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2008/09/26
ヴェルサイユ宮殿の切符売り場の前には、長い行列ができていました。さらに宮殿入るときにも並ぶので、ヴェルサイユ宮殿に入るのは大変です!

私はヴェルサイユにあるホテルのプロモーションを利用したら、宮殿の入場券が付いてきたので、切符を買う行列は避けることができました。

行列に並ぶ努力をする以外にも、大変な思いでやって来る人たちもいます。ヴェルサイユ宮殿を見ようと、はるばる外国からやって来た人たち。一生に一度しか来れない場合も多いと思う。

そういう人たちを無視した特別展としか思えませんでした・・・。


仰天させるのが芸術?

話しには聞いていたのです。ヴェルサイユ宮殿やフォンテーヌブロー城では、現代芸術の特別展が行われている、と。

でも、ここまで堂々と作品が鎮座しているとは予期していませんでした・・・。

???.....

特別展は、宮殿の中でも最も人気がある王族の居住空間だった部分が使われていました。

宮殿の中で写真をとると、必然的にも作品が入ってしまうので、そういうのを並べてお見せしても良いのですが、ビデオがあったので、そのページをリンクしておきます。

ビデオをスタートしてくだされば、宮殿がどんな風になっていたのかお分かりいただけると思います。

France 24 (2008年9月10日放送のテレビ番組)
☆仏語: L'artiste américain Jeff Koons squatte Versailles
☆英語: US artist Jeff Koons fêted in Versailles

ここにリンクしながら、仏語と英語のタイトルが微妙に違うのに気がつきました。仏語の方は宮殿を「squatte(不法占拠している)」となっているのに(ホームレスが無人家屋に住みついたときなどに使う動詞)、英語では宮殿で「fêted(祝った)」となっている。翻訳というのは、本来はこういう風に聞く人を意識した表現で良いと思う!


展示された作品は、全部で17点あったそうです。一部屋に一作品の展示にされていました。どこか犠牲にする部屋を定めて、一か所にまとめて欲しかった・・・。

それでなくても人垣を通しての見学なのに、大きなオブジェが目の前を塞いでしまったからです。

ユーモラスな生き物とか、掃除機とか、こんなところにあるはずがない物体などは、ひと目で「それなんだ」と分かります。

でも、彫像のようなのもあって、「なんだか偽物臭いぞ・・・」と思って眺めると、そこに作者の名前がデカデカと書かれたプレートがあるので分かる、という場合もありました。

例えば、王妃の寝室。

右側の花瓶にご注目

とても好きな部屋なのですが、右側にある花瓶が真っ先に目に飛び込んできました。だって、部屋の雰囲気に全く釣り合わないケバケバしい色どりなのですから。

ヴェルサイユ宮殿にはお金がなくて、こんな趣味の悪い造花を飾っているのかと思いました。でも、これも、さりげなく置かれた特別展の作品でした。

真っ先に疑うべきだったのに・・・。たぶん、私の中には防衛本能が作られていて、そういう作品は無いものとして宮殿の芸術作品を鑑賞しようとしていたのだと思います。


ヴェルサイユ宮殿より現代芸術作品の方を目立たせている

ホテルがくれたチケットは、オーディオガイドも借りられるものだったので、それを受け取るための長い行列に並びました。無料でなかったら並ばなかったと思う。

オーディオガイドは、宮殿の中のクライマックスである部分に入る前に、長々と特別展の説明が始めました。

「ここから、現在生きている芸術家の中で最も優れているジェフ・クーンズの作品をご鑑賞いただけます」、などと恩着せがましくおっしゃる。ヴェルサイユ宮殿の芸術と最もマッチする作品として選ばれた、ウンヌン・・・。

各部屋の説明が終わる度に、「ジェフ・クーンズの作品の説明を聞くためには、緑のボタンを押してください」とかいう説明が入ります。毎回やられるのですから、うんざり! 一回言ってくれるだけで十分なのに・・・。

部屋の説明はとても簡略なものなので、特別展の説明を入れるために短くしたのではないか?・・・ などと勘ぐったりしてしまいました。

間違ってボタンを押さないように注意しながら見学しました。


期待していた「鏡の間」は・・・

今回ヴェルサイユ宮殿に行ったのは、パリ方向に行く必要があったのに合わせて、修復が終わった「鏡の間」を見たかったからです。前回の日記で書いた噴水ショーを見たのは、そのオマケに過ぎません。

鏡の間は見事に修復されていました。黒ずんでいてよく見えなかった天井の絵画もはっきり見えます。

金の装飾も、しっとりと落ち着いていて美しい。アメリカ人好みの派手さにはなっていなかったので、ほっとしました。

というのも、最近できた内門が不釣り合いなほどに金ピカだったに加えて、このアメリカ人作家の派手なオブジェ。ヴェルサイユ宮殿は完全にアメリカ人趣味の派手さを持つようになっていくのではないか、と心配し初めていたからです。

*金ピカの門のこと書いた日記: 生まれ変わったヴェルサイユ宮殿


宮殿は午前中に見て、町で食事してから戻ってきてからは「マリー・アントワネットの離宮」や運河のほとりを散策しました。そして、宮殿が閉館する直前はすいているだろうと、また宮殿に入りました。

係りの人たちは閉める準備を始めていて、見学客はほとんどいない状態になっていました♪

人の影に隠れて見えにくいというのは解消されたのですが、やはり芸術作品の展示は室内を隠している・・・。

鏡の間です ↓

青い鏡が鎮座していた・・・

特別展で最も腹立たしかったのは、この青い鏡です。台座まで付けて視界を遮る必要はなかったではないですか?・・・

「鏡の間」は、「戦争の間」と「平和の間」を結んでいます。中央に立てば、その両方の部屋を望んで、戦争から平和への眺望となるのです。そうすることを、青い鏡が遮っていたのでした!

