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2006/12/31
日本では、今でも大晦日にベートーヴェンの交響曲第9番を演奏するというが流行しているのでしょうか? 大晦日と第九が結びつくという風習は日本独特なもののようです。


◆フランスの大晦日は陽気にオペレッタ

フランスで年末につきものクラシックコンサートといったら、オペレッタ

大晦日は友達が集まるホームパーティーがあるので、コンサートには行けない雰囲気なのですが、いつだったか、オフェンバックのオペレッタを見に行ったことがありました。

年配の女性の姿が圧倒的に多かったのを覚えています。こんなときにオペレッタを見に行くというのは昔の人たちの風習であって、若者のファンは少ないのではないという気がしました。

オペレッタというのはそれほど好きではなかったのですが、1年を締めくくるには楽しくてよいコンサートだな、と気に入ってしまいました。

フレンチ・カンカンの音楽などが飛び出すのですから、会場の人々も体を揺らしてリズムをとったりして(歌ってもいたかな?...)、もう底抜けに明るい気分で1年の終わりを飾れたのです♪

 カラヤン/オッフェンバック:序曲集


◆第九が心にしみた今年...

「何もかも忘れて楽しくすごそうや」というフランスの年末には、ベートーヴェンの交響曲第9番は結びつかないイメージなのですが、今年はなぜかテレビで見ました。昨日30日のことではありますが。

マリス・ヤンソンス指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。

心に染み渡る、素晴らしい演奏でした。この指揮者には思い出があるのですが、やはりこういう曲を指揮するのが一番好きだと思ってしまいました。

期せずも、今年のお正月にテレビで見たニューイヤーコンサートも、マリス・ヤンソンス指揮の演奏でした(2006年1月5日の日記)。

あのときは、今年がこんな風に過ぎるとは思ってもいませんでした...。楽しいこともあったけれど、悲しいこともあった年でした...。

おそらく、第九を聞いたのは久しぶりだと思います。余りにも有名な作品なので、あえて聞こうとする機会が少ないのだと思います。

あらためて、なんと素晴らしい作品なのだろうと感動しました。

歓喜の歌」という名前がついていますが(仏語では L'Ode à la joie)、これはレクイエムとしても聞けてしまう曲だと思ってしまいました。

楽しいとか、悲しいとか、そんなことを超越してしまう音楽だ、と今夜は感じたのです。

音楽を聞くときに極度に感動するかどうかは、条件があると思う。演奏の素晴らしさ。それから、演奏を聞くときの自分の精神状態。これが合わさると、音楽にひたりきることができます。

涙が出てきました。こういう涙というのは心を洗ってくれます...。


 カラヤン/ベートーヴェン:交響曲第9番


◆ベートーヴェンの人生を思う

後世に何かを残すことができる一生に価値がある、と思うことがあります。「例えば、どんな一生だったら価値があると思うの?」と聞かれたら、まっさきに「ベートーヴェンのような人生」、と考えてしまう私です。

音楽家の中でベートーヴェンを一番尊敬しているわけではないのです。でも、この人が後世に残した価値は大きいです。科学の偉大な発見者と違って、誰に害を与えることはなかったのが評価する理由かも知れません。

でも、ベートーヴェン自身は、想像を絶するくらい不幸だったのですよね...。

「諸君、笑いたまえ。喜劇は終わった」

本当にベートーヴェンが最後に残した言葉なのかどうかは疑わしいのだそうですが、それが彼の人生を現わしているように感じられてしまいます。

余りにも痛々しい人生です...。羨ましい人生だなどとは、とても言えません!

でも、幸せだけれど無意味な人生を送るよりは、不幸でも自分を発散できた人生の方が素晴らしいと思ってしまう私です...。

 カラヤン/ベートーヴェン:交響曲全集


◆どっちが良いのだろう?...

コンサートで受けた感動の熱から冷めたら、ふと日仏の違いを考えてしまいました。

大晦日の過ごし方です。

フランス式にオペレッタを見て、人生なんかそんなもんだ! と笑いで吹っ飛ばしてしまった方が良いのか?...

あるいは、日本式に第九を聞いて涙を流し、しんみりと人生の重みを考えた方が良いのか?...


追記

日本には大晦日に第九を演奏する風習があるのはなぜなのか気になっていたのですが、経緯は意外なものでした。

終戦の後の貧しい時代、オーケストラの楽員のボーナスというか、正月の餅代を稼ぐ手段として、この大がかりな曲を演奏するというアイディアが生まれたのだそうです。


大晦日の夜はなぜ第九の演奏会が行われるのか? | 福岡のニュース



ブログ内リンク:
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
★ 目次: クラシック音楽

外部リンク:
交響曲第9番はなぜ年末に演奏されているのですか?
第九が年末に演奏される理由。日本だけなの?
☆ 音楽雑記帖: 年越しの第九、あるいは、はじまりの交響曲



コメント
この記事へのコメント
Re:大晦日: フランスはオペレッタで陽気に、日本は第九でしんみり過ごす(12/31)
今までに一度だけ音楽を聴いて(生きろ!)という強烈なメッセージを感じたことがあります。

松本市であるサイトウキネンフェスティバルの小沢征爾さんが振った第9でした。

泣いている男性もいました。小沢氏自身が充実のときでその年末ウィーンに常任指揮者として招かれたように思いますが・・・、

聞き手の心境と演奏者の状況がピッタリあうといい感激が得られるのかと思いました。夏でした。
2006/12/31 | URL | HappyHoppy  [ 編集 ]
ベートーベン
この間今公開中の映画日本題「敬愛なるベートーベン」

第九をテーマにした第九の誕生秘話をフィクションも

ノンフィクションも織り交ぜたもので

演奏はハイティンク指揮ロイヤルコンセルトヘボーで

映画館で聴いても音響の良さに酔いしれるほどでした。

主役のベートベン役のエドハリスがメチャメチャ格好いいし

第9好きの方にはオススメの映画でした。

もう1回観に行こうと思っています♪

ブルゴーニュさんよいお年を
2006/12/31 | URL | フランス大好き  [ 編集 ]
大晦日!
感動する時には演奏が素晴らしいことと、その時の自分の精神状態…というのは、全く同感です!

