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2010/12/09

シリーズ記事 【冬は赤ワインの煮込み料理がおいしい♪(目次
その4


友達が一度食事をしてすっかり気に入った、というレストランでランチをとりました。

なぜ気に入っているかというと、びっくりするような組み合わせで美味しい料理を出すからとのこと。なるほど、と私も納得しました。

でも…


一つだけ欠点があった

レストランの入り口に今日のランチメニューが書いてありました。



普通、これを見たら、今日の日替わりランチはこれで、その他に定番料理がある、と思うではないですか?

でも、ここのランチメニューは一つだけなのでした。

前菜、メイン、デザートで24ユーロ。デザートを抜きにすれば20ユーロ。メインとコーヒーないしグラスワインにすれば14ユーロ、という意味でしょうね。

友達の方は、私が何でも食べるのを知っているので、チョイスがなくても問題ないと思っていた。あるいは、ランチは一種類だけのを忘れていたらしい。それほど気に入ってしまっていたレストランだったようです。

でも、1種類しかないのは問題ではないですか? フランスの病院に入院していたときだって、ちゃんと前菜、メイン、デザートには2つチョイスがあったので選んでいました。

もし食べたくない料理だったら困ってしまうではないですか? というか、連れ立ってきたお客さんのうちの一人が拒否反応したら、別のところで食べることにするでしょう。としたら、かなり厳しいですよ。日本人はそんなに好き嫌いを言わないけれど、フランス人たちは頑なに食べないものを持っていますから。

「今日は、この創作料理をお召し上がりいただきます!」というシェフのこだわりなのかな? いつでもできる簡単な料理のチョイスを少し入れておいた方が、お客さんの数は多くなると思うのだけれど…。でも、冷凍食品なんか使いたくないシェフなのでしょうね。

例えば、こんなシチュエーションがあったとします。

グループで利用するしようと思う。誰かが「鶏肉は絶対に食べない」主義だとして(そういう日本人を過去に二人見ているからなのですけど)、その日のメニューが鶏肉だったらどうするのだろう?

レストランの半分以上を占めるような人数だったら、予約するときに「この日は鶏肉にしないで」と頼めるのかな? あるいは、行ってしまってから、「何でもよいから、鶏肉ではないのを出してください」と頼めるのだろうか?…


最近のフランスで流行って来た小さなレストラン

とても小さなレストランでした。シェフがいて、お給仕をする人が一人いる、という形。シェフにアシスタントがいるかどうかは不明。

フランスでは人件費がとても高くつくので(社会保険料が高いので経営者の負担は大きい)、お客がいるかいないか分からない飲食店で従業員を雇っているのは運転資金がかかりすぎるのです。

3つ星レストラン級だと、いつもちゃんとしたサービスをする必要があるので、大きくないところでも35人くらい従業員がいる感じがします。それで、入っているお客さんは3テーブルくらいだった、なんてことがあります。採算がとれるはずがない!

というわけで、最近は優れた料理をつくるシェフが、夫婦だけで運営できるような規模、つまりお客さんが満杯で入っても30人たらず、というのが増えて来ている感じがします。

逆に、そういう感じのレストランだと、美味しい料理を出すだろうな、と踏める。ミシュランの星を決める責任者の人が、そういうレストランが好きだと言っていたのを思い出します。

そういえば、彼は「今日はこれ」という料理しかないのも好きだと言っていた...。確かに、小さな規模で、優れた料理を出そうと思ったら、それしかないでしょうね。

ランチメニューが1種類しかないせいだけでもないと思いますが、私たちが行った日は、3テーブルくらいしか埋まっていませんでした。

最近のフランスは不況なのです。節約しようと思ったら、まず外食を減らすではないですか? フランスでは、パリのような大都会でもなければ、サラリーマンがお昼は家に帰ってとるというのも多いのです。

すごい料理を出すのに、これでは経営していけないだろうな、と思うような、閑古鳥が鳴いているレストランが多々あります。

せっかくの腕があるシェフなのに、もったいない…。日本のように人口が多い国だったら、もてはやされるだろうに… と、同情してしまいます。


前菜は中国風!

前菜は、アジア風ヌードル炒め、でした。
つまり、焼きそばではないですか?!

お品書きのトップにこれを見たとき、ギャフンとしました。他にチョイスがあったら、絶対にとらない料理だったと思います。

でも、焼きそばに見えるけれど、色々な香辛料が入っていて、麺も良かったし、かなり優れた料理に仕上がっていました。

でも、他の工夫をした前菜にぶつかりたかった...。



新鮮なエノキ茸がのっていました。

パリの日本料理屋さん(日本人がシェフの本物の店)で、これと同じキノコが出たことがありました。

私は売っているのをフランスで見たことはないのですが、入手しようと思えばできるらしい。

このキノコのことをフランス語で何というか?
Enokitake でした!


友達がウエートレスさんに「どこで買ったのですか?」と聞いていました。

そのお返事:
「注文して取り寄せています」

ウエートレスさんが立ち去ってから、友達は「それじゃ返事になっていない」と、ぽつり。

でもね、パリの日本料理のシェフは、「和食の食材を手に入れるルートがある」とおっしゃっていたので、そういうところから手に入れた、という意味だろうと私は解釈しました。

でも、ちょっと頼りげないウエートレスさんでした。お料理を持ってきたときに、小学生が覚えたことを言うように材料をあげるのですけど、力がこもっていない。それで、聞き取りにくいし、感動も与えない。

シェフの奥さんではなくて、雇われている女性だろうと思いました。それがちょっと残念。夫婦二人三脚でやっている小さな店だと、奥さんの方も料理に興味を持っていて、色々と知っていて説明してくれるので楽しいのだけれど…。

