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2010/11/19

シリーズ記事【フランスで牛タンを食べる(目次】 その2


牛タンを食べたいと思ったものの、料理の仕方が分からない。それで、フランスの友人たちに「牛タン、食べたいな…」とカマをかけていたのですが、「なんでそんなもの食べたいの?!」という反応ばかりが返ってきていました。

牛タン料理は、フランスでは安く大量にできるのがとりえの、超庶民的な料理のなのだそうです。

「学校給食でよくでてきた」とか、「ブドウの収穫を手伝ったとき、農家が季節労働者たちに出す料理の定番の一つだった」とか言われました。

それで、私がフランスで牛タン料理を食べたことがないという謎が解けました。友人の家に招待されたときに出してこないのも、そんな料理をお客様に出せない、ということだったのでしょう。

それに、私はボリュームが勝負の料理は敬遠するので、そういう料理が出るレストランに入ることがないから出くわさなかったらしい。トラックの運転手さんたちが常連の、安くて美味しい料理を出すレストランだったら、今でも牛タン料理が人気メニューになっているのではないでしょうか?

もしかしたら、大学の学食で食べていたのかもしれないけれど、調理法が違うので牛タンだと分からなかった可能性もあります。


フランスの牛タン料理の定番とは

しつこく「わたし、牛タン、食べたいな~」と繰り返していたら、やっと、私のために牛タン料理を作ってくれた友達がいました♪ ありがとう~!

フランスで一番ポピュラーな牛タン料理は「langue de bœuf sauce piquante(牛タンのピカント・ソース煮)」なのだそうです。
それを作ってくれることになりました。

私が牛タン料理でイメージしていたのは、日本でレストランに入ったとき、ほんのちょっとしか食べさせてくれない牛タンの薄切りステーキ(右に入れた写真のようなもの)。

肉とは思えない歯ごたえが記憶に残っています。



ピカント・ソース(ピリピリするソース)なんかだと、美味しくないのではないかとは思ったのですが、人が作ってくれるのに文句は言えない!

そういえば、日本にもタンシチューというのがあったっけ と思いだして、フランスの牛タン定番料理を作ってもらうことにしました。



友人が作った牛タンのピカント・ソース煮

友人がインターネットでレシピを探して作ってくれた料理は、素晴らしく美味しいものに仕上がっていました。

鍋で仕上がった段階:


白ワインをたっぷり使った煮込み料理です。それに、エシャロット、ピクルスなどを入れたソースで牛タンを煮込むというものでした。

昔のレシピだと、ソースに小麦粉を入れてぼってりとさせるものなのだそうですが、そうすると胃に重くなる。それで、小麦粉は入れずに、あっさりとしてソースにしたとのことでした。

皿に取り分けたところ:

付け合わせはジャガイモのピューレでした。

Langue de boeuf sauce piquanteという料理名を聞いたとき、「piquant(ピカント)」のソースはピリピリ辛いソースかと思ったのですが、インド料理のようなものとは全く違いました。ピクルスでアクセントをつけているというだけで、辛さが邪魔になるような刺激があるソースではありませんでした。


3つ星シェフのレシピで作った牛タンのピカント・ソース煮

それから間もないときに入ったレストランでは、日替わりランチに、友人が作ってくれたのと同じ「牛タンのピカント・ソース煮」のチョイスがありました。

ここは、ミシュランの3つ星を持つシェフが経営しているビストロ。友人が作ってくれた料理もおいしかったのですが、もっと素晴らしいのが出てくるかもしれない! 迷わず、これを注文しました。

ところが…



全然おいしくない! 不味いとは言いませんが、友達が作った料理に比べたら、百分の1くらいに美味しくない!

お皿にのったところは、きれいなのは認めます。でも、「また食べたい」という料理ではありませんでした。

何がいけないか?:

1) ソースを裏ごししている。
友人が作ってくれた料理では、小さく切ったピクルスなどがソースに入っていて、それと一緒に肉を食べるところが牛タンの味を引き立てていたのでした。

2) 牛タンの皮をむかずに、そのまま輪切りにしている。
牛タンの料理をするときは、皮は除くのが鉄則だ、と友人は言っていました。このレストランでは、子牛のタンを使ったから皮が軟らかいのでそのままで良い、とシェフが考えたのかも知れません。
これをナイフで切り落として食べたら、味は格段に良くなりました。




結論:
牛タンのピカント・ソース煮は庶民的な料理である。一流シェフがお上品な見栄えの料理にするよりも、庶民的な調理法の方が、ずっと美味しい。

フランスで最高の牛タンのピカント・ソース煮を味わうには、田舎のお婆さんが作ってくれる機会を待ちたいと思いました。


追記:
このレストランで出されたのは豚のタンか、さもなければ羊のタンではないかというコメントをいただきました。とりあえず朝市に行ったときに豚のタンの大きさを見てみたので日記を入れました。羊のタンもフランスで売っているらしいのですが、それは見つけることができませんでした。

続く


レシピ:
☆ ビデオ: Viddler.com - langue_de_boeuf
Langue de boeuf sauce piquante
☆ Recettes pour tous: Recette Langue de boeuf sauce piquante


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コメント
この記事へのコメント
最後の写真ですが
豚タンに見えます・・・
もしくは羊??

少なくとも牛タンじゃないですね
2010/11/19 | URL | albifrons  [ 編集 ]
焼き肉文化
西洋は肉を食べるのに焼き肉文化がないですからね。
私は会社勤めをしていた時に、フランスやオーストラリアからお客さん(昔の部下)が来たときは、焼き肉屋に連れていくことにしていました。喜びますよ。そこで牛タンや内臓ものを食べさせると感激しますね彼らは。
2010/11/19 | URL | 豊栄のぼる  [ 編集 ]
v-22albifronsさんへ

>最後の写真ですが
豚タンに見えます・・・
もしくは羊??

