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2010/11/20

フランス人が高級食材とするものに、ほたて貝があります。普通は赤身の部分は使わないので、よけいに食べる部分が少なくなってしまうために高級食材になるのです。

シーズンになったらしくて、魚屋さんに貝殻付きのものもたくさん並ぶようになりました。

圧倒的に多いのはノルマンディー産の帆立て貝。

一度お刺身にして食べたブルターニュ産のものは、甘みがあって素晴らしく美味しかったのが忘れられないのですが、なかなか売っているのにお目にかかれません。



私は日本ではめったに食べられないムール貝の方が珍しいのですが…。

ムール貝は、フランスではかなり安いのです。
ヨーロッパの海では育ちやすいのかな?…

「ほたて貝が好き」と言ったら食通に見えますが、「ムール貝が好き」と言ったら、たくさん食べるのが好きな庶民的趣味と見られるのではないでしょうか?



レストランで帆立て貝の料理を注文するときには疑ってかかる

フランス人にとっては、帆立貝はかなりのご馳走のようです。友人仲間に、レストランのメニューに帆立て貝があると、それを注文しないと気が済まないほど好きな人がいます。

私も、軽い前菜を選びたいときには帆立て貝の料理にすることがあります。高級品なので、もて余すほどのボリュームはないだろうと思うのが理由。

でも、帆立て貝の料理があるときは注意が必要です。特に、庶民的なレストランで、料理の値段が安いとき!

まず、安い冷凍物を使っている可能性があるのですが、それは避けたい。
第2に、帆立て貝でない貝が出てくる可能性があるのです。

ほたて貝は、フランス語では「coquille Saint-Jacquesコキーユ・サン・ジャック)」と呼びます。「聖ヤコブの貝」という意味。聖人ヤコブのシンボルが帆立て貝だからです。

ところが、レストランでは「コキーユ・サン・ジャック」の料理と書いてあっても、実は「ペトンクルpétoncle)」という貝が出てくることがあります。

両方とも良く似た貝なのですが、ペトンクルの方は小さいし、味は帆立て貝よりかなり落ちます。


ペトンクルという貝

先日行った朝市では、産地直送の生ガキ屋を売っている店で貝殻付きのペトンクルが売られていました。

pétoncle

私が写真をとっていたら、そばにいたマダムもペトンクルの貝殻付きは初めて見たとおっしゃっていました。私も、レストランで調理されたペトンクルが出てきたのしか見たことがないように思います。

普通の帆立て貝より小さいだけで、よく似ているのですね。
可愛らしくて、美味しそうに見えました。

レストランでペトンクルを食べておいしくないのは、ほたて貝より材料費を安くするのが第一の理由のはず。とすると、ああいうのは冷凍のペトンクルで、新鮮なものは美味しいのではないか、とも思いました。

でも、このペトンクルのお値段は帆立て貝と変わらないので、買うのはやめした。「やはり帆立て貝を買っておけば良かった」と後悔はしたくないので。

上に入れた写真では、ペトンクルが良く見えませんね。ちゃんとした画像がでてくるフランスのサイトをリンクしておきます。
Pétoncle

英語ではScallop、Bay Scallop(小型)、King Scallop(大型)と呼ぶ、と書いてあります。「日本のペトンクル」というのもあって、それの学名はPatinopecten yessoensisなのだそう。なんだか混乱してきます…。

ついでに、Wikipédiaにもリンク。
Pétoncle


ペトンクルの日本語名は?

仏和辞典をひくと、ペトンクルはタマキガイ(環貝)という訳語が出てきます。

ところが、日本のサイトで画像を探してみたら、ペトンクルはタマキガイに全く似ていないのです!
☆ 市場魚貝類図鑑: タマキガイ

英語の辞書はかなり充実していますが、それ以外の外国語を学ぶ日本人はかなり不幸です。日本の辞書はかなりお粗末ですから。

さらにインターネットで検索してみたら、ペトンクルはニシキガイのことだ、というのが見つかりました。

☆ 市場魚貝類図鑑: ニシキガイ
こちらの方がペトンクルの形に似てはいますが、同じではないように感じます...。




結局、ペトンクルが日本でも食べられているのかどうか、分かりませんでした…。日本でも食用にされている貝ではないかと思うのですけれど...。

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コメント
この記事へのコメント
ペトンクルの日本語について
初めまして、こんばんは。
最近こちらのサイトを知り、たのしく拝見させていただいています。

さて、『ペトンクル』の日本語についてですが、私も気になったので調べてしまいました。
その結果を以下に。

まず、仏語版 Wikipédia の最初に、
"Le terme pétoncle est de nos jours systématiquement utilisé pour désigner des bivalves pectinidés autres que les coquilles St-Jacques."
とあります。
Pectinidé とは(English を経由すると)『イタヤガイ科』のことだと分かりますから、
「ペトンクルとは、現代では、ホタテガイ以外のイタヤガイ科の総称である」
と言えると思われます。

また、日本語版 Wikipedia の『イタヤガイ科』を見ると、『ニシキガイ』があります。
つまり、
「ニシキガイは、ペトンクルの一種である」
と言えるのではないでしょうか。

なお、ニシキガイはフランス語では pecten のようですが、pectenページをみると、coquille St-Jaques は pecten の一種 pecten maximus とあります。
一方、ホタテガイは、pecten ではなく Mizuhopecten のようです。
つまり、フランスの coquille St-Jaques は、通常、帆立貝であると訳していますが、本当は「最大のイタヤガイ」なのかもしれません。

それから、タマキガイについてですが、これは日本語版Wikipediaで検索した結果、『フネガイ目』の『タマキガイ科 Glycymerididae』であるように思いました。
ここで、再び仏語版の Pétoncle のページを見ると、右の画像の下に、
"Glycymeris (au XIXe siècle)"
とあります。つまり、
「ペトンクルとは、19世紀には、タマキガイのことを指していた」
ということでしょう。

以上、長くなりましたが、ご参考まで。
2010/11/23 | URL | facet  [ 編集 ]
Re: ペトンクルの日本語について
v-22facetさんへ

詳しくお調べになった結果を教えてくださり、どうもありがとうございます!♪

学名から押していけば結果がでるだろうとは思いながら、ややっこしいので放棄してしまい、どなたかが教えてくださるのを期待してしまっておりました。

いただいた情報をまとめてみたのですが、こんな感じに理解すれば見えてきますね。

ペトンクル:
19世紀には、タマキガイ(Glycymeris)のことを指していた。
→ そのために仏和辞典ではタマキガイと訳しているのだとすると、納得できます。
現代では、ホタテガイ以外のイタヤガイ科の総称。
→ ペトンクルに対応する日本語名がないのも納得できますね。

>フランスの coquille St-Jaques は、通常、帆立貝であると訳していますが、本当は「最大のイタヤガイ」なのかもしれません。
⇒ 日記を書きながら、日本の帆立貝とcoquille St-Jaquesは違うのかもしれないな... と感じてはいたのですが、属が違うという分類にするとはっきりしますね。

名前を出した二枚貝を分類してみました。

●翼形亜綱 フネガイ目 タマキガイ科:
タマキガイ

●翼形亜綱 イタヤガイ亜目 イタヤガイ科:
・Mizuhopecten属: 帆立貝
・Pecten属: coquille St-Jaques、イタヤガイ、ニシキガイ(pecten)

帆立貝に似た貝は日本にも色々あるのに、それを日本では全て「帆立貝」と呼んでいるではないかという気もしました。

すっきりしました。どうもありがとうございます!
2010/11/23 | URL | Otium  [ 編集 ]
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