2006/09/07
フランスの田舎にはパン焼き窯が残っている古い家があります。
窯の中は広いので、普通のオーブンには入らないような大きな鍋やグラタン皿などを入れて料理できてしまうので便利。置く場所によって温度調節もできます。
でも薪をくべて窯を暖めたりするのは大変ですから、今でも使っている家庭があるかは疑問。昔だって日曜日にパンをたくさん焼いて、それを1週間食べていたそうですから。
◆パンが焼けたよ~!
パン焼き窯に火を入れて料理をするというパーティーがあって、若いときにパン屋さんで働いたことがある友人がパンを焼きました。
食事の準備を手伝っていた私に、パンが焼けたから見にくるようにと声がかかりました。
これをご覧になったとき、みなさんだったら、どう反応されますか?
◆私って、言うべきでないことを口走ってしまう人間・・・
私は、「わあ...、残念ね...」と言ってしまいました。
そう言うべきではなかったのです!
パンがよく焼けたから、私が写真を撮りたいだろう(むしろ、写真にとってもらいたい)と呼ばれたのでした・・・。
この日パン焼き係りになった人は、とても良い人なのです。私が失敗した日本料理を食べさせても「おいしい!」と褒めてくれる人。本当においしかったら、最上級の「おいしい」という表現を繰り返して言ってくれる人。
私は変なことを言ってしまったのに、明るく答えてくれました。
「いやあ、これでいいんだよ。よく焼けた♪」
生焼けの心配はないですけれどね・・・。でも、こんな黒こげパンを、みなさんの前にだすの?!
◆パン屋の修行をした経験があるから大丈夫!
フランス人にはパンの焼け具合の好みがあります。手作りパン屋さんで買うときには、よく焼けたのが良いとか、余り焼けていないのが良いとか言って選びます。最近は後者の方を希望する人が多いのだそうで、焼き足りないようなパンが多いです。
それでパンを焼いた友達は、こんな黒こげ状態が良いと思っているのかも知れないと思ったのですが、こげ過ぎたことは分かっていました。
こういうパンになったとき、プロにはテクニックがあるのだと言います。
「こういうパンができたときは、こうやっていたんだ」
ナイフを持って、黒こげ部分を削ぎだしました。でも、このくらい焦げていると容易ではないですよ...。
私はアイディアを思いつきました。
魚の鱗をとる道具ではがしてみたら?
この道具は非常に効果的でした!
本職のパン屋さんが、こんなにゴシゴシと黒こげをはがすはずはないけれど...。でも、きれいな色になってきました。
黒こげがほとんどなくなったら、小麦粉をまぶして隠す。こうやると美味しそうにも見えるので、やるのだそうです。
「どうだ、パパは上手にパンを焼いただろう」という満足ポーズ!
ちょっと小麦粉をかけすぎた感じに見えるでしょうが、この後に粉を少しふるい落としたら立派なパンになりました。
◆めでたし、めでたし
パンは集まった人たちの絶賛を浴びました。
昔ながらの方法で、パーティー参加者の一人が焼いたのですもの。貴重なパンです!
ブルゴーニュでは嬉しい気分になったときに歌うものがあるので、みんなで合唱して一日パン屋さんを讃えました。
ラ~ラ、ラ~ラ、ララララレ~ル。 (手をあげてキラキラ星のジェスチャーをする)
ラララ、ラララ、ラ ラ ラ~♪ (ラと言うのに合わせて手をたたく)
念のため: メロディーを書いたわけではなくて、これが歌詞です!
にほんブログ村
窯の中は広いので、普通のオーブンには入らないような大きな鍋やグラタン皿などを入れて料理できてしまうので便利。置く場所によって温度調節もできます。
でも薪をくべて窯を暖めたりするのは大変ですから、今でも使っている家庭があるかは疑問。昔だって日曜日にパンをたくさん焼いて、それを1週間食べていたそうですから。
◆パンが焼けたよ~!
