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2008/07/17
10年か、それ以上前のことだったと思います。スペインを旅行したときに、奇妙なものを見て驚いたことがありました。
風力発電機
ドンキホーテの風車ならね、近代的な風車なのだとか。

あちこちにあるので眺めていたら、日本の企業の名前が付いているのもあったので、へえ~、日本企業は頑張っている! と思った私でした。

それから数年はたったころ、フランスの学者の友達が、環境大臣と一緒にスペインの風力発電機を視察に行くのだと話しました。大臣の専用飛行機で行くのだとのこと。

へえ~、フランスでも変な風車をつくるの?!・・・

そのとき、すでにフランスにもあったのかも知れませんが、見たことはありませんでした。


Éolienne(風力発電機)

そして、近頃は話題に登場するので、「Éolienne(風力発電機)」という単語を覚えてしまいました。フランスでもタケノコのように生えてきているようです。

フランス各地に建てられいるようですが、我がブルゴーニュ地方では、まだ設置ゼロです。

追記:
時代は変わりますね。翌年にはできていたので見に行きました。
風力発電機を見に行く 2009/03/15


☆風力電動機の設置分布地図: Carte éoliennes France

ブルゴーニュは、のどか。幸運なことに、原子力発電所もありません! 原子力発電所がないのは、フランスの中でブルゴーニュ地方とブルターニュ地方だけだったのではないかな?・・・

この際、風力発電機が多く設置されている国を調べてみました。

まず、ドイツ(分かりますね、環境問題に積極的な国ですから)。それから、スペイン(風車の国ですからね)、アメリカ。

それから、がたっと生産量は下がって、インド、中国、デンマーク(風力発電機の重要な生産国なのだそうです)、イタリア、フランス、イギリス、ポルトガル、カナダ、オランダ、そして日本となっていました。
*しっかり調べたわけではないので、正確さには欠きます。


風力発電機の設置反対運動

最近、風力発電機が設置されることになった地域の人が反対運動をしているのを目にしました。ブルゴーニュ地方のお隣の地方です。

反対理由の第一は、景観を乱すという点。非常に大きな装置だそうで、ビラには風力電動機と民家の高さの違いを見せる図が入っていました。

これだと、どこからでも見えてしまう。「あなたのお家の不動産価値が下がりますよ~!」という切り札で、反対運動の賛同者を集めていました。

こんな醜いものが建ったら、観光客も来なくなる。私たちが愛している美しい農村は死ぬ!、と反対運動のビラは息巻いています。

それに、「地元で雇用が増えるわけでもない」、というのが反対理由に続いています。これは一理ある。原子力発電所や工場ができるのには反対するとしても、少なくとも農村住民に仕事の場は与えられるのですから。

ごみ焼却所とか、エコロジー発電装置とか、原子力発電所とかは、たとえ必要な施設だと納得できても、自分のところには作って欲しくない! というのが心情でしょうね・・・。

でも反対運動のパンフでは、風力発電装置はお金ばかりかかってコストパフォーマンスも悪いのだ、という主張でした。


現実は違う?!

たまたま、その風力発電機の設置が計画されている地域の村長さんに会ったので、話しを聞いてみました。

「いやあ、現実は違うよ」と、ひと言。

「風力発電機をウチの畑に立ててください」という農家の人たちが続出しているのだそうです。

風力発電機をたてる土地を提供すると、年に4,000ユーロ支払われることになっているのだそうです。借地代でしょうね。

で、風力発電機というのは1台だけ立てても採算が合わないから、たいてい数台たてる。
となると、かなりの収入を得ることになる!

1台で年に70万円の収入。10台たったら、700万円。

日本ではどうなっているのか知らないので、もしかしたら少ないのかも知れないです。でも、広大な農地を持っているフランスの農家としたら、何もしないで入ってくるお金ですから、悪くない話しです。

というわけで、風力発電機の設置反対運動に署名しながら、役場には「ウチの畑に建ててください」と言いに来る農家もあるのだそうです。

ふ~ん・・・。裏話ですね・・・。

風力発電機を設置した村にも収入があるのだそうです。別に補助金が出るわけではなくて、収益をあげる工場が建ったかのように職業税が入るという図式です。


職業税

フランスで原子力発電所がある町を視察して、町長さんに話しを聞いたときにも、補助金なんかはないけれど、職業税がたくさん入るのだと教えられました。

原子力発電所のようなところで働いている人たちには高度な技術者が多いので、そういう人たちは給料が高い。それに伴って、町に入ってくる職業税は多くなるわけです。

視察した原子力発電所がある町は小さな田舎町なのに、見るからに豊かな町になっているのでびっくりしました。フランスの田舎には派手さが全くないのに、ここの温水プールの装置は大都市なみ、あるいはそれ以上でした。町は歴史的建造物もなくてしまらない町なのに、きれいに整備されて、美しい・・・。