そこまで大それたことをするなんて・・・。芸術家のエゴを感じてしまいました・・・。

宮殿のオフィシャルサイトに素晴らしい「鏡の間」のパノラマ写真があったので、しばし眺めました。
La galerie des Glaces

ヴェルサイユ宮殿のオフィシャルサイトには、ふんだんに画像が入っています。ヴェルサイユ宮殿に行きたいのに行けないでいらっしゃる方には嬉しいホームページですよ。見学してもよく見えないところ、入れないところも見ることができます。見たくないオブジェを見てしまうということもありません!


ところで、ジェフ・クーンズって、どなた?

このJeff Koons(ジェフ・クーンズ)が世界で最も優れた芸術家だ、と断定するのはどうかと思ってしまいました。現代芸術は好きではありませんが、すごい才能があると認めざるを得ない作品に出会いますから。

名前さえ聞いたことがない人だったので、調べてみました。

★Wikipedia: ジェフ・クーンズ

ここからリンクされているフランス語のページ(Jeff Koons)の出だしがおもしろかったです。

現代生きている芸術家の中では、オークションで一番高い値段で作品が売れた人だと書いてあります。クリスティーが12,921,250ポンドで売ったとのこと。25億円くらい?・・・

Wikipediaは知らないことを教えてもらうと感心するのですが、知っていることを読むと「違う・・・」となることが多いです。それで、これも本当かどうか分からない。でも、そうなのではないかな?・・・

だって、それを理由にして、世界で一番優れた芸術家だ、と自称できるわけですから。

日本でも有名なのかと思って調べてみたら、幾つかグッズを売っていました。私が知らないだけで、有名な芸術家なのでしょうか?・・・


マウスを近づけると価格が表示されます。


別のところで展示会をしてもらいたかった

こういう作品を評価する人がいるのは分かります。でも、ヴェルサイユ宮殿に展示しなくても良いではないですか? パリには現代芸術を専門とするポンピドー・センターもあるのだし・・・。

フランスでも、ヴェルサイユ宮殿でこの特別展をしたことには賛否両論に分かれたようですが、反対派の方が多いように感じました。でも、スキャンダルになるのも、現在芸術では有効なPR方法なのですよね・・・。

テレビをつけたらそれが話題になっていることがあって、反対意見の人が言うことが耳に飛び込んできました。

「日本人観光客は、ヴェルサイユ宮殿を見るために遥々やって来たのだから、こんな作品展になっていたら可哀そうではないか」

すると、対談相手は言います。
「いやあ、日本人は、こういう芸術が好きなんですよ」

フランス人同士で日本人がどう思うか勝手に話しあって欲しくないので、チャンネルを回しました。

でも、日本でこういうことがあるのなら、違和感はそれほど持たなかったと思うのです。ところがフランスは、歴史的建造物に対する規制が非常に厳しい国なので異様に感じます。

歴史的建造物がある地域では、その周辺には景観を乱す建物などを建てることはできません。看板も規制されます。その歴史的建造物からは見えないほど離れている民家にまで規制は及びます。屋根裏部屋に明かりとりの窓をつけたいのに、許可が下りないなど。

ですから、おそらくフランスが最も誇る世界遺産に、それとは全く関係がないものを並べてしまうというのを見ると、なぜ許可されたの? と思ってしまうわけです。

オーディオガイドは、「ヴェルサイユ宮殿に最も似合う作品」と言っていました。そこまで言わなくても良いと思う。こんなキッチュなものを見せられると、笑ってしまって、いつものようにうっとりと宮殿の雰囲気を味わうことはできませんでした。

あのヴェルサイユ宮殿に作品を展示してみたい、という夢を持つ芸術家はたくさんいると思います。なぜそれができてしまうのか?・・・ 高いギャラリー代を支払ったから? ヴェルサイユ宮殿の修復に巨額な資金を出しているアメリカのメセナがバックアップしたから?・・・

何が理由でも良いのではありますが、私が行くときにはして欲しくないです・・・。

実は、前回に行ったときにも、ヴェルサイユ宮殿で異様なオブジェに出会っていたのです。これからは、毎回そうなるのかと恐怖を覚えてしまいます・・・。

前回に行った時の日記:
パリ近郊旅行 <3>: ヴェルサイユ宮殿の庭で仰天! 2007/10/26

ところで、この特別展は2008年9月10日から始まった特別展は12月14日まで続くのだそうです。

ぜひ見たいと思われる方、あるいはぜひ避けたいと思われる方は、ご旅行のスケジュールを立てるときにご注意くださいね!

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