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2010/11/23
厳しい寒さがやって来たようで、これから本格的に気温が下がるようです。

天気予報では「氷点下になる」と言っていますが、こちらでは最低気温が氷点下になった程度の日はすでにありました。全国天気予報だったので、パリを基準にして言っているのでしょうね。

テレビでは、連日、ホームレスの人たちを救済する活動の映像が出てきます。フランスの寒さは厳しいのです。野外生活をしていたら凍死しないほうがおかしいくらいに気温が下がります。

可愛そうな人がいるのは都会。特に凄まじいのはパリ。近々パリに行くのですが、路上生活者を見るのは辛いな… などと思っていたところでした。

 
昨年の冬に行ったパリの写真:
死んでいるのかと驚いたのですが、地下鉄の排気口で暖をとっていたのでした。
しかも、なぜか警察署の前の路上...。



ブルジョワの町ディジョンで聞いた冷たい言葉

先日、デイジョン市の朝市に行ったときのこと。ディジョンはブルジョワ的な町だと言われるのですが、それを思い出した出来事がありました。

「フランス人は洗練されたファッションの国」と日本でいわれるイメージに合った人を見つけようと思ったら、ブルゴーニュ地方ではディジョンがお勧めです。

高級そうなものをお召しになっていて、気取っていて、スマートで、日本人からは「さすがフランス人♪」と褒められそうな人たちがいます。フランス人からは「ブルジョワ」と悪口を言われることもあるタイプ…。

朝市に友達と行ったのですが、農家の直売店でちょっと買い物をするはずだった友達が、なかなか戻ってきません。

店の前で順番待ちをしている友人を探し出したので、声をかけようとしたら、どこからともなく貧しいみなりをした女性が声をかけてきました。「困っているので、お金をくれ」というようなことを言います。

ディジョンは田舎町なので、こういう物乞いをする人は少し前まではいなかったように思います。軍人年金をもらっているので私なんかよりお金持ちなんだ、という名物乞食さんはいたのですが。時代が変わったのでしょうね...。

なんとなく、東欧の貧しい国から来た女性に見えました。後ろにはマフィアのような男がいて、彼女が惨めな思いをして集める小銭をせしめる構造なんだろうなと感じました。

私が物乞いにたかられていることに気付いた友人が、「あっちに行け!」とジェスチャーを入れて声をあげました。

その言い方は冷たすぎるよ!~ と思ったけれど、私は解放されました。

すると、物乞いの女性は、隣にいたブルジョワ風のマダムに声をかけました。

マダムは、お上品な口ぶりで答えます。
市役所にいらっしゃいな。市長さんがあなたを大歓迎してくれますわよ

物乞いの女性は、すぐに退散しました。

彼女は貧しい国からフランスに来てしまった人だろうと推測していたのですが、マダムに言われたことを理解したなら、少なくとも私程度にはフランス語が分かる人だったはず。

この皮肉の意味が分かったのだとしたら、可愛そう…。「あっちに行け」というストレートな言い方より、こういう偽善者的な言葉の方が私にはズシンときます。これほどの侮辱はないと思う…。

何が皮肉なのかを説明しなければいけないですね。この町、ディジョンの市長は、数年前から社会党の人になっています。つまり、お金持ちは冷遇しても、社会保護をしっかりしようとする政党。ブルジョワには気に入らない市長。その憎しみがマダムの言葉ににじみ出ていました。

ブルジョワの町ディジョンに社会党の市長が就任できるとは思ってもいませんでした。新市長になってから、10年1日のごとしだったディジョンの町は、昔とは比較できないほど活気がでてきました。何に重点をおくかで賛否両論がでるのは理解できますが…。

物乞いの女性をひと言で退散させたマダムは、私や、隣にいた私友人を見ます。「こういう人たち、困りますわよね」という表情。何か言葉もかけていたようにも思いますが、忘れました。

私は、好感を持てないマダムだと思ったので無表情。

私の友人も、ニコリともせず、マダムを完全に無視していました。自分も追い払ったくせに、マダムに共感を覚えておしゃべりをしないのを不思議に思いました。聞いてみると、ブルジョワまるだしの追い払い方をしたのが気にくわなかったらしい。