原子力発電所をなくすかどうかという住民投票をしたときも、問題なく、「続ける」と投票した人たちが勝ったということでした。



風力発電機設置の反対運動、どうなるのかな?・・・
もう設置が決まってしまっているのだから、今さら反対したって間に合わないという人もいましたが・・・。

でも、こういうのが林立したら、恐ろしい風景になるとは思いました・・・。
そういう光景の写真: カリフォルニアに林立した風力発電機



追記:

風力発電機が立てられる計画がある村の村長さんにまた会ったので、この前に聞いたのに忘れてしまった数値を確認しました。
風力発電機が村にもたらすもの

この村では、風力発電機ができたらどのくらい村に収入があるか計算してみたのだそうです。

計画されている畑の中に建てられるとすると、関係する村は2つある。
村には、それぞれ年に40,000ユーロの収入が入るであろう。
さらに、市町村連合体にも同じくらいの収入が入るはず。

村長さんの村の人口は250人で、年間予算は約200,000ユーロ。風力発電機によって入るであろうプラス収入は1割になる。大きな収入である。

ちなみに、現在のユーロ相場は、1ユーロ=170円くらい。

村では賛成派と反対派に分かれて議論が絶えないらしいです。

ブログ内リンク:
風力発電機を見に行く  2009/03/15


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カテゴリー: 時の話題 | Comment (4) | Top
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コメント
この記事へのコメント
わたしは、電気のない暮らしには戻れないので、地元に発電所が必要となったら、原子力、火力、水力、風力のうち、選ぶなら風力を選ぶと思います。原子力は論外、火力はオイルでしょう、水力もダムの問題があるし、風力が一番環境親和的・持続可能、ではないでしょうか。

で、景観でいうと、最後のカリフォルニアの林立の光景はちょっとすごいですけれど、以前にわたしが見たいくつかの風車の光景は、どれも「きれい!」と思えたんですよ。映画「レインマン」で初めて見た風車、カリフォルニアに旅行したときに見た、一列にきれいに並んで回っている風車、そして、デンマークの海上に見える風車。

というわけで、わたしは現代の風車援護派です。
2008/07/18 | URL | Saule  [ 編集 ]
v-22Sauleさんへ

ステレオで音楽を聞いているとき、昔は王様だって「あの曲が聞きたいな」と思ってもすぐには聞くことができなかったのだから、今に生まれたのは幸せだな・・・ と、ふと思うことがあります。

現代の発電技術と、国際情勢を考えると、風力利用が一番でしょうね。ここのところ、フランスが原子力発電所の施設の不備が問題化しているのですが、電力の78%を依存している原発をなくすことにしたら、どのくらいの風車を立てなければならなくなるのか想像がつかないのですが・・・。

風力発電機を「きれい」と思われましたか? 私も初めて見た時は、そんな風に思ったような気もします。

幾つも見ていると異様な姿だとは思うようになりましたが、それほど醜い姿にはしていませんよね。高圧電線が通っている風景よりはマシです。風圧発電機が設置されると高圧電線も張り巡らされるようになるのだとすると、地域の人たちが騒ぐのも分かる気がします。でも、高圧電線を立てる必要はないのだとか。

ものごと、何かしらは犠牲にしなければならないわけで、難しい問題ですね・・・。
2008/07/19 | URL | Otium  [ 編集 ]
この風車、私の住む小国にも(正確に小国町内かどうかは…不明。でも町の一部のエリアからは、景色として見えます)あるんですよ。
まあ、でも山の上の方にあるし、私の目からはそんなに違和感はありません。

世間一般にも、わりといいイメージで受け入れられているような気がします(まあ、日本にはもっと醜悪な施設や看板がジャンジャカありますから…)。
色も形もシンプルだし、他のエネルギーより環境負荷の少ない風力だし。私は太陽光エネルギーをもっと利用したらいいのに、とよく考えますが、太陽光を吸収するパネルがズラーッと並ぶ眺めは、ちょっとどうにかならないものかと思います。
それに比べたら、風車はスマートかな。
2008/07/23 | URL | すぎちゃん  [ 編集 ]
v-22すぎちゃんへ

去年、熊本空港から南下する車の中で、山の上に何本も立っているのを見て、日本にもたくさんできてきているのかな? と思っていました。日本はゴチャゴチャの景色にするので、あれだけすっきりしているのも悪くないかも知れないですね。

いずれにしても何とかしなければならない時代になっているのでしょうね。地球の温暖化というけれど、こちらは暑い日が少ない夏になっています・・・。こんなだと、太陽光エネルギーは使えない!
2008/07/23 | URL | Otium  [ 編集 ]
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