その他にも、色々と珍しい食材を使った料理だったので、聞きたいことが山ほどあったのですが、彼女に聞いてもしかたないだろうと思って、質問はしませんでした。

お皿の淵にまいてあった香辛料は、フランスでPoivre du Sichuan(四川胡椒)と呼ばれる山椒ではないかと思いました。

「花椒(ホアジャオ)」という香辛料。


花椒を楽天市場で検索


以前に興味をもって、日記にしたことがありました:
山椒はフランスでも知られていたことを発見 2006/10/15

コメントで、中国の花椒は日本のとかなり違うと教えていただいて、どう違うのだろうと興味を持ちながらそのままになっていたのですが、それを思い出しました。

たぶん質の良いものを使っていたのだと思います。どう表現して良いか分からないのですが、素晴らしい風味でした♪ 確かに日本の山椒とはかなり違います。

そのほかの工夫でも、単なる焼きそばと言っては申し訳ないほどの仕上がりになっていました。


メイン料理: 牛肉の赤ワイン煮込み、変わった野菜の付け合わせ



ナイフなどいらないくらい柔らかく煮た牛肉でした!

牛の頬肉の部分だとメニューに書いてありました。もともと柔らかく、臓物とも言える部分ですが貴重な素材のようです。

☆ 牛肉解体新書: 牛肉内臓(カシラ)
☆ 頬肉がどこにあるか?: Joue de boeuf (牛の絵をクリックして拡大)

「ブレゼ」という調理用語がメニューに出ていましたが、これは素材が隠れるくらいの液体(ワインなどの酒、出し汁、水)をかけて、蓋をして、弱火で時間をかけて加熱する調理法(主にオーブンで)なのだそうです。

どうやったら、こんな柔らかい牛肉になるのかとフランスサイトで検索してみたら、同じように牛の頬肉をブレゼにしたレシピが出てきました。
Joue de boeuf braisée au vin rouge, condiments d’oignons et tomate confite, chips de lard paysan
150度のオーブンで3時間、と書いてあります。

赤ワインで蒸し焼きにした料理なのですが、メニューには「ボージョレー」を使ったと明記してありました。

このレストランに行ったのは、11月の最後の日だったのでした。

用意していたボージョレー・ヌーヴォーが余ったので使ったのではないかな、と思ってしまいました。解禁日から10日過ぎていて、12月になったら注文する人なんていないでしょうから。

余ったボージョレー・ヌーヴォーを利用した料理かどうかは確認しなかったのではありますが、勝手にそうだと決めてしまいました。そうすると、今年はヌーヴォーを飲まなかった私ですが、これで味わったのと同じことになるので!


メイン料理の付け合わせの野菜

何でもなさそうに見えるこれが、また変わっていたのです。

ウエートレスの人が料理を持ってきたときにボソボソっと言った色々な素材の名前を忘れてしまったのですが、覚えているのはRutabaga(ルタバガ)という野菜。

カブのように見えるのですが、味の方はカボチャに似ています。

☆ Wikipedia: ルタバガ

【世界の根菜】 ルタバガ

【世界の根菜】 ルタバガ

価格:270円(税込、送料別)



少し前から、フランスのシェフたちは、評判の悪い野菜を使って驚くような味を出そうというのにこだわっています。評判の悪い、というのは、戦争中の食料不足のときに食べた野菜。その傾向は少し下火になったかな、と思っていたのですが、また出会いました!

そういう野菜の一つ、トピナンブール(Topinambour)は、ひところブームではないかとさえ感じました。ミシュランの星を持つレストランで、トピナンブールづくしというのがランチメニューにあり、それを仕事の関係で2日続けて食べされてしまったことがあったので(ランチメニューは安いのが理由!)、私には余り良い思い出がありません…。

トピナンブールはキクイモ科だそうで、ジャガイモの代わりとして戦時中に食べたそうなのですが、ジャガイモのようにホクホクして美味しいものではないのです。というか、フランスのジャガイモは余りにも美味しすぎる!

そういう野菜は、日本で言えば、芋のつる、というところでしょうか?

戦争があった時代を経験した世代だと、「そんなものは見たくもない!」となるのですが、味覚を求めるシェフたちには、そういう偏見のあるものを素晴らしい味に仕上げることに挑戦したくなるようです。そういうのは楽しいだろうな、とは思います。

でも、この日のルタバガ、変わっていて、とても美味しかったです。変わっている、というのが第一でしょうね。これが何であるか言われなかったら、珍しくて高価な野菜だと思ったでしょう。

ルタバガだけのピューレではなくて、ゴボウも入れていたと言っていたかな?… ともかく、力作です!

ルタバガがどんな野菜なのかと検索したら、ビデオがありました。色も違った種類があるのですね。



ルタバガを調理しているビデオを探したのですが、英語圏のものしか出てきませんでした。ということは、気候が悪くて野菜が余り育ちそうもないイギリスなどでは、普通に食べている野菜なのかな?...


デザート: リンゴのタルト



これも、ウエートレスさんから何を使ったのかボソボソっと言われたのですが、忘れてしまいました。このムースも、突拍子もないもので作られていたので、食べながら友達と散々話しをしたのに、記憶から消えてしまった!…

単なるリンゴのタルトとはいえないほど美味しかったです。

フランスで食事するとき、デザートはフィナーレ。ここで食事に満足したかどうかの印象が決まります。

この小さなレストランではデザート作り専門のパティシエなんかいるはずがないですが、これだけのデザートを作れるとは大したものです!


トピナンブール、ルタバガ、それから日本で言えばゴボウなどというのも、食料不足の戦時中にはフランスで食べられたようです。

忘れられた野菜を紹介した野菜を紹介しているサイトがありました:
Légumes oubliés



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