途中で目が行を移ったりします!
自分の意見を書くだけで、読む側の事を考えないのかな、とも思うのですが。
なので、自分が読みたそうな記事の場合はコピーをして、ワード文書に移して読みます。 これだと分からない単語の意味も書き込めますし。

そうそう、それと日本のPCの説明書は、便利で分かりやすい事もありますが、(そうです、イタリアのPCも持っているのですが、説明書は紙切れでした!) まるで子供扱いだなぁとも! なんとなしに、国鉄の駅のホームのアナウンスにも似ているし、慇懃無礼な印象もありませんか?
とか、時に日本のTV番組のDVDを送って貰ったりすると、まるで話し方がゆっくり、嘘加減、丁寧過ぎ、はしゃぎ過ぎ、そして、イタリアはこういう風に田舎の家族が皆揃って幸せで、と彼らのシナリオに沿って話を作っているように感じます。 
イタリアの現状を少しでも知っていると、そんなユートピアみたいな作り話は無いよ、と言いたくなりますが・・!!

2010/11/24 | URL | shinkai  [ 編集 ]
v-22shinkaiさんへ

>こちらでもサイトの文字は例に引かれていたサイトと同じ様なのが殆どですね。
⇒ ああ、やっぱりイタリアでもそうなのですか。

>自分の意見を書くだけで、読む側の事を考えないのかな、とも思うのですが。
⇒ それもあるのではないかと思っていました。しゃべっている人にも、その傾向があります。「私だって言いたいことがあるのだけど」と割り込むのには苦労しますので!

>日本のPCの説明書は、便利で分かりやすい事もありますが、まるで子供扱いだなぁとも!
⇒ そうですね。説明が細部に渡っているのは良いのですが、ここまで注意を入れなくても... というのは多々ありますね。日本では何事でも人を子ども扱いして許されるらしいし、「お客様は神様」の国なのでクレームを先取りして回避したいのだろうな...。

>日本のTV番組のDVDを送って貰ったりすると、まるで話し方がゆっくり、嘘加減、丁寧過ぎ、はしゃぎ過ぎ、そして、イタリアはこういう風に田舎の家族が皆揃って幸せで、と彼らのシナリオに沿って話を作っているように感じます。
⇒ これも同感。実際の姿を知っていることが出てくる番組を見ると、「なに? これ?!」というのが多いですよね。

日本ではシナリオを先に作って、それに合わせて構成するというパターンが多いのではないでしょうか? 二十歳になったときに放送局に呼ばれてインタビューを受けたのですが、用意されていたシナリオに合わせて発言させられたので、番組はこういう風に作られるのだと知りました。未だに不愉快な思い出として残っています。当時の私はおとなしくて、今のようにへそ曲がりなことは言えなかったので!

もっともらしい人が言ったことは素直に受け入れらる日本(驚くほど信じる!)。どんな方向で報道をしても許される国なんだ、と感じています。フランスでは一人ひとりが全く別の意見を持って批判する国なので。
2010/11/25 | URL | Otium  [ 編集 ]
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