ベートーベンは音楽室に飾ってあった肖像画を見ても何だか迫力を感じました。

「第九」=年末と思います。

フランスではオペレッタなんですね~。

しんみりして年を越すか、陽気に年を越すか…、どちらもいい感じ。。。

ただ、カウントダウン前にはなぜか「ゆく年、くる年」のシーンがすりこまれているのか、しんみりしちゃう私です~。「ゴ~~ン」って除夜の鐘の音を心の中で聴いちゃったりして。。。(笑)



ブルゴニッシモさんのブログでずいぶん楽しい思いをしてきました。ありがとうございます。

来年もよろしくお願いします。

どうぞ良い年をお迎えくださいね。
2006/12/31 | URL | pepe犬  [ 編集 ]
【Re】HappyHoppyさんへ / 大晦日
>今までに一度だけ音楽を聴いて(生きろ!)という強烈なメッセージを感じたことがあります。

>松本市であるサイトウキネンフェスティバルの小沢征爾さんが振った第9でした。



⇒ この曲にはやはり特別な力があるのでしょうね。



小沢征爾さんの指揮はとても好きです。彼が指揮したブラームスの交響曲第4番が、この世で聞いているとは思えないような澄み切った美しい音楽で感動を与えてくれたのを思い出します。

2007/01/01 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
【Re】フランス大好きさんへ / ベートーベン
>この間今公開中の映画日本題「敬愛なるベートーベン」第九をテーマにした第九の誕生秘話をフィクションもノンフィクションも織り交ぜたもので



⇒ 教えてくださってありがとうございます。日本ではずいぶん話題になっているようで、公開サイトも見つかりました。「敬愛なる」という言葉にひっかかってしまったのですが、原題は「copying beethoven」。なるほど・・・



>演奏はハイティンク指揮ロイヤルコンセルトヘボーで映画館で聴いても音響の良さに酔いしれるほどでした。



⇒ ストーリーの中に入れると感動が高まる効果はあるでしょうね。



でも、私はこの手の、良く知られた音楽家を取り上げた映画というのが苦手なのです。曲が細切れにされると欲求不満になってしまって、どうにも耐えがたくなってしまうのです・・・。



>もう1回観に行こうと思っています♪



⇒ そんなに気に入るほどでしたか。私も機会があったら見てみようと思います。



>ブルゴーニュさんよいお年を



⇒ ありがとうございます。フランス大好きさんにも素晴らしい年になりますように! 2007年もどうかよろしく♪

2007/01/01 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
【Re】pepe犬さんへ / 大晦日!
>ベートーベンは音楽室に飾ってあった肖像画を見ても何だか迫力を感じました。



⇒ 天然痘の後が残る顔だったとか(この時代は珍しくはなかったようですが)。「天は2物を与えず」というのがぴったりしてしまう人だと思います。ところが最近は、素晴らしい美人が素晴らしい演奏をしている例が多くて、世の中間違っているのではないか・・・などと思ってしまいます。



>しんみりして年を越すか、陽気に年を越すか…、どちらもいい感じ。。。



⇒ 年末パーティを賑やかにやったあと、ひっそりとしたお正月になったら、なんだか「打ち返し」みたいなものを感じて、大晦日は除夜の鐘を聞いてしんみりやった方が良いのではないか・・・ なんて、今年は思ってしまいました!



>ブルゴニッシモさんのブログでずいぶん楽しい思いをしてきました。ありがとうございます。



⇒ こちらこそ、ありがとうございました!



>来年もよろしくお願いします。



⇒ 私の方もよろしく~! こういう便利な表現って、フランス語にはないのではないかな?・・・



>どうぞ良い年をお迎えくださいね。



⇒ ヤドリ木をプレゼントしてくれる人はいませんんでしたが、パーティで巨大なのを見て大満足しました♪

2007/01/01 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
ベートーベン
この間言っていた「copying beethoven」

その後2回も観に行ってしまいました♪

映画はそんなに観に行かないほうですが

DVDも買ってしまおうかと思うほどの

入れ込みようです

ブルゴーニュさんも機会があれば

是非観て下さい♪

2007/01/22 | URL | フランス大好き  [ 編集 ]
【Re】フランス大好きさんへ / ベートーベン
>この間言っていた「copying beethoven」

>その後2回も観に行ってしまいました♪

>映画はそんなに観に行かないほうですが

>DVDも買ってしまおうかと思うほどの

>入れ込みようです

>ブルゴーニュさんも機会があれば

>是非観て下さい♪



⇒ わあ、そんなに気に入ってしまわれましたか?!♪ フランスでは話題になっていないらしいので、日本に帰ってから見る機会があるのを期待しています。

2007/01/29 | URL | ブルゴニッシモ  [ 編集 ]
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