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2011/01/02

好きなオペラ、嫌いなオペラ その1


オペラの筋書きは現実離れしている傾向にありませんか? というか、どんなストーリーが繰り広げられているのか理解できなくても、酔いしれることができるようにできている。

とはいえ、私の場合は、筋書きが好きなオペラもあるし、いくら美しいメロディーがあっても筋書きのせいで好きではないオペラもあります。


嫌いなオペラは? と聞かれたら…

美しいアリアがある、素晴らしい名曲だとは認めるのです。でも、なんだか耐えきれないオペラがあります。

プッチーニの『蝶々夫人』。



なぜ『マダム・バタフライ』が嫌いか?

最大の原因は、欧米人から見た日本女性のイメージを押しつけられるのが気に入らないこと。

それに、「バタフライ」という言葉が美しくない。水泳のバタフライが浮かんでしまうのがいけないのかな?...

フランス語で「Madame Papillon(マダム・パピヨン)」としても美しい響きにはなりません。蝶が美しいとは思っていないからなのかな?... そもそも、フランス語では、蝶も蛾もパピヨンなのです。

このオペラは、フランス語のタイトルでも「Madama Butterfly」のままのようです。イタリア語でもそうらしいので、ピンカートンはアメリカ人だからということで、プッチーニ自身が英語のタイトルを付けたのでしょうか?

日本語のヒロインの名前は「蝶々さん」。これをフランス語で現わすときは「Cio-Cio San」と書くようです。これも各国共通の表記らしい。フランス語でこれを発音するとチョウチョウサンには聞こえないのですが、イタリア語で発音するとチョウチョウサンと聞こえるようです(
Googleで発音させる )。

さらに美しくないと思うのは、ピンカートンという名前。そんなバカバカしい名前の男に惚れるのからして気に入らない。もう少しロマンチックな響きの名前はなかったのでしょうか?…

『蝶々夫人』を見ると、「そんな男に惚れるな!」と終始思って苛々してしまうのです。でも、恋ってそんなものですから、余計に歯がゆくなります。つまり、見ていると、ストレスでいっぱいになってしまう!

演出が気に入らないこともあります。

ピンカートンが戻ってくるのを待つ蝶々夫人が、座敷に花をまくシーン。いくら気が狂ったとしても、日本女性が花びらをまき散らすようなことをするのでしょうか? ポリネシアか、東南アジアのどこかの国を連想してしまいます。

最悪に思うのは、蝶々夫人が仰向けにひっくりかえって死ぬ場面。

日本人オペラ歌手が外国で蝶々夫人の役を演じることになったとき、「仰向けになって死ぬのはしたくない」と演出家に抗議したのに、やはり仰向けに倒れて死なされた、という話しがありました。



仰向けに倒れるか、腹ばいになって息耐えるかというのは、現実では選びようはないのは分かるのですが、こういう場合に仰向けに転がるのは日本の美的感覚からは外れると思うのです…。

私は気にしすぎでしょうね。ビゼーの『カルメン』(原作はフランスの作家プロスペル・メリメ)を見るスペイン人は「スペイン人はそうじゃない!」などと怒ったりしないのかもしれない...。




お正月早々のブログなのに、蝶々夫人が自殺する話しなどを持ち出して申し訳ありません! 昨年からオペラのことを書きだしていたので、それを早く消化してしまいたかったのです...。

同じように純情な女性の悲劇を描くオペラでも、ヴェルディの『リゴレット』の方は大好きです。音楽も素晴らしいし、ストーリーも好きだから。何度見ても飽きません。

続く


情報:
オペラ『マダム・バタフライ』の原作(全文):
Madame Butterfly by John Luther Long

シリーズ記事: 好きなオペラ、嫌いなオペラ

 目次:
   1.
好きでないオペラ: 蝶々夫人
  好きなオペラ: 『リゴレット』
   2.
マントヴァ公爵は海水浴場の小屋に住んでいた!
   3.
劇場に行くより満喫できるオペラ映画『リゴレット』
   4.
オペラ映画『リゴレット』に登場したのはサッビオネータの劇場では?




コメント
この記事へのコメント
新年、おめでとうございます。  本年もどうぞよろしくお願いいたします。

上から拝見して来て、ヴィデオもついでに見て、そうそう、私もまさに同感です。
とはいえ、きちんとオペラを見に行った事は無いのですが、音楽を聞くのは好きなので、そこから想像している作品が、TVニュースで見ていかにも現代的に無彩色に、シンプルに上演され、拍手喝さいなんぞというのは、全く、ねぇ!
あの蝶々さんのヴィデオの演出は、浅利慶太のではないですか? あれは大変評判が良かったと覚えていますが。 それにしてもイタリア語が聞き取れないです。

プッチーニのボエームは好きですし、綺麗に作っているとは思いつつもやはり青春への想いですよね。 マダーマ・バタフライ(と発音してます、と、チョチョサンと発音しているように聞こえます)は、如何にもプッチーニの東洋趣味が出て、でもトゥーランドットよりマシではないかと・・はは。トスカは、あれこれアーリアの好きなのもあるのですが、音楽だけの場面になると彼の思い入れが強すぎる感じでついて行けない、気がした事があります。 (ええと、同時間、同じ場所で、という構成で昔RAIが何度かに分けて中継したのでした)
マントヴァ公爵の背景に海岸のあの小屋、というのをイタリアでしたらどうでしょうかね?! やはり受けるのでしょうか?!! ははは。
2011/01/02 | URL | shinkai  [ 編集 ]
v-22shinkaiさんへ

明けましておめでとうございます。今年もshinkaiさんがたくさんご旅行できて、楽しい1年になりますように!

>私もまさに同感です。
⇒ そういう方が増えて欲しいです...。「はだかの王様」のお話しのように。

>あの蝶々さんのヴィデオの演出は、浅利慶太のではないですか?
⇒ ビデオの説明を見たら、次のようになっていました。
2004( Kanzaki, Takada, 演出 )
dal Teatro degli Arcimboldi di Milano
orchestra e coro del Teatro Alla Scala
direttore: Bruno Bartoletti
Madame Butterfly: Adina Nitescu
*仏語の部分だけを日本語にしました。

>それにしてもイタリア語が聞き取れないです。
⇒ そうそう、オペラは母国語でない人が歌っていると歌詞が分からないというのもありますね。フランス語で歌うオペラを見ていて「分からない」と言うと、フランス人から自分も全然聞き取れないから心配するな、と言われてほっとしたりしています。

ビデオのコメントに「これは何語で歌っているのか?」というのが入っていました。私は「アモーレ」というのだけ聞き取れたので、イタリア語なんだろうと思って、仏語の字幕を見ていたので、イタリア語らしく聞こえないのは無視していました。

オペラの話しを書きたかったのは、イタリアの実際の場を映画のように使った『リゴレット』の中に、shinkaiさんのブログでご紹介なさっていた場所が出てきたことをメモしておきたかったからなのでした。前置きが長くなっているのですが、次回かその次あたりにブログへのリンクを入れさせてしまうので、どうかよろしくお願いします。
2011/01/03 | URL | Otium  [ 編集 ]
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