少なくとも牛タンじゃないですね


実は今朝、albifronsさんのコメントを拝見して、お返事をしないまま朝市に出かけました。それで、売られているタンを眺めてみることにしました。

「子牛のタンは、小豚のタンと同じくらいに小型だ」と言うフランス人がいたのです。臓物専門の肉屋さんに行ってみたら、子牛のタンだけが売られていて、かなり大きい。長さが短いだけで、直径はほとんど大人の牛の舌に近い。なので、レストランで出たものが子牛のタンだったというのは、大いにハテナマーク!

その店の前には、おばあちゃまが二人いて、ブッフの舌を買いたかったのに、子牛(ヴォー)の舌だとどうなのかしら?... と話していました。この人が買う順番になったら、店の人に聞いて解答が出てくるはずだとは思ったのですが、私は買い物もしないのにボーっと順番を待つの気にもならなくて立ち去ったので、違いは学べませんでした。

肉の加工食品を作って売っているお気に入りの店に行ったら、豚のタンを調理したものがありました。レストランで出たものが豚のタンだとしたら納得する大きさでした。店の人に「豚のタンは、牛のよりずっと小さいのですね」と言ったら、「豚は牛のようにおしゃべりではないから舌が小さいんですよ」などと言われてしまいました! 「隣の肉屋さんで生の牛タンを売っているから見てごらん」と言われたので眺めたら、やはり比較にならないくらい大きさが違いました。

牛のタンも舌先だけ使ったら、このレストランのような輪切りができるとは思いましたが、舌先だけ仕入れることができるのは信じがたい。

というわけで、albifronsさんがおっしゃる通りなのだろうと思いました。フランスではタンの料理といえば牛タンなので、豚タンより牛タンの方が珍重されているはず。とすると、レストランの料理に満足できなかったことにも納得できます。

実は、このレストランは、この町に行ったときには「ここで食事する!」と決めていたところなのですが、少し前に料理の質が下がったと感じて、最近は「他のレストランで食べられないときに行く」ということにしていました。さすが3つ星レストラン系なのでお給仕は素晴らしいし、古巣に戻ったように挨拶してくれるのは、全く行かないことにするのは惜しいので。

でも、牛タン料理と表示していながら豚タンを出すとしたら、もうバツ印をつけます!! お給仕の人に聞いてみなかったのが残念。私はソースのせいで美味しくないのだとばかり思っていたので、形について聞いてみることを思いつかなかったのでした。

ところで、羊のタンなるものも存在するとは知らなかったのですが、フランスのインターネットで検索したら、ちゃんと出てきました。

それにしても、いつも思ってしまうことなのですが、albifronsさんは、どうしてそんなに博識なのでしょう?!... このたび教えてくださったことにも感謝です!♪
2010/11/19 | URL | Otium  [ 編集 ]
Re: 焼き肉文化
v-22豊栄のぼるさんへ

>西洋は肉を食べるのに焼き肉文化がないですからね。
⇒ 鉄板焼きか、焼き鳥のような料理のことですね? 夏にフランス人家庭の食事に招待されるとバーベキューが多くて、「また?!」とうんざりしてしまう私です。大量につくれて便利ですが、バーベキューだと出されたときには冷めてしまうので、美味しいと喜ぶことがめったにありません。

フランス人が家で鉄板焼きをしないのは、油で家が汚れるのを嫌うからだろうと思っています。フライでも、蓋がぴったりしまる電気鍋を使いますので。私がフランスで買った電気のクレープ焼き器は、上に鉄板がついていて、それで鉄板焼ができるシステムになっているのですが(テッパンヤキと書いてあったように思う)、この鉄板で肉を焼いたことはありません。フランスの友人の中に、ピラットとか呼ぶ鉄板焼き専用の電気製品(石焼き風になっている)を買った家があるのですが、始めは家の中でやったことがあるものの、その後は庭で食事するときしか使わなくなりました。

>私は会社勤めをしていた時に、フランスやオーストラリアからお客さん(昔の部下)が来たときは、焼き肉屋に連れていくことにしていました。喜びますよ。
⇒ 鉄板焼きはフランス人に大人気だと感じています。もう20年近く前、今のように日本食ブームになる前、フランスのレストランのオーナーが日本式鉄板焼きのことをどこかで知ったらしく(アメリカで成功したベニハナを知ったのだと思います)、どうやったら調理道具や調理人を見つけることができるだろうかと相談されたことがありました。

日本の鉄板焼きは、換気もよくて、鉄板も厚くて、素晴らしいシステムだと思います。私が一番美味しいと思った鉄板焼きは、フランスの友人が日本に来たとき、定宿にしているホテルに入っているレストランでアワビの鉄板焼きなどをご馳走になったときでした。

日本に来たフランス人たちが焼き鳥を好むのも感じています。最近のフランスは日本食ブームで、その8割を占めると言われる中国系和食レストランでは、寿司、刺身、焼き鳥、鉄板焼き、キャベツの千切りサラダを定番にしているようです。私たちからすると酷い料理だと思うのですが、それでも本物を知らないフランス人たちは喜んで食べているのでショックです...。

>牛タンや内臓ものを食べさせると感激しますね彼らは。
⇒ 日本でフランス企業に勤めていたとき、フランス人の上司が「親しくなった肉屋さんがフランスでは高価な臓物をタダでくれるのだ」と喜んでいましたっけ!
2010/11/19 | URL | Otium  [ 編集 ]
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