このマダムは直売農家で買い物をするのに、肉の切り方でなんだかんだと注文をつけていて、農家の素朴な女性がかわいそうになってしまっていたとのこと。それで、友人は長々と順番待ちをするはめになっていたのだそうです。

お金がない人が買い物をするときは、ケチっていると思われたくないのでさっさと買い物をします。でもお金がある人は、そういう引け目がないのでケチなのです。もっと上の段階のブルジョワなら、お金にいとめをつけないので、ケチケチしないはずですが。

こういうマダムをブルジョワと呼ぶのだな… と思ったひとこまでした。


テレビのニュースでは、フランス人たちが賞味期限切れの食品を大量に捨てるのが無駄だという報道もありました。寒い冬がやってきたこの頃、可愛そうな人たちのことを考えてあげなければいけない時期なのでしょうね…。

フランスでは、寒さが厳しくなると、ホームレスの人たちを救済する活動がニュースで流れる慣習があります。

現政権はそこには重点をおかないのですが(大統領選挙では、自分が大統領になったら住居問題などは皆無になると演説していましたが)、やはり今年もテレビのニュースには住まいがない人々の話題が出てきているので、なんとなく嬉しくなりました。

フランスの良き伝統は失われて欲しくはない...。


ブログ内の関連記事:
目次: フランスのホームレス、貧困者について書いた日記
目次: フランスについて考えて書いた日記


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カテゴリー: フランス人 | Comment (2) | Top
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コメント
この記事へのコメント
こんばんは! お久し振りです。 
こちらも今夜は冷え込んでいて、明日の天気予報の低地にも雪が来る、というのがひょっとして、と。 この秋はやはり天候不順で、このヴェネトも大雨の被害が酷かったです。
そうですね、そろそろホームレスの人々の問題がこちらでも報道される事でしょう。
あの警察の前で暖をとっている人は、警察の前だと他人からの被害を受ける心配が少しでも無いからなのだと思います。 こちらでも、ホームレスの人、移民に対する嫌がらせ、襲撃の問題がちょいちょい起こります。 酷い話です。
とはいえ、スーパーの前で待っている人々や、スーパーの買い物車を戻す時に得られる1エウロを目当てに寄って来る若者には、時に嫌な感じも持ちますし、物乞いが当たり前の顔をされるのにも、少々嫌悪感を持ちます。
でも、まだこのブルジョワ的マダム式にはお目にかかっていないのが、まだましなのかも、ですね。

 
2010/11/24 | URL | shinkai  [ 編集 ]
v-22shinkaiさんへ

>そろそろホームレスの人々の問題がこちらでも報道される事でしょう。
⇒ イタリアも同じですか。日本では余りない風習ではないかと思っていたのです。

>あの警察の前で暖をとっている人は、警察の前だと他人からの被害を受ける心配が少しでも無いからなのだと思います。
⇒ そうか~! 駐車するときも、警察署の前だと安心と思いますからね。
ちょうどshinkaiさんのブログにHôtel de policeのお話しが出ていたので、コメントしてしまおうかなと思っていたところでした。

>スーパーの買い物車を戻す時に得られる1エウロを目当てに寄って来る若者には、時に嫌な感じも持ちますし、
⇒ そういうのを見たことがなかったのですが、賢いですね~(笑+感心)! 私は1€コインと同じ形をしていて代用できるものを使っているので(宣伝のためにキーホルダー型のものをくれることがある)、作戦は成功しないですが。

>物乞いが当たり前の顔をされるのにも、少々嫌悪感を持ちます。
⇒ これは私もすごく抵抗を感じます。私が物乞いをしなければならない立場だったら、ああいう風にはできないと思うので。

イスラム系の国に行くと、もう耐えがたいくらいに凄まじい! 施しをすると天国に行けるのだから、そういう機会を私に与えているのだということで、良いことをしてあげているのだぞ~! と、思っているのだろうなと結論しています。
2010/11/24 | URL | Otium  [ 編集 ]
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