パン焼き窯に火を入れて料理をするというパーティーがあって、若いときにパン屋さんで働いたことがある友人がパンを焼きました。
食事の準備を手伝っていた私に、パンが焼けたから見にくるようにと声がかかりました。
これをご覧になったとき、みなさんだったら、どう反応されますか?
◆私って、言うべきでないことを口走ってしまう人間・・・
私は、「わあ...、残念ね...」と言ってしまいました。
そう言うべきではなかったのです!
パンがよく焼けたから、私が写真を撮りたいだろう(むしろ、写真にとってもらいたい)と呼ばれたのでした・・・。
この日パン焼き係りになった人は、とても良い人なのです。私が失敗した日本料理を食べさせても「おいしい!」と褒めてくれる人。本当においしかったら、最上級の「おいしい」という表現を繰り返して言ってくれる人。
私は変なことを言ってしまったのに、明るく答えてくれました。
「いやあ、これでいいんだよ。よく焼けた♪」
生焼けの心配はないですけれどね・・・。でも、こんな黒こげパンを、みなさんの前にだすの?!
◆パン屋の修行をした経験があるから大丈夫!
フランス人にはパンの焼け具合の好みがあります。手作りパン屋さんで買うときには、よく焼けたのが良いとか、余り焼けていないのが良いとか言って選びます。最近は後者の方を希望する人が多いのだそうで、焼き足りないようなパンが多いです。
それでパンを焼いた友達は、こんな黒こげ状態が良いと思っているのかも知れないと思ったのですが、こげ過ぎたことは分かっていました。
こういうパンになったとき、プロにはテクニックがあるのだと言います。
「こういうパンができたときは、こうやっていたんだ」
ナイフを持って、黒こげ部分を削ぎだしました。でも、このくらい焦げていると容易ではないですよ...。
私はアイディアを思いつきました。
魚の鱗をとる道具ではがしてみたら?
この道具は非常に効果的でした!
本職のパン屋さんが、こんなにゴシゴシと黒こげをはがすはずはないけれど...。でも、きれいな色になってきました。
黒こげがほとんどなくなったら、小麦粉をまぶして隠す。こうやると美味しそうにも見えるので、やるのだそうです。
「どうだ、パパは上手にパンを焼いただろう」という満足ポーズ!
ちょっと小麦粉をかけすぎた感じに見えるでしょうが、この後に粉を少しふるい落としたら立派なパンになりました。
◆めでたし、めでたし
パンは集まった人たちの絶賛を浴びました。
昔ながらの方法で、パーティー参加者の一人が焼いたのですもの。貴重なパンです!
ブルゴーニュでは嬉しい気分になったときに歌うものがあるので、みんなで合唱して一日パン屋さんを讃えました。
ラ~ラ、ラ~ラ、ララララレ~ル。 (手をあげてキラキラ星のジェスチャーをする)
ラララ、ラララ、ラ ラ ラ~♪ (ラと言うのに合わせて手をたたく)
念のため: メロディーを書いたわけではなくて、これが歌詞です!
ブログ内リンク:
★ 目次: パン、パン屋、昔のパン焼き窯など
にほんブログ村
この記事へのコメント
ものすごい大きさのパンですね。
焦げをとって小麦粉をかけたら、別のパンのように見えます。ピザも焼けそうですね。
焦げをとって小麦粉をかけたら、別のパンのように見えます。ピザも焼けそうですね。
私はオーブンでパンを焼いていますが、一度はこんな石釜で焼いてみたいと思っています。外側がぱりぱりのパンが焼けるのでしょうね。パンを焦がしたときの方法、私も今度試してみます。
2006/09/07 | URL | mitsuko [ 編集 ]
この釜を庭に作るのがわたしの夢であります!
でもパンは焦げてますね(笑)
でもパンは焦げてますね(笑)
>焦げをとって小麦粉をかけたら、別のパンのように見えます。
⇒ どうなるのかと心配したのですが、中はこげていなかったので安心しました。
>ピザも焼けそうですね。
⇒ パン焼き釜がお家にあって、ビザを焼くのをお得意にしている友達がいます。このくらい大きい釜だと、いっぺんに6枚くらいは軽く入ってしまいます。
⇒ どうなるのかと心配したのですが、中はこげていなかったので安心しました。
>ピザも焼けそうですね。
⇒ パン焼き釜がお家にあって、ビザを焼くのをお得意にしている友達がいます。このくらい大きい釜だと、いっぺんに6枚くらいは軽く入ってしまいます。
>私はオーブンでパンを焼いていますが、一度はこんな石釜で焼いてみたいと思っています。外側がぱりぱりのパンが焼けるのでしょうね。
⇒ 電気の釜は、こういうのにはかなわないですね。プロのパン屋さんなら、自分の釜がどう熱くなるか分かっているのですが、たまにやると釜が分からないので苦労するようです。
⇒ 電気の釜は、こういうのにはかなわないですね。プロのパン屋さんなら、自分の釜がどう熱くなるか分かっているのですが、たまにやると釜が分からないので苦労するようです。
>この釜を庭に作るのがわたしの夢であります!
⇒ 今はパン焼き釜をつくれる職人さんがほとんどいなくて、あるものを修復してくれる人を探すのも大変みたいです。
ポルトガルに行ったときにh、これの簡易型のようなものをたくさん売っていました。つまり庭につくるバーベキューの設備がお釜型になっているというもの。たぶん安く買えるのだろうと思いました。楽しくて良いなと思ったのですが、フランスで売っているのは見たことがありません。
>でもパンは焦げてますね(笑)
⇒ ですよね~!
⇒ 今はパン焼き釜をつくれる職人さんがほとんどいなくて、あるものを修復してくれる人を探すのも大変みたいです。
ポルトガルに行ったときにh、これの簡易型のようなものをたくさん売っていました。つまり庭につくるバーベキューの設備がお釜型になっているというもの。たぶん安く買えるのだろうと思いました。楽しくて良いなと思ったのですが、フランスで売っているのは見たことがありません。
>でもパンは焦げてますね(笑)
⇒ ですよね~!
釜から出たパンの写真では大きさがよくわからなかったけど、おこげを取っている写真を見てビックリ!
大きかったんですね~~~!
こりゃ~~、ここまでよく焼けた!と思いました。
(一応、パン屋で釜担当のバイト経験から。。。)
私も一緒に、「ラララ~」の歌を歌いたいです~~!
何だか、人柄も昔から変わらずに…って感じで、あったかい気分になります!
大きかったんですね~~~!
こりゃ~~、ここまでよく焼けた!と思いました。
(一応、パン屋で釜担当のバイト経験から。。。)
私も一緒に、「ラララ~」の歌を歌いたいです~~!
何だか、人柄も昔から変わらずに…って感じで、あったかい気分になります!
>大きかったんですね~~~!
>こりゃ~~、ここまでよく焼けた!と思いました。(一応、パン屋で釜担当のバイト経験から。。。)
⇒ そうか・・・。このくらい大きいと、本当にしっかりと焼かなければいけないのだ・・・。考えてみると、かなり厚みがあったもの。やはりプロの修行した人だからこげるくらいにしたのですね。
>私も一緒に、「ラララ~」の歌を歌いたいです~~!
⇒ こういう大人も童心に返って歌うのって、フランスでもブルゴーニュくらいなのないのではないかな?・・・
>何だか、人柄も昔から変わらずに…って感じで、あったかい気分になります!
⇒ この日はパンが焼けて嬉しそうでした。本当はパン屋を続けたかったのですって。
>こりゃ~~、ここまでよく焼けた!と思いました。(一応、パン屋で釜担当のバイト経験から。。。)
⇒ そうか・・・。このくらい大きいと、本当にしっかりと焼かなければいけないのだ・・・。考えてみると、かなり厚みがあったもの。やはりプロの修行した人だからこげるくらいにしたのですね。
>私も一緒に、「ラララ~」の歌を歌いたいです~~!
⇒ こういう大人も童心に返って歌うのって、フランスでもブルゴーニュくらいなのないのではないかな?・・・
>何だか、人柄も昔から変わらずに…って感じで、あったかい気分になります!
⇒ この日はパンが焼けて嬉しそうでした。本当はパン屋を続けたかったのですって。
焼き釜で焼いたピザを出すお店も増えてきました。
パンは時間がかかるのでしょうか?この地方では見かけませんね。
軽井沢のブランシュ浅野に石釜があり焼いていたような記憶が・・・、?
パンは時間がかかるのでしょうか?この地方では見かけませんね。
軽井沢のブランシュ浅野に石釜があり焼いていたような記憶が・・・、?
>焼き釜で焼いたピザを出すお店も増えてきました。
⇒ 嬉しいことです。ピザは好きなのです!
>パンは時間がかかるのでしょうか?
⇒ 釜が熱くなっていれば、普通のオーブンと同じだと思います。このお家では、昔にあったままの釜の状態だけだったときには(普通の石を、厚みのある方向に並べているだけ)、普段は使わない釜を数日前から少しずつ暖めていました。今回は釜に適したレンガにして修復したので、前日に薪を入れて暖めただけの状態でした。
>軽井沢のブランシュ浅野に石釜があり焼いていたような記憶が・・・、?
⇒ 近代設備を使わないときは、手間がかかるし、失敗もしやすくなりますが、昔からある設備を使うと、やはり違った味がでてきます。
思い出してしまったのは、イタリアのピザ釜。欧州連合では衛生基準を統合しようとしているので、イタリアのピザレストランにある伝統的な釜を禁止しようとしました。確かに、虫が入っているかもしれない薪を燃すのは不衛生かも知れない(食品添加物は安全なの? と言いたくなりますが)。
でも、イタリア人たちが伝統的なピザ釜が消滅されてしまうことに反対したので、生き延びました。その前には、フランスの農家で作っている手作りチーズを禁止される危険もあったので反対運動がありましたが、これも、幸いにも生き残りました。
昔ながらの釜を毎日使うのは無理かも知れないけれど、たまには昔の人たちが味わっていた味を賞味できるのは嬉しいことです!
⇒ 嬉しいことです。ピザは好きなのです!
>パンは時間がかかるのでしょうか?
⇒ 釜が熱くなっていれば、普通のオーブンと同じだと思います。このお家では、昔にあったままの釜の状態だけだったときには(普通の石を、厚みのある方向に並べているだけ)、普段は使わない釜を数日前から少しずつ暖めていました。今回は釜に適したレンガにして修復したので、前日に薪を入れて暖めただけの状態でした。
>軽井沢のブランシュ浅野に石釜があり焼いていたような記憶が・・・、?
⇒ 近代設備を使わないときは、手間がかかるし、失敗もしやすくなりますが、昔からある設備を使うと、やはり違った味がでてきます。
思い出してしまったのは、イタリアのピザ釜。欧州連合では衛生基準を統合しようとしているので、イタリアのピザレストランにある伝統的な釜を禁止しようとしました。確かに、虫が入っているかもしれない薪を燃すのは不衛生かも知れない(食品添加物は安全なの? と言いたくなりますが)。
でも、イタリア人たちが伝統的なピザ釜が消滅されてしまうことに反対したので、生き延びました。その前には、フランスの農家で作っている手作りチーズを禁止される危険もあったので反対運動がありましたが、これも、幸いにも生き残りました。
昔ながらの釜を毎日使うのは無理かも知れないけれど、たまには昔の人たちが味わっていた味を賞味できるのは嬉しいことです!
